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【衆院選2017】党首討論「外交・安全保障」全文掲載――与野党8党が参加したネット党首討論まとめ

党首同士の質疑応答(3)

枝野:
 安倍総理におたずねしたいと思います。安倍総理とトランプ大統領との間では非常に密接な関係ができていること、これは歓迎したいという風に思いますが、北朝鮮に対して有効な、効果的な圧力をかけるためには、例えば中国であったり、ロシアであったり、あるいはヨーロッパの主要国、こういったところも足並みをそろえていただかないと、なかなか実効性がない。

 こうした部分についての努力が、なかなか見受けられないという風に感じているんですが、この点についての努力をご説明いただきたいと思います。

安倍:
 その点は枝野さんのおっしゃる通りだと私も思っております。安保理において拒否権を持っている国々が反対すれば決議はできません。ですからG20の場において習近平主席と、北朝鮮に対し、しっかりと圧力をかけていくという方針の元、国連の場で協力していこうということをお話をし、またフランスのマクロン大統領ともイギリスのメイ首相とも話をし、かつ、ロシアのプーチン大統領とも話をし、その結果、厳しい制裁措置を含む決議が全会一致でなされたということだと思っています。

夏野:
 ありがとうございます。志位さん。

志位:
 安倍さんにうかがいます。安倍さんは繰り返し「すべての選択肢はテーブルの上にある」という米国政府の立場を支持すると言われております。この選択肢と言った場合、軍事的選択肢、すなわち先制的な軍事力の行使も入ってくるわけですね?

 北朝鮮の軍事挑発は断じて許されませんが、それに対して、そうした軍事オプションで対応するということになりますと大変深刻な戦争の危険が生まれてくると思います。私は、軍事的オプションは取るべきでないというふうに、はっきりと米国に迫るべきだと思いますがいかがでしょうか?

安倍:
 私たちは、圧力のための圧力ではなくて、圧力によって北朝鮮の政策を変えさせたいと考えています。誰も紛争なんか望んでいません。そのためには北朝鮮に私たちの意志に対して本気で向き合っていただかなくてはならない。そして中国もロシアも私たちの方針に賛成をしていただかなければ制裁決議がならなかった。制裁決議を厳しく課していって、初めて北朝鮮は真面目に、この問題に向き合ってくる、私たちはそのように判断をしました。

夏野:
 では中野さんお願いします。

中野:
 安倍さんにおうかがいをいたします。私が申し上げました、やっぱり陸上型イージス、あるいはTHAAD、また進んで敢えて抑止力と言いましたけれども基地攻撃能力、これについて日本国政府もそろそろ決断を下すときだ、こう思っておりますけれどもいかがお考えですか? いろいろ答弁しにくい部分もあるかもしれませんが。

安倍:
 私たちは、まずイージス艦能力を向上させていきます。そうしてイージス・アショア、陸上型のイージスを中心にしっかりと、さらに強化していく検討をしてまいります。

 また打撃力については日米の役割分担の基本は変えません。同時に日本を守るために何をすべきか真剣に考えなければなりませんが、専守防衛、そして先制攻撃は絶対に行わないということは専守防衛という考えのもとに先制攻撃は行わないということであります。

夏野:
 はい、松井さんお願いいたします。

松井:
 安倍総理におうかがいします。今トランプ大統領と北朝鮮の金正恩さん、まあ、ツイッターというところで、あまりにも過激なやり取りをやられております。これは、すごく緊張を増すだけだということですから、ぜひ総理の人間関係ですね、どちらかトランプ大統領があまりにも過激な表現を抑えるとか、なんとか、そういうことはできないものなんでしょうか?

安倍:
 この緊張を高めているのは、間違いなく北朝鮮であるということであります。これに対してどのように国際社会が連携していくかということでありますが、「すべての選択肢がテーブルの上にある」とのトランプ大統領の発言を私たちは支持しておりますし、日本の安全保障に対する強いコミットメント、100%日本とともにあると、この発言について我々は歓迎をしています。いずれにせよ、トランプ大統領はじめ国際社会としっかりと連携して対応していきたいと考えております。

夏野:
 小池さん、お願いいたします。

小池:
 安倍総理にうかがいます。気候変動対策でも米中が組むと世界の4割を超えるCO2の量を排出している。今後も米中が組むという際に、どのようにして日本の存在価値を高めて行くのか? 確保していくのか? それについての戦略についてうかがいたいと思います。

安倍:
 まず、トランプ大統領とは、お互いに外交政策で相手を驚かすことはしないということでは、お互いに同意をしています。そして、その中で緊密な連携を取り合っている。当然、米中が、私は連携していることが、むしろ求められている。私もトランプ大統領に、そのように申し上げています。米中がこの北朝鮮の問題でも最も影響力のある中国を動かしていくことが大切だ。先般の決議においても中国が賛成したということだと思います。

夏野:
 では安倍さん、お願いいたします。

安倍:
 じゃあ枝野さんに。党を作られた枝野さんにご質問させていただきたいと思いますが。平和安全法制を廃止ということになればですね。これは例えば北朝鮮のミサイルに対して、日本のイージス艦だけではなくて、アメリカのイージス艦とともに防御をする。この米艦防護も、イージス艦の防御も大切になってくるわけでありますが、これを廃止すれば、最低でも県外と言った、あの鳩山さん以上の衝撃を私は与えることになると思いますがどうなんでしょうか?

枝野:
 私どもの考え方は、安保法制の中の違憲部分を廃止する。そのプロセスの中で一度、全部廃止をして同じようなもの、さらに充実したものを作るというものですので、違憲部分を廃止するだけです。違憲部分を廃止しても今の日米関係の間での両国の共同作戦というか共同展開に実質的な影響を与えるものにはならないというふうに思っています。

夏野:
 松井さんお願いいたします。

松井:
 今の枝野さんのご発言を受けておうかがいします。平和安全法制のときに、我々は維新の会として対案を提案しています。これは違憲ではない、合憲の範囲という憲法学者からのご意見も頂いて提案しました。じゃあなぜあのとき賛成してもらえなかったんでしょうか?

枝野:
 憲法学者の中には合憲だという、ご認識を下された方もいらっしゃいましたが、私はあれは違憲部分を含んでいたと、残念ながらそう判断しています。

安倍:
 これ、質問ではないんですがね。

夏野:
 はい、どうぞ。

安倍:
 まさに平和安全法制の中においてはですね。米艦防護というものもありますし集団的自衛権を行使しての米艦の防護はあります。イージス艦が、イージス機能を発揮しているときは上空に集中をしておりますから、周りを防御できないという中においては、日本の海上自衛隊がしっかりとこのイージス艦を守ることによって、日本のイージス艦とアメリカのイージス艦によって北朝鮮のミサイルの脅威から国民を守ることができる。つまり、それをベースに今オペレーションを展開しているということであります。

夏野:
 たくさんお手を上げていただいてるんですけども、次のテーマに行く時間になってしまいましたので次のテーマに行かせていただきたいと思います。

※「憲法改正」「各党首へのユーザー質問」書き起こしは後日公開予定です。


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