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「圧勝したにもかかわらず勝った気がしない」――武見敬三・山本一太ら自民党議員が大勝に終わった衆院選を謙虚に受け止めている理由

野党がだめなら、リベラル保守は自民党内で作る

山本:
 最後に、自民党が勝ったあと、ここからどう展開していくか。北朝鮮情勢も危ういから安倍総理に頑張ってもらわないといけないけれど、未来永劫安倍総理がずっとやるわけではない。私は安倍総理を応援しますが、来年総裁選挙をやったほうがいいと思うんです。

 野党がだめなら自民党の中でもしっかりバランスを取っていく仕組みが必要だと思うんです。

小倉:
 私も2011年から政治活動をしていて、そのときの自民党はずっと定位横ばいだったんです。それが変わったのが2012年の秋の総裁選挙でしたね。5人の方が出られて、それぞれに政策があって理論が活発で、そのときは「自民党を見直した」「自民党も捨てたもんじゃない」と、そこで変わりました。

 その再来ではないですが、安倍さんが総裁選挙で三選したとしても、いろいろな意見の人が出てきてしっかりと議論する。自民党にはいろいろな人材がいるんだということを示したいという思いはありますね。

武見:
 今回の選挙の野党の状況を見ても、リベラル保守の野党は作れるのかな? と希望の党ができたときに思ったけれど、やっぱり無理。日本の将来の新たなリベラル保守の選択肢は自民党の中に作っておいて、そこがある種の政権交代と同じ機能を果たすという仕組みに作り変えていく必要がある。

 野党は理想主義的な平和主義で、おそらく日本の実情には合わないでしょう。したがってそうなってくると、日本の国の政策の選択肢をリベラル保守で作る必要性がある。そういう点、自民党の中のリベラル保守の政治勢力はいつもちゃんと浮き上がってくるようにすることは、日本のために大事だと思います。

山本:
 岸田政調会長はもっと元気にやってもらってもいいですよね。まだ外務大臣のときの慎重さが抜けてないから、もっと岸田色を出したほうがいい。今回の選挙で安倍内閣の実績がかなり評価されましたが、小倉さんの言うようにいろいろな人が出てきてほしいですよね。私、実はそそのかしてるんですよ。石破さんにも言っているし、野田聖子さんにも言っているし。

武見:
 ただ出て競争するというだけではなく、日本の将来の選択肢を増やす。それによって国民が自民党の中の動きがよく見えて、自民党の懐の深さが将来の日本の対応を柔軟にできる仕組みになるのが大事。

山本:
 武見さんがリベラル保守とおっしゃったけれど、いまの安倍総理なんか保守からリベラルからみんなき込んで大きな政府になった。あらゆる政策を巻き込んでいるからなかなか野党が入ってこられない。

小倉:
 政策の目標だけではなく手段が上手、下手の話でしょうね。そこは議論のしがいがあると思っていて、自分だったらもっとこういう手段で上手くできるんだという人が出てくると、もう少し政策論争というのも活発になってくるのではないでしょうか。

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