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元受刑者が語る女子刑務所のリアル ――「全裸四つん這いで身体検査」「夜中は大便以外は流せない」

クラス替え後は殺人犯とも一緒の部屋に!?

土屋:
 このあと、クラス替え。言わば、一緒に住む人が変わります。一緒になる人は運次第というところがあるのですが、絶対にこの人とは一緒にならないというルールがあります。それがこちら。

星田:
 そらそうやわ。

西川:
 クラスはいくつらいあるんですか。

中野:
 多くて10何箇所くらいあるんですけれど、私が和歌山にいたころは3工場しかなくて。1工場は初犯、2工場は累犯、3工場は“モタ工”となっていました。

西川:
 モタ工?

中野:
 おばあちゃんとか。手先が動かない人は、作業をやっているかわからない工場もあったのですが、それにわかれていました。

土屋:
 そしてこちらです。

中野:
 カチカチというのは放火犯の人ですね。

土屋:
 どうして放火の人が苦手なんですか。

中野:
 放火の人は何人か一緒に生活させてもらいましたけれど、絶対に気持ちは通じない。「これがあかんねんで」って言っても、絶対に「うん」とは言ってくれないし、「うん」と言ってもまた同じことをする。自分の世界がありすぎて、だから同じ部屋になったら必ず揉める。

星田:
 カチカチさんが炊場には?

中野:
 絶対に行かないです。

星田:
 やっぱり火を使うから?

中野:
 (笑)。ハサミも持たないですね。

土屋:
 殺人犯もちょっと独特ですか。

中野:
 独特ですね。大きな事件の人とかも一緒なんですけれど、バラバラ死体にした人がいらっしゃったんです。「テレビで見たことある人や」って。そういう人とかも一緒になります。そういうのはザラなんだけどね。

星田:
 ザラ!?

中野:
 テレビで手術のシーンとか出てきたら、そういう人に限って目を隠して「わっ!」って言うから、私は心の中で「絶対うそやん」って(笑)。

西川:
 でも殺人犯とか放火で捕まった人というのは、わかるんですか。

中野:
 称呼番号というのがあって、1番から10番までというのは、だいたい殺人。普通の人が400番代や300番代。累犯の人は200番代とか、いろいろあるんです。

土屋:
 有名な人とも一緒だったんですよね。

中野:
 福田和子【※】さんとも一緒だったんですよ。

※福田和子
強盗殺人犯。1982年に殺人を犯した後、1997年に逮捕されるまで、約15年に及ぶ逃走劇で知られる。

星田:
 うわ! あの逃亡して……。

中野:
 短い期間でお亡くなりになられたんですけれども。「テレビと一緒や!」と思いながら見ていました。

刑務所での1日を公開。 食事中は誰とも目を合わさない

土屋:
 刑務所は実は週休二日制です。土日は作業を免れる日と書いて「免業日」です。ということで、平日の仕事がある日のスケジュールを見てみましょう。こちらです。

星田:
 健康的やな。

土屋:
 ですが、原則仕事中は私語厳禁。これはしょうがないです。でも何か言いたいときとかあるんじゃないですか。

土屋礼央さん。

中野:
 そういうときは「話します」と言います。でも話せる人は限られていて、先生から許可をもらえている人だけ。だから歩いて作業を教える担当とか、班長とか、雑役さんとかは先生に「話します」って手を挙げて、手を挙げながら話をします。挙げている間はしゃべってもOK。だからずっと異様な雰囲気。手を挙げていないときにしゃべったら処分をもらう。

土屋:
 食堂ではどうですか。

中野:
 基本しゃべれない。誰とも目を合わせてはいけないし、自分の席が決まっているので、そこに座ってついた瞬間目をつぶる。アイコンタクトは処分になるし、大きくなれば懲罰になるので、目を合わさない。

土屋:
 目でメンチを切るんですって。

中野:
 睨んできたりするから、睨まれても目をそらす。喧嘩の原因になっちゃうから。したくなかったら目を閉じて黙っておく。

星田:
 実際に喧嘩とかあるんですか。わざとぶつかって食事をこぼすとか。

中野:
 全然あります。一番静かな場所なんですけれど、一番喧嘩しやすい場所。

土屋:
 だから食前、食後は目を閉じると。

ミクロマンサンライズ!!!:
 ボスみたいな人にパンをお渡しするとかあるんですか。

中野:
 やっぱり強い人のほうがご飯を取っちゃう。「シャリアゲ」って言うんですけれど。「シャリアゲ」をおばあちゃんからやったり。

西川:
 ちょいちょいスラングがすごい(笑)。「雑役さん」って何やろとか(笑)。

中野:
 雑役さんは、受刑者の世話をする人です。

西川:
 シャリアゲって……(笑)。

中野:
 カツアゲとかと同じで、ご飯を取ったりしたりするけれど、それが見つかったら大きい罰になります。

西川:
 見つからないようにやるんですか。

中野:
 でも先生もプロなので、部屋の小さい窓があるんですけれど、普通に先生が歩いてきたら見えてしまうからやらないんですけれど、先生も賢いから、しゃがんで歩いてきて、小さい窓のところで体を上げるんです。

一同:
 おぉ~。

中野:
 それで見つかったらもう終わり。

板野:
 見つかったらどうなるんですか。

中野:
 全員取り調べになったりとか、本人だけじゃなくて、もらったほうも、あげたほうも懲罰。

西川:
 キツイ。

中野:
 だから取られている人は本当にかわいそう。でもやっぱり強い人はいるんです。

西川:
 刑が重い人が偉い?

中野:
 関係ないですね。ロングでいる人は、やっぱり強いですね。

ミクロマンサンライズ!!!:
 ロングって何ですか。

中野:
 懲役が長い人です。

星田:
 バカにされる犯罪とかないんですか。僕、本で読んだのですが男性は性犯罪とかはものすごい周りからバカにされるみたいな。女性の場合は?

中野:
 万引きが多いですね。あとはカチカチですね。

生活にゆとりが増える? 進級制度とは

土屋:
 19時から自由時間なんですね。

星田:
 結構ホワイト企業やね。

中野:
 夕食が終わったら自由です。

星田:
 しゃべってもいいんですか。

中野:
 全然大丈夫です。ラジオもかかっているし。

星田:
 歌は歌ってもいいんですか。

中野:
 歌は禁止。「ミュージックステーション」とか見ていて、歌いたい歌があって口が動いているのが先生に見つかったら、一応口頭注意になって進級ができなくなったりします。

西川:
 進級?

中野:
 5類から1類まであって、5類からはじまるのですが、真面目にしていたら2類まで上がります。懲役が長い人や無期懲役の人は1類までなれるけれど、普通の人は2類で終わり。でもこの5類から2類の差は大きくて、お菓子を食べられる時間も違うし、手紙の回数も違うし。

西川:
 模範囚じゃないけれど、きちんと勤め上げていると、どんどん格が上がっていく。

中野:
 そう。だからこの小さい口頭注意が重なると進級できないんです。

西川:
 ちなみに進級試験とかはあるんですか。

中野:
 先生とかが採点しています。小さい注意があったら上がれないです。

星田:
 偉い人にいじめられて「真面目に上がっていってるやん、ちょっと歌を歌ってみいや」みたいないじめとかは?

中野:
 特別進級というのがあって、私もさせてもらったんですけれど、それがあったときに「あんた、ゴマスリうまいからな」とか言われたけれど、「仕事を真面目にやってるだけだから」って気持ちを強くいけたら放っておけるけど、やっぱりそこで喧嘩をしちゃう子とかもいます。

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