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ファンタジーでおなじみの剣『エクスカリバー』は『アーサー王伝説』を翻訳した宮廷詩人の誤訳がきっかけで生まれた!?

 今回紹介するのは、れぎゅらーさんがニコニコ動画に投稿した『【ファンタジー武器をゆっくり解説】第二回 エクスカリバー』という動画。

 音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』のパチュリー・ノーレッジレミリア・スカーレットフランドール・スカーレット姉妹の三人のキャラクターが、ファンタジー作品の登場する武器である『エクスカリバー』の歴史について解説を行います。


■石に刺さった剣というイメージは半分不正解!?

パチュリー:
 まず、エクスカリバーについて他に何か知ってることはある?

レミリア:
 確か石に刺さってて、「王の資質を持つ者しか抜くことが出来ない」みたいな? 例えばこんな感じ?

ファンタジーでおなじみの剣『エクスカリバー』は『アーサー王伝説』を翻訳した宮廷詩人の誤訳がきっかけで生まれた!?

パチュリー:
 いや逆! これだと下から持ってシャッターを開ける容量で抜かなきゃいけなくなるじゃない!

レミリア:
 腰悪くしそう。

パチュリー:
 それはさておき、「石に刺さった剣」という設定は半分正解、半分不正解といったところね。

ファンタジーでおなじみの剣『エクスカリバー』は『アーサー王伝説』を翻訳した宮廷詩人の誤訳がきっかけで生まれた!?

パチュリー:
 エクスカリバーの話をする前にまず所有者であるアーサー王の説明が必要ね。アーサー王は5~6世紀頃の、ブリトン人の君主とされているわ。ブリトン人とは現在のイギリス国土の大半を占めるグレートブリテン島の原住民のことね。
 
 つまり簡単に言うと、大昔のイギリスら辺の王様がアーサー王よ。

レミリア:
 すごいざっくり言ったわね。

パチュリー:
 アーサー王の物語はブリテンを中心としたヨーロッパの各国で人気を博し、多数の文献が執筆されたわ。だから石に刺さった剣をエクスカリバーとしている書籍もあるけど、最初からそういう設定だったわけではないわ。

 映画やアニメでたびたび取り上げられている「アーサー王の物語」。エクスカリバーの歴史を知るには「アーサー王の物語」の歴史を紐解く必要があります。エクスカリバーについて「これだけ音節がいい武器名もないよな」「エクスカリバーって聖剣というか王の剣なんだよな」というコメントが寄せられました。

■エクスカリバーの起源は神話にさかのぼる!

ファンタジーでおなじみの剣『エクスカリバー』は『アーサー王伝説』を翻訳した宮廷詩人の誤訳がきっかけで生まれた!?

パチュリー:
 最初は西暦700~950年頃までに成立したケルト神話。その中でもアルスター神話群と呼ばれている文献から話を始めるわ。この文献の中に『カラドコルグ』もしくは『カラドボルグ』という剣が登場するのだけど、これがエクスカリバーの原型ではないかと言われているわ。

レミリア:
 あまり似てないね。

ファンタジーでおなじみの剣『エクスカリバー』は『アーサー王伝説』を翻訳した宮廷詩人の誤訳がきっかけで生まれた!?

パチュリー:
 ただしアルスター神話群にはアーサー王に関する記述はなく、この剣も別の戦士が所有していたとされているわね。

 更にアルスター神話群よりも後、マビノギオンという物語の中に、アーサー王が所持している剣として『カレトブルッフ』という剣が登場しているわ。

 これは先述の『カラドコルグ』のことを知っていた詩人が、それにちなんでカレトブルッフという剣を創造しアーサー王の所有物としたのではないかと言われているわね。更にブリタニア列王史という書籍で、アーサー王の剣はまた名前を変えて、今度は『カルブルヌス』といおう名前で呼ばれるようになるわ。

 ブリタニア列王史は歴史書という体を取ってはいるのだけど、その内容は歴史的整合性はなく、偽史書という扱いをされているそうです。剣の名前の変遷について「カリバーン…ソニックと暗黒の騎士のナマクラ刀かな」「何故かエクスカリバー以外は全部アーサー王ガン無視で関係ない話に出てきたりもする」といったコメントが寄せられました。

ファンタジーでおなじみの剣『エクスカリバー』は『アーサー王伝説』を翻訳した宮廷詩人の誤訳がきっかけで生まれた!?

フランドール:
 いちいち名前を変えているのは理由があるの?

パチュリー:
 カリブルヌスに関しては鋼鉄を意味するカリュブスと掛けたのでは? と言われているわね。もちろん言語的な問題もあるでしょうね。マビノギオンはウェールズ語で記されているのに対し、ブリタニア列王史はラテン語の書物だからね。

 神話として伝承された物語にはエクスカリバーの原型になっていると思われる剣の名前が多く登場しているようです。しかし、まだ『エクスカリバー』という言葉は登場しません。

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