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再生数以上に大事にしたい「出すからには自分がおもしろいと思うものを」というこだわり。あくまで趣味として楽しむTRPGとの付き合いかたとは【ゆっくり動画投稿者・ダニエルさんインタビュー】

約5年に及ぶシリーズを完結させたいまの心境

──ダニエルさんのこれまでの動画を見ていくと、ひとつひとつのシナリオじたいは2、3話でまとめられていますが、全体としてひとつのシリーズとしてつながってもいるんですよね。

ダニエル:
 はい。もともと「ゆっくりクズどものクトゥルフ」シリーズはつながりのない単発のシナリオだったんですが、それを僕がお遊び気分で設定をつなげてひとつの物語にしてしまったんです。

 それが僕の中で中途半端に感じてしまい、どうにか満足のいくところまで落ち着かせたい気持ちがありました。結果的に長期間に渡るシリーズになってしまいましたが、完結させることができていまはすっきりしています。

※それまで投稿されていた『山猫館』編、『白犬村』編、『怒殺島』編、『狂狂園』編をひとつの物語につなげたのが、上記の「ゆっくりクズどものクトゥルフ 『狂狂園』 大解決編」。

──シリーズ2作目の「ゆっくりみなぎってくるクトゥルフ」、3作目の「せっかちクズどものクトゥルフ」に続いていくわけですが、2作目の「ゆっくりみなぎってくるクトゥルフ」からだいぶ雰囲気が変わりますよね。シリアス寄りというか。

ダニエル:
 じつは、TRPGを知らない友人に僕の動画を見せて、セッションに誘おうと思っていたんです。ただ最初のシリーズだけだと内容が下品だなと思い、これは中和しておかないといけないなと(笑)。

──中和(笑)。雰囲気もそうですが、もともと東方や既存キャラクターの立ち絵を使用していたのが、3作目「せっかちクズどものクトゥルフ」からは手書きのオリジナルイラストに変わりました。これってなにか意図や狙いがあったんですか?

ダニエル:
 とくに意図はなく、いっしょにセッションをしたメンバーの方がイラストを描いてくれたので、ありがたく使わせていただいているんです。

「ゆっくりみなぎってくるクトゥルフ」プレイヤーキャラのミナギリ。立ち絵は西行寺幽々子であった。
(画像は「ゆっくりみなぎってくるクトゥルフ #01」より)
「せっかちクズどものクトゥルフ」では、雰囲気は残しつつオリジナルイラストで描かれていた。イラスト担当はセッションにも参加しているなびるな@navi_luna)さん。
(画像は「せっかちクズどものクトゥルフ神話TRPG #07」より)

──あ、そうなんですか。てっきりマネタイズを考えてかなとも思っていました。

ダニエル:
 TRPG動画は、セッションにかかる時間や動画の制作時間など、ひとつの成果物に対してかかる時間がどうしても長くなってしまうので、マネタイズしていこうとは考えていません。僕の場合、あくまで趣味ですね。

──動画の制作時間ってどのくらいかかるものなのでしょうか。

ダニエル:
 まとめて一気に作るというより、時間が空いたら少しずつ進めているので、トータルでどのくらいの時間かというのはちょっとわからないですね……。動画ができあがったら投稿しているので、投稿期間が制作時間ではあります。

──そう考えると、やはり動画を作ることって大変な作業なんですね……。

ダニエル:
 動画を作ることじたいは好きなので大変とは感じないのですが、シリーズものでしたので、出さなきゃという義務感や焦りはありました。

 シリーズを完結させていまは焦りがない状況なのですが、焦りがないと作る気力があまり出ないと感じていて、また焦らないとなって思ってはいます(笑)。

最終回のラスト。数多くの「お疲れ様」コメントが寄せられている。
(画像は「せっかちクズどものクトゥルフ神話TRPG #18-2」より)

今後も自分がおもしろいと思うものを投稿していきたい

──焦ってもらうため……というわけではないですが、動画投稿活動について今後の展望を教えていただけないでしょうか。

ダニエル:
 大それたものは立てていないのが正直なところです。昔と同じく、自分が見たいものを作って、それがみなさんと同じだとうれしいなとは思っています。

──自分が見たいもの、おもしろいと思ったものを作るのが、ダニエルさんの動画投稿スタイルの軸なんですね。

ダニエル:
 そうですね。動画を投稿していくうえで、再生数やランキングも大事だとは思うのですが、やはり出すからには自分がおもしろいと思うものを投稿していきたい想いがあります。根拠はないのですが、自分が見たいものを作っていくことがいちばんおもしろくなるんじゃないかなと。

──これまで動画化されたセッションを見てみると、すべてダニエルさんがキーパーを務めているものですが、やはりキーパーをしているセッションのほうが動画化しやすいんでしょうか。

ダニエル:
 そこはとくにこだわりはありません。というのも、動画化しているセッションの参加メンバーは、もともとTRPGを知らない人たちだったので、僕がキーパーをやっていただけなんです。

 でも、いまいっしょに遊んでいる仲間は、もう何回か遊んでいるので、別の方にキーパーをお願いして僕はプレイヤーとして参加して、それを動画化するのをじつはいま狙っています。

──クトゥルフの新版も出ます【※】し、いいタイミングですね。

※取材日は12月上旬。

ダニエル:
 仲間にも「新版を買ったらキーパーやってみない?」と、新版発売をきっかけにキーパーを勧めているところです。新しいルールブックを手に入れてセッションするのが楽しみですね。

セッションメンバーでこのようなやりとりも。

──これまでのルールとどう違ってくるのか楽しみですよね。ダニエルさんにとってTRPGの楽しさってどこにあるんでしょう。

ダニエル:
 ひと口に楽しさはこれって表すのは難しいのですが、僕の場合、TRPGを遊ぶというのは会話の延長線上に近いものだったりするんです。

 いまいっしょにTRPGを遊ぶ仲間とは、通話ツールを使ってやりとりすることが多いんですが、TRPGという話題にこと欠かない題材があると話が弾むんです。

 いろんな人がいろんなことをしゃべっておもしろいことが起きる。それが2時間、3時間続くというのはTRPGでないとなかなか起きにくいことですし、それってすごい楽しいものだと思うんですよね。

──確かに何人もの人間がひとつのテーマで何時間も盛り上がれるってすごいことですよね。最後にファンの方へひと言メッセージをいただければと思います。

ダニエル:
 ファン、という表現をするとなんだか気恥ずかしいですが、僕の動画を見て下さっておもしろいと思っている方には、ぜひTRPG動画を実際に作ってみてほしいです! 僕の動画をおもしろいと思ってくれている方の動画なら、僕にとってもおもしろい動画だと思うので、きっと見に行きますし、どのような動画なのか見てみたい想いがあります。

 僕自身は、今回いろいろお話して、“ゆっくりTRPGならでは”の演出をちょっと考えてみようかな、という気持ちになりましたので、上手くできるかわかりませんが、なにかやってみようと思います。つぎの動画もそういう目線でお楽しみいただければありがたいです。

──ありがとうございます! (了)

※ダニエルさんの新作動画「ゆっくりクトゥルフ神芝居 #01」。


 「自分の見たい動画がない、じゃあ作ろう」と動画制作を始めたきっかけや、「自分がおもしろいと思う動画を作り、同じようにおもしろいと思ってくれる人に見てもらえばいい」という動画制作に対するスタンスなど、ダニエルさんの動画制作の根本には、“自分がおもしろいと思う動画を見たい”という想いが根付いていた。

 とくに印象に残っているのは、「好きなので大変とは感じない」「(もっとも脳汁が出るのは)動画ができあがった瞬間」と、動画を作る作業含めて楽しんでいるところだ。TRPG動画の投稿をあくまで趣味と語る、ダニエルさんだからこその感情なのだろう。

 本記事では、ダニエルさんとTRPG動画との歩みを振り返ってきたわけだが、肉声動画投稿者であるまにむさんへのインタビュー記事も同時掲載しているので、ゆっくり動画サイド、肉声動画サイドにおいて、それぞれどのような違いがあるのかの対比も合わせて楽しんでいただけたら幸いだ。

TRPG動画 連載企画
1.動画データをもとにTRPG動画の歴史を振り返る(記事はこちら
2.ゆっくり動画投稿者インタビュー ダニエルさん(本記事)
3.肉声動画投稿者インタビュー まにむさん(記事はこちら
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