「ニコニコ超会議2026」クリエイタークロス クリクロアワード発表!
■小さなキーキャップに大きなインパクト Foodie&Keyがインパクト賞を受賞
審査員:小林幸子さんのコメント
とっても細かく、細部まで精密に作られていて、見ていてもワクワクしました。
ユーフォーキャッチャーなどは、空間にも物を入れて動くように作ることで、音も楽しめるようになっていて、インパクト抜群でした!
小さい頃から好きで、こういうものを作られていると伺い、遊び心も感じて、好きってやっぱり強いな! と感じました。

――今回のクリエイタークロスで「これに力を入れた!」という目玉は何でしたか?
Foodie&Key:
今回のクリエイタークロスにおける目玉は、新作の「シマエナガのクレーンゲーム・キーキャップ」です。
この作品で最も力を入れたのは、キーを指で押すたびに中の「シマエナガ団子」がシャカシャカと可愛らしく動くギミックの制作です。
クレーンゲームの筐体を模したキーキャップの中をあえて空洞にし、その中に小さなシマエナガたちを閉じ込めるという非常に繊細な構造上の工夫を凝らしました。

Foodie&Key:
単に見た目が可愛いだけでなく、メカニカルキーボード特有の打鍵感に、視覚と聴覚で楽しめる「シャカシャカ」という感覚を融合させて「押すこと自体が楽しくなる体験」を目指しました。
小さな空間の中に、いかに遊び心と技術を詰め込むかに徹底的にこだわっています。
実際に来場者の方々が驚き、楽しそうにキーを叩いている姿を見て、これまでの試行錯誤が報われたと強く実感した、思い入れの深い一作です。
――作り込まれてますね。ブースにも演出や仕掛けをしたんでしょうか?
Foodie&Key:
「小さなキーキャップという作品を、いかに埋もれさせずに見せ、その魅力を体感してもらうか」という点を工夫しました。
キーキャップは一つ一つが非常に小さいため、普通に並べるだけでは遠くからの視認性が低く、何が展示されているのか伝わりにくいという課題がありました。
そこで、ブースにはしっかりとした高さを出し、来場者の目線に直接飛び込んでくるような配置を工夫しました。

Foodie&Key:
また、小さな作品をあえて数多く並べることで、ミニチュアが集まった時の圧倒的な「可愛らしさ」を強調し、通りがかりの方でも思わず足を止めてしまうような視覚的な演出を施しました。
加えて、そもそも「キーキャップ」という文化に馴染みのない方が多いため、見るだけでなく実際にキーボードに装着した状態のものを「カチカチ」と叩ける体験コーナーを設けました。
画面越しでは決して伝わらない「押し心地」や「質感」を直接肌で感じてもらうことで、購入の有無に関わらず、一つの楽しい体験として記憶に残るような空間作りを徹底しました。
――これだけ作品があると準備も大変そうですね。準備期間中に直面したトラブルや、逆に「これはいける!」と確信した瞬間を教えてください。
Foodie&Key:
準備期間中に直面した最大のトラブルは、イベント直前に3Dプリンターの出力が安定しなくなってしまったことです。
今回の作品は非常に細かな造形が多いため、ミリ単位でのセッティングが要求されますが、思うような形にならず苦労しました。

Foodie&Key:
納得のいく品質に到達するまで、パラメータの微調整を何度も繰り返しました。
しかし、その試行錯誤の末に、ようやく理想とするクオリティの作品が完成した瞬間、「これはいける!」という強い手応えを感じました。
さらに、その作品をSNSで告知した際、予想を大きく上回る熱狂的な反応をいただけたことで、自分のこだわりが間違っていなかったと感じ、制作の苦労が報われた経験となりました。
――キーキャップはとても小さなサイズですが、3Dプリンターでこのサイズの造形をするときどんな点が難しいですか? また、どうやってその難所を乗り越えていますか?
Foodie&Key:
キーキャップという非常に限られた面積の中に、1mm以下の緻密な造形を施しながら、実用的なアイテムとしての強度を両立させることが、3Dプリンターでの制作における最大の難所です。
ミリ単位の誤差が仕上がりに直結するため、少しの設定の違いで形が崩れてしまうことも珍しくありません。

Foodie&Key:
この課題を乗り越えるために、私は一つの作品を完成させるまでに、少なくとも10回以上の出力テストを愚直に繰り返しています。
スライサーソフトのパラメータ設定や、造形物を支えるサポート材の配置方法などを細かく研究し、膨大な失敗を積み重ねることで、自分なりの「正解」を導き出しています。
多大な時間と根気が必要な作業ではありますが、試行錯誤の末に少しずつ理想の形へと近づき、最終的に納得のいく面白い作品が形になった時の喜びは格別です。
その達成感があるからこそ、技術的な壁さえも楽しみながら乗り越えていくことができています 。
――対面ならではファンとの交流で印象に残っているものはありますか?
Foodie&Key:
画面越しでは決して伝えきれない「質感」や「触り心地」を、来場者の方々に直接評価していただけたことです。
特に自作キーキャップという文化に初めて触れる方が多く、「こんなに可愛いものがあるんだ!」「実際に触ると感触が面白い」と驚き、楽しそうにキーを叩いている姿を間近で見られたことは、リアルイベントならではの大きな喜びでした。

Foodie&Key:
中には、私の作品をきっかけに「これを機にキーボード自体を買い替えようかな」と言ってくださる方もいて、一つの作品が誰かの創作環境や趣味の幅を広げる瞬間に立ち会えたことは非常に感慨深かったです。
また、お子さんからご年配の方まで、年齢を問わずブースで「カチカチ」と夢中でタイピングを楽しまれている様子を見て、自分の作ったものが世代を超えて笑顔を生み出せるのだと、活動を続ける上での大きな自信と励みになりました 。
――ほかの出展者のブースを見て、刺激を受けたことや「次はこうしたい」と思ったことはありますか?
Foodie&Key:
ニコニコ超会議の会場は、ほかのイベントと比較して演出上、全体的に少し暗めに設定されているのが特徴的でした。
その中で、多くの出展者の方々が光を巧みに取り入れた演出をされているのを目にし、非常に大きな刺激を受けました。
光を効果的に使っているブースは遠くから見てもパッと目を引き、展示されている作品の魅力がより一層際立って見えたのがとても印象的でした。
自分自身のブースでも、今後は作品のディテールをさらに引き立てるための照明の当て方や、光を活用したディスプレイ方法をより深く追求していきたいと考えています。
――光を意識されたんですね。特に上手くいった展示はどれですか?
Foodie&Key:
特に今回、キーボードのバックライトを透過させる「アーケードゲーム」のキーキャップが、来場者の方々から「光るのが格好いい」と非常に高い評価をいただきました。
光と作品が融合することで生まれる新たな楽しさを再確認できました。
次回の出展では、光を透過する設計をさらに強化した新作を増やし、会場の雰囲気を活かしたより幻想的で魅力的な展示体験を提供したいと考えています。

――自分のファン層とは全く異なる層から、どのような反応がありましたか?
Foodie&Key:
今回の出展で非常に新鮮だったのは、自作キーボードという世界に馴染みのないお子さんやご年配の方々からも、大きな反響をいただけたことです。
精巧に作られた食べ物モチーフの作品を前にして、「可愛い!」「本物みたい!」と驚きの声を上げてくださる様子を見てとても嬉しかったです。
また、単体で打鍵感を楽しめる「キーボードストラップ」を用意したのですが、これがお子さんから大人まで大人気でした。
お子さんが夢中でエンドレスにカチカチと楽しんでいたり、ご年配の方が「暇な時にずっとやってしまいそう」と笑顔で手に取ってくださったりする姿が印象的でした。
世代を問わず、ブースでの「体験」そのものを純粋に楽しんでいただけたことは、リアルの場に出展したからこそ得られた、貴重な経験となりました。

――あなたがニコニコ動画や、現在の活動を始めた最初の「きっかけ」は何でしたか?
Foodie&Key:
現在の活動の原点は、趣味であった「自作キーボード」と、樹脂粘土による「ミニチュアフード制作」が自分の中で結びついたことにあります。
趣味でキーボードを自作している際、「毎日触れるキーそのものも、自分の好きな食べ物の形にできるのではないか」というアイデアが閃いたのが第一歩でした。
制作を始めた約7年前は、食べ物をモチーフにしたキーキャップを作っているクリエイターはほとんどおらず、市場には自分が本当に欲しいと思えるデザインのものが存在しませんでした。
――ということは、「欲しいから作る」が原点だったんですね。
Foodie&Key:
そうですね。「理想のものが見当たらないのであれば、自分の手で作り上げよう」という想いが、私の創作の動機となっています。
当初は樹脂粘土による手作業での制作でしたが、より細部までこだわり抜いた表現と精密さを追求するため、2年前からは3Dプリンターを本格的に導入し、現在のスタイルに至りました。
最初は自分一人の「欲しい」を満たすための個人的な試みでしたが、作品を通じて多くの方と「好き」を共有できる現在の状況は、活動開始当初には想像もしていなかった喜びです。

――活動を長く続けていく中で、絶対に曲げたくない「自分なりの美学」はありますか?
Foodie&Key:
どんなに小さな作品であっても本物の質感にこだわり、手に取った人が思わずニヤリとしてしまうような「遊び心」を常に大切にすることです。
また、あえて「マイナーな世界を突き詰める」姿勢も私の活動の根幹にあります。
現在はノートPCのような薄型で効率的なキーボードが主流ですが、私はあえてメカニカルキーボードという特定の分野に特化したものづくりを続けています。
一般受けを狙って万人向けの作品を作るのではなく、自分の「好き」や独自の思考を全面に押し出した表現を貫きたいと考えています。
この7年間の活動において、周囲に合わせようと迷った時期もありましたが、最終的には自分が心から作りたいものを形にしている時こそ、最も納得のいく最高の作品が生まれると確信しました。
これからも、自分の感性を信じ、唯一無二の作品を追求し続けたいです。

――出展を迷っている未来のクリエイターに向けて、背中を押すメッセージをお願いします。
Foodie&Key:
自分の「好き」を形にして、誰かに直接届けるという経験は、何物にも代えがたい一生の財産になります。
もし今、出展を迷っているなら、勇気を持ってまずは一歩踏み出してみてください。
ニコニコ超会議という場所は、自分の「好き」を全力で、そして自由に表現できる素晴らしい舞台です。
ここでの素晴らしい点は、来場者と出展者という垣根を超えて、お互いを一人の「表現者(クリエイター)」として認め合い、対等な立場で触れ合えることです。
単に物を売る場所ではなく、自分の情熱に共感してくれる仲間を見つけ、刺激を与え合える特別な空間が広がっています。
自分の内側にある「好き」という気持ちを信じて表現すれば、そこには想像以上の出会いと感動が待っています。
あなたの「好き」が誰かの心を動かす瞬間を、ぜひ会場で体感してほしいと思います。
