「キレイなトランプには誰も投票しません」岡田斗司夫、小飼弾、山田玲司が見た米大統領選
現地時間2016年11月8日(火)に投開票日を迎えたアメリカ大統領選挙。ヒラリー・クリントン勝利で終わると思われましたが、大方の予想は多くの”隠れトランプ支持者”によって裏切られ、最終的にドナルド・トランプ氏の勝利で幕を閉じました。
ここからはニコ論壇時評に出演した論客による、アメリカ大統領選挙のいくつかの見方を紹介します。
※一部、開票前の発言も含みます。
スキャンダル合戦となった史上最低の大統領選(岡田斗司夫) ※11/6放送
アメリカの大統領は、共和党と民主党のそれぞれの党から対立候補が出てくるわけだけど、正直に言ってこの20年ぐらい争点がほとんど無かったんだよね。よく言われているのが、民主党は大きい政府で社会保障をやっていて、人工中絶を認めましょうと、共和党は小さい政府で経済格差をある程度認めて、人工中絶は認めないと、といってもこの社会保障にしても何にしても殆ど差も無くなってきていた。
今回はそこにトランプが殴り込んできて、「移民は全部追い返す!」 だの、「日米安保はアメリカが不当に損をしているから日本から金を取る! もし金を出さないんだったら、日本から米軍を引き上げる!」 とか言っているので、すごく争点があるように見えるけれども、10月の頭から半ばぐらいにかけて、ヒラリー・クリントンと一緒にテレビ討論をやったら、やっぱりその争点がそんなに燃えずに、お互いのスキャンダル合戦になっちゃった。
なので、人によっては「こんなに下らない大統領選挙なんて、初めてだ」と、「いくら何でも、これはヒドイ」と言う人もいれば、「トランプに投票する人は、アメリカに対して絶望してる」「インテリに対して絶望している」と、なので「トランプが躍進するのが当たり前だ!」と言う人もいるという。
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参考:どちらが当選してもトランプの勝利!?―——岡田斗司夫が分析する米大統領選
キレイなトランプには誰も投票しません(笑) (小飼弾) ※11/7放送
小飼:
こういうのもなんですけども、トランプは大統領候補以前に社会人として不合格なんですよ(笑)。社会人として不合格だからこそ、いままでのさばってきちゃったというところもあるんですよね。
山路:
それはどういうことですか?
小飼:
ほかであれば致命的なスキャンダルというのが致命的にならないんですよ。税金払ってない。嘘つきまくってる。
山路:
女性にセクハラするみたいな。
小飼:
普通というよりも、およそ賭博の胴元というのは損する訳がないのに、カジノというビジネスをしててカジノ潰してますからね。ビジネスマンとしてもどれだけ出来ないんだと。
山路:
最近、トランプ自伝を書いたゴーストライターの人が……。
小飼:
そうですよ、自伝を書いた人にそっぽ向けられるなんて(笑)。
山路:
しかも、すごいそれで儲けさせてもらった人なんですよ。その人(笑)。
小飼:
だからこそ、裏を返すとキレイなトランプというのは誰も投票しません。
山路:
なるほど。そうか、そのゴーストライターが暴露したところであんまり効果はないというか。
小飼:
むしろなんて言えばいいのかな、ネットで「無敵な人」っていう言い方がありますよね。まさにそれなんです。
だから本来は、ホワイトハウスの中で大統領の執務室は「オーバルオフィス」っていう名前がついているんですね。形が楕円形だから。オーバルオフィスよりはあれですよ、バーの中が、要は牢屋の中がふさわしい人なんですよね。
山路:
パックン(パトリック・ハーラン氏)が新聞記事書いてて面白く読んだんですけど、トランプが大統領になった場合って、実は何もしない大統領になるんじゃないかっていうことを彼が述べてて、じつは出来ないことしか言ってないから、大統領になったとしても、実はアメリカは停滞するだけで致命的に何かをする大統領にはならないんじゃないかって。
小飼:
でも、米国が致命的に停滞したらどうなります?
山路:
まあ、大混乱になりますよね。経済的なところで特に。
小飼:
大混乱で済めばいいですけどね。こういうのも何ですけれども、良いも悪いもヒラリーになった場合というのは、いままでの常識や定石が通じるわけですよね。
山路:
ただなんか、ヒラリーが勝ったとしても、アメリカがものすごく状況が良くなるわけでも無いじゃないですか?
小飼:
ない!
山路:
恐らく誰がなっても、ものすごく良くなるってことは出来ないじゃないですか、恐らくは。
トランプ当選はまさに現在の”黄巾の乱”そのもの(山田玲司) ※11/9放送
山田:
すごかったのはやっぱりあれだよね、アメリカが貧乏人と金持ちの二色に分けられたっていう。金持ちってウォーターフロントに住むたがるっていうけどさ、見事なまでにサイドが海に面してるところが青くて真ん中が赤いっていうのが。
乙君:
南部からね。
山田:
そうそうそう、でも全部が語り尽くされてるからどうでもいいんだけど、象徴的な事が重なるよなーっていうのが思ってたんですけど。それは良いんですけど、先週のカッキーのですよ。
乙君:
唐突な内輪ネタ!
山田:
えーみなさん、すみません。僕の担当の編集社のカッキーってのが先週ね。金塊を持ってましてね、金の塊250万の。で「山田さん、これからは金ですよ」って言って。さっき会ったら、カッキーが「山田さん読んでましたよ僕は」とか言って……。
乙君:
何を?
山田:
トランプに賭けてたんだってアイツ。あのね、トランプが勝ったら株価暴落するから金が上がる。
乙君:
そういう事か!
しみちゃん:
そういう事だったんですか。
山田:
だからあいつ今日一人で日本人で1番トランプ応援してたぜ。
乙君:
さっすが(笑)。
しみちゃん:
は~すげ~!
山田:
あいつの金だから高くなりましたよ。だから日本株、今日だけで800円落ちたでしょ。世界的にドーンってなってる中でカッキーだけが「俺の金がぁ~」恐ろしいねぇ。
乙君:
あー、なるほどー!
山田:
だから色んな良い面悪い面まぁ色々あるけどさ、そういう生き方もあるよなっていうさ。じゃあカッキー、コメンテーターだったらどう思うのって聞いたら「僕はね~カオスは好きなんですよ、トランプは嫌いなんですけど」と言ってて、これはちょっと俺も思うんだけど。膠着した状況っていうのは皆ウンザリしててこれがカオスになると傷つく人いっぱい出てくるんだけど、その混沌から新しいものが生まれてくる可能性が出て来るという意味ではそっちの方向に目を向けていこうよっていうのは俺も大賛成。蒼天……すでに……?
乙君:
死す。じゃああれは黄巾の乱って事ですか?
山田:
ということは?
乙君:
張角がトランプって事ですか?
山田:
張角がトランプなんすよー。
乙君:
はぁ~なるほどね~!
山田:
そうそう。
乙君:
絶対違うな(笑)。
一同:
(笑)