元受刑者が語る女子刑務所のリアル ――「全裸四つん這いで身体検査」「夜中は大便以外は流せない」
息子からの手紙を読むときが「一番つらい」
土屋:
こういうことがあると罰を与えないといけないということで、懲罰房の話を伺いたいと思います。先生は懲罰房に入ったことはあるんですか。
中野:
2回、3回ありますね。三畳一間に鍵をかけられて、荷物も何も持たせてもらえなくて、トイレも中にあるんですけれども、そこで罰の期間が終わるまでドアに向かって、ひたすら座るだけ。
土屋:
だから何が辛いかというと、こちらです。
星田:
1日だけですか。
中野:
私は60日です。喧嘩してしまって、1回殴るのも2回殴るのも一緒かと思って2人殴ってしまって、罰が倍になったんだと思います。男性のことで、すごいいじめに遭って。彼氏が面会にくるときに「約束は守られんかもしれん」って言ったら、「もういったら?」って言われて。
土屋:
男性のことでって、どういうことですか。
中野:
彼氏のことを好きだった女の子がいて、いろいろ言われて。
板野:
そんな近いところで捕まるんですか。
中野:
近いですね。よくありますね。遊ぶ地域が西成区とかで遊んでいたので、みんな顔見知りみたいになっちゃって。
星田:
でも60日も壁に向かって気がおかしくならないですか。
中野:
普通はなるんでしょうけれど、私は開き直って布団を敷いて寝ていました。自分が悪くないと思っていた喧嘩なので。先生にも「もう我慢できない」と言ったら、「納得するんやったら、いったら?」と言われたし、自分は今まで我慢してきたら悪くないと思って。やったことは悪いですけれどね。
土屋:
刑務所生活の中で一番つらかったことは何ですか。
中野:
もちろん自分が悪いんですけれど、子供から手紙が来るんです。「運動会、去年は来てくれなかったから、今年は絶対ママ来てね、待っているからね」って。でも子供は、私が中にいることは知らない。「遠足のとき来られなかったから運動会に来てね」「運動会に来られなかったから、発表会に来てね」って。
星田:
おばあちゃんは、どう伝えているんですか。
中野:
「仕事に行っているから」って。その手紙を見て、自分が悪いので何も言えないんだけど、それを読んだときに「えぐいな自分」と思って。そういうときが一番つらかったです。
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