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「日本では社会問題になると法律の解釈が変わる」ウェブサービスを取り巻く法規制の問題を川上量生・ひろゆき等が徹底討論

ウェブサービスはグレーな部分ありき? ニコニコもそうだった!?

中村:
 ちなみに、グレーというのは、キャンセル料15%という部分のみですか?

水野:
 そこですね。

中村:
 ビジネスとしてみた場合、モノの査定額を抑えるわけですよね。その上で、現金支払い後に商品が届けば問題なし、届かなければ15%を上乗せできる……うまくできていますよね。

水野:
 そうですね。CASH側が、最初に出さなければいけないお金は多いですけど、最終的にはペイできると判断したんでしょう。ただ、新しく再開した後のサービスは15%のキャンセル料を取る部分がなくなったので、どうなるのかは分からない。

ひろゆき:
 ただの中古買い取りサービスですよね?

水野:
 そうなんですよ。しかも量もかなり制限されているので、どうスケールしていくんだろうって。

ひろゆき:
 でも、プロモーションコストというか、最初の(一時停止前の)約3億円でネットに詳しい人にはCASHというサービスが知れ渡った。中古でモノを売りたいんだったら、「CASHが便利だよね」と浸透したのは悪くないかも。テレビCMだって、ここまでどんな内容か認知されることはないと思う。

川上:
 もともとお金だって相当集めていたんでしょ?

水野:
 じゃないと続かないサービスだと思いますね。

ひろゆき:
 ある意味、面白い経営者だなぁと思いますよ。グレーなところを渡り歩いて、白いところに持っていくってなかなか難しいじゃないですか!? ニコニコ動画さんもグレーなときがあったと思うんですけど(笑)。

川上:
 あのね~……一緒にされたくないんですよ(笑)。

一同:
 ははははは!

川上:
 ヴィジョンが違う! だってさ、CASHは儲かると思ってやったんだと思うんですよ。でも、ニコ動を始めるときって「儲からない」と思いましたもん。

ひろゆき:
 たしかに! 売り上げの話とか一切していなかった(笑)。

川上:
 してなかったでしょ! (笑)

ひろゆき:
 面白いんじゃね? っていう。

川上:
 ある意味、あの当時のYouTubeに対する嫌がらせみたいな気持ちで始めたサービスなわけで、儲けようとかではなかった。

ヴィジョンと現行法のロジックの両立が問われている

中村:
 ニコ動の場合はヴィジョンが分かるんですけど、だとすればCASHのヴィジョンって何なんでしょうね? 本当はユーザーが幸せになればいいだろうけど。

水野:
 ニーズという意味ではあったと思うんですが、社会がそれを求めるかというと……。まぁ、儲かる儲からないという話は、イラっとされるかされないか、潰されやすいか潰されにくいかという部分では大きくて、さきほどのように川上さんはムカつくと思うのですが……「ニコ動とは何が違うんだ?」的な議論はもっとあってもいいのかもしれない(笑)。儲けを考えているかと、ヴィジョンの有り無しは別の話だと個人的には思います。

ひろゆき:
 あははははは! たしかにYouTubeも違法な動画がたくさんあるけど、みんなから愛されているサービスだし、ニコニコもそうだけど、やっぱりグレーなところは残り続けるわけじゃないですか!?

川上:
 ニコ動とかのコメントで、「黒いことを無理やりやり切る勇気が必要なんだ」みたいなことを言われると、ホントに腹が立つんだから(笑)。

水野:
 褒めているのに!?(笑)

川上:
 その褒め方はイヤだなぁって(笑)。

ひろゆき:
 でも、ヴィジョンが大事って言うのは、日本的だと思うんですよ。法的にOKであれば、思想なんか関係ないというのが近代国家の諸外国の考え方じゃない?

水野:
 ヴィジョンと現行法のロジックという両輪立てないと厳しいと思います。日本ってヴィジョンの部分で突き進んでいく人が多い。UberとかAirbnbなど、現行法の……

ひろゆき:
 それってグレーどころか真っ黒でしょ(笑)。

水野:
 いろんな言い方があるけど(笑)、現行の中で先例とは違うけど、こういう解釈もできるということを、うまく外部の弁護士の意見書なども使っていけば。

ひろゆき:
 Airbnbって白くすることもできるんですか? どう考えても旅館業法違反じゃないですか!?

川上:
 日本においてはね。

中村:
 では、CASHというサービスがヴィジョンをもって提供されているのか、皆さんにアンケートを取ってみましょうか。

ひろゆき:
 それは面白そう! (笑)お金に困っている人を助けるという意味では、たしかに役に立つことだし、ヴィジョンがゼロということはないと思うんだよね。

川上:
 でも、マイクロファイナンスのビジネスモデルですよね。マイクロファイナンスって、貧者からお金をむしり取るシステムでしょ(苦笑)。

水野:
 そうなりがち、ですけど(笑)。

貧者ビジネスは外から眺めている分には面白い!?

中村:
 では、CASHは「あり」か「なし」か、アンケートを取ってみましょうか。

ひろゆき:
 CASHとかメルカリとか貧者ビジネスが結託すると面白いかもね。メルカリって、メルカリのポイントで中の商品を買えるじゃないですか? そこでCASHと合併して、“貧者経済圏”という市場を作るとけっこう面白いと思うんだけどなぁ(笑)。

一同:
 (笑)

水野:
 今後は仮想通貨経済圏とか、いろいろ出てくるでしょうからね。日本円を持っていなくても、違う経済圏でなら生活ができるとか。

ひろゆき:
 分かれましたね~。

中村:
 意外に「なし」が多いんですね。こういうサービスが出てくるというのは、良いことだと思うんですけどねぇ。

ひろゆき:
 うん、見てる分には面白い。

川上:
 見てる分って(笑)。

ひろゆき:
 だって、メルカリで10000円が12000円で売られているとか、無茶苦茶面白いじゃないですか!(笑) しかも、現金が禁止になったら、次は1万円札で折った折り鶴が12000円で出品されていたり、よく考えるよなぁ~って。エンタメとして、僕は好きですよ。

川上:
 でもさ、是か非かは置いておいて、こういった新しいサービスが出てこない日本って、絶望的だよね。

ひろゆき:
 たまにしか出てこない。そして、やっと出てきたら何かしら問題になる(笑)。

水野:
 ということは、CASHのように新しいアイデアやサービスが出てくることに対しては……。

川上:
 全然出てきてほしい。良いことですよ。

ひろゆき:
 でも、そのビジネスが儲けたら潰そうと思ってるでしょ?(笑)

川上:
 なんでだよ(笑)。好き嫌いは別にして、面白いビジネスモデルが出てくるのはいいこと。例えば、JKビジネスで足裏マッサージなどをするリフレとかあったじゃないですか?

ひろゆき:
 好きなんですか!?

川上:
 好きじゃないよ! そうじゃなくて、ああいうサービスを思いつく日本は好きということ。

ひろゆき:
 なるほどね。イメクラとか日本にしかないですからね(笑)。

川上:
 そういう発想を思いつく日本はすごいと思うけどなぁ。

中村:
 新しいサービスが登場したときに、みんなで考える良いきっかけになればこしたことはない。「CASH」のようなサービスが登場したときに、こうやって議論を深めることが大切ということでしょうね。

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