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【衆院選2017】党首討論「外交・安全保障」全文掲載――与野党8党が参加したネット党首討論まとめ

 10月7日(土)、自由民主党・希望の党など8党の党首が六本木ニコファーレに集合。ニコニコ生放送などで討論の様子を配信する「ネット党首討論」を行った。討論のテーマは、事前アンケートで視聴者の関心が高かった「外交・安全保障」「憲法改正」。それに加えて、ニコニコユーザーから各党首への質問を募集。最も要望が多かった質問について各党首が回答を行った。

 本記事では、1時間以上にわたる党首討論の中から、「外交・安全保障」箇所を書き起こした内容をお届けする。(「憲法改正」「各党首への質問」も後日書き起こし原稿を掲載予定)

登壇者:
自由民主党 / 安倍晋三 総裁
希望の党 / 小池百合子 代表
公明党 / 山口那津男 代表
日本共産党 / 志位和夫 委員長
日本維新の会 / 松井一郎 代表
立憲民主党 / 枝野幸男 代表
社会民主党 / 吉田忠智 党首
日本のこころ / 中野正志 代表

司会:夏野剛(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授)
進行:馬場典子(フリーアナウンサー)


「外交・安全保障」に対する意見表明(1)

馬場:
 それでは早速、最初のテーマに参りましょう。外交・安全保障です。

 2015年に設立した安全保障関連法や、緊迫する北朝鮮情勢を受け、今後の日本の外交・安全保障について各党のお考えをお話しいただきます。各党お話をいただいたのちに、それを踏まえて討論に入ります。

夏野:
 では早速、自民党の安倍さんよりお願いいたします。

安倍:
 国の力、それは経済です。私たちはまず経済を強くした。GDPは50兆円増え、過去最高となりました。この強い経済を背景に強い外交力を駆使し、北朝鮮の脅威に対し強固な国際関係を構築しました。

 平和安全法制の制定は日米同盟をかつてないほど強固なものとしました。助け合うことのできる同盟はその絆を強くした。この国家的危機にあって、いま日米はかつてない規模の共同訓練を行い、大きな抑止力を発揮しています。私たちはこれからもしっかりと国民の命と平和で幸せな暮らしを断固として守り抜いて参ります。

夏野:
 ありがとうございます。それでは希望の党の小池さん、お願いいたします。

小池:
 希望の党代表、小池百合子でございます。政治の役割はふたつのセキュリティ、保障に集約されました。ひとつが医療年金などのソーシャルセキュリティ、社会保障。そしてもうひとつが、ナショナルセキュリティ、国家安全保障であります。

 希望の党は国家の主権は元より、国民の命、財産を守ることこそ政治の基本中の基本と心得ております。複雑化する国際情勢において、ましてやこのような北朝鮮情勢が緊迫する中で、これまでのように議論のための議論を続けるわけにはいきません。

 リアルな国の守りのために、これまで積み重ねられてきた国の安全保障政策を基礎といたしまして、さらに安心・安全の確保を追及してまいります。もちろん憲法改正への論議も避けては通れません。広く国民的な議論の展開をして参ります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

夏野:
 ありがとうございます。それでは公明党の山口さん、お願いいたします。

山口:
 公明党は世界から貧困や紛争をなくし、核のない世界を目指して参ります。世界の平和と安定を作り出していくことが、外交の大きな目標だと思います。平和憲法を持つ日本が、積極的平和外交でその先頭に立つべきだと考えております。

 また人間の安全保障や、国連が進める持続可能な開発目標、いわゆるSDGsの取り組みも積極的に進めます。北朝鮮の核実験や弾道ミサイルの発射など、我が国の安全保障にとって新たな段階の脅威に対しては、2年前に整備した平和安全法制によって平時から有事まで切れ目のない対応が可能になったと考えています。北朝鮮の拉致、核、ミサイルの問題解決に向けて、日米同盟を軸に国際社会の連携の元、北朝鮮に対する圧力を強め、自らの考えを改めるように促したうえで最終的な外交的解決を促して参ります。

夏野:
 ありがとうございます。では日本共産党代表の志位さん、お願いいたします。

志位:
 北朝鮮の核、ミサイル開発は元より、断じて容認することはできません。同時に破滅をもたらす戦争だけは絶対に起こしてはなりません。今の一番の危険がどこにあるか、それは米朝の軍事的緊張が高まる下で当事者たちの意図にも反して、偶発的事態や誤算から軍事衝突が起こることです。

 軍事衝突がひとたび起こったら戦争に発展する。そしてその戦争は核戦争です。こうした事態は絶対に回避しなくてはなりません。私たちは危機打開のために、米朝が直接対話に踏み出すことが必要だと提唱して参りました。

 そして経済制裁の強化と、一体に対話による平和的解決に力を注ぐべきだと主張しておりました。日本政府は対話否定の立場を改めて、そうした対話による解決のためのイニシアチブを発揮すべきだと求めたいと思います。

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