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『ガンダム』を背負うと決まったとき、最初は物凄いプレッシャーでした──『水星の魔女』スレッタ役の市ノ瀬加那が語る「アニメとの出会い」から「メイン声優を演じて芽生えた気持ち」まで【人生における3つの分岐点】

 刺激的な展開の連続で、アニメファンの枠を超え、幅広い層からの人気を集めている『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。40年以上の歴史を誇る「機動戦士ガンダム」シリーズのTV作品で、初めて女性キャラクターが主人公を務めている点も、大きな話題になった一因だ。

 その主人公、スレッタ・マーキュリーを演じたのは市ノ瀬加那さん
 2016年に声優デビュー、2018年には『ダーリン・イン・ザ・フランキス』にて初めてメインの役を演じ、2021年には第15回声優アワード「新人女優賞」を受賞。今後のさらなる飛躍が期待される存在だ。
 そんな彼女のルーツを探るべく、「人生における3つの分岐点」というテーマでインタビューを実施した。

市ノ瀬加那さん(@ichinose_1220

 本インタビューは人気声優が登場する連載企画。これまで、大塚明夫さん三森すずこさん中田譲治さん小倉唯さん堀江由衣さんファイルーズあいさん石原夏織さん三石琴乃さん平野綾さん日髙のり子さん小松未可子さん関智一さん田中敦子さん茅野愛衣さん丹下桜さん緑川光さんのインタビューを実施しており、今回で17回目を迎える。

 中高時代にどっぷりハマって今でも大好きな作品と公言する『テニスの王子様』に関する熱い想い、アニメ関連の仕事に就きたいと思っていたときに声優を目指すきっかけとなったある人物の言葉など、彼女のパーソナルな一面もわかる内容になっているに違いない。
 本稿を通して、「市ノ瀬加那」についてより理解を深めてもらえれば幸いだ。

取材・文/前田久(前Q)
取材/竹中プレジデント
撮影/金澤正平


■分岐点1:「アニメを好きになったこと」 熱が入り始めたのは中学1、2年生くらいのときの『テニスの王子様』

──市ノ瀬さんの人生を振り返って、最初の分岐点はどこになりますか?

市ノ瀬:
 人生となると……まずは「アニメを好きになったこと」ですね。

──好きになったきっかけは覚えています?

市ノ瀬:
 小学生くらいのころから、アニメを24時間流しているテレビのチャンネルを、暇さえあればずっと観ているような生活を送っていたんです。

──わ、いいですね。ご実家がCSのアニメチャンネルに入っておられた。ご両親もアニメがお好きだったんですか?

市ノ瀬:
 いえ、そんなことはないんです。おばあちゃんの家からテレビを譲ってもらったときに、いろいろなチャンネルが観られる設定がそのまま引き継がれていて、その中にアニメのチャンネルもあって。両親は次に契約し直すタイミングで更新しないつもりだったんですけど、私がごねたんです(笑)。

──あはは、なるほど。

市ノ瀬:
 だからずっとアニメが大好きな子供ではあったんですけど……より熱が入り始めたのは、中学1、2年生くらいのときです。
 『テニスの王子様』を大好きになったことがきっかけでした

テニスの王子様
(画像は Amazon より)

──おお。それまでにもいろいろとアニメをご覧になってきた中で、特に『テニスの王子様』が当時の市ノ瀬さんの心に響いた理由は、なんだったのでしょう?

市ノ瀬:
 もともと少年向けの作品というか、「(週刊少年)ジャンプ」系のアニメがずっと好きで、小学生くらいの頃にも『テニスの王子様』を観てはいたんです。でもそのときはまだ普通の「好き」くらいで、グッズを買うまでは行っていなくて。
 でも中学生の頃に、あらためて『テニスの王子様』を観たら、キャラクターたちのカッコよさに純粋に惹かれて、「大好き」になりました
 アニメを入り口に、ゲームにも手を出して……。

──もしかして、『最強チームを結成せよ!』ですか?

市ノ瀬:
 『学園祭の王子様』の方です。『最強チーム』も名作と聞いているので、いつかやってみたいんですけどね(笑)。
 そこからマンガも集め始めて、その流れで「10.5巻」「20.5巻」も買って。

ゲーム『テニスの王子様 ~学園祭の王子様~』
(画像はAmazonより)

──原作の単行本と同じ形式で出ていたファンブックですね。

市ノ瀬:
 はい。『テニスの王子様』は、設定を集めたそういう本が充実していたんですよね。
 キャラクター紹介のページでキャラの深掘りをこれだけしてくれる作品って、それまで知らなくて。好みのタイプとか、家族構成とか、好きなものとかにとどまらず、「クラスで学級委員をやっている」だとか、そんなところまで細かく書かれているなんて、おどろきでした。
 そういう設定を読んで、想像を膨らませながら、中高生時代を過ごしていたんです。

──作品世界の広がりみたいなものが刺さられたわけですか。

市ノ瀬:
 そうですね。アニメ、ゲーム、マンガ、それからキャラクターソングにもハマっていました。

──言うなれば、それまでの「好き」よりも一段深い、あるアニメのオタク的な楽しみ方を初めて教えてくれたタイトルが、『テニスの王子様』だったんですね。

市ノ瀬:
 そうなんですよ。しかも、ここまでどっぷりハマれる作品はなかなかないんですよね。他の作品も面白くて楽しんだんですけれど、何年もハマり続けて、今でもずっと好きなのが続いているのは、『テニプリ』だけなんです
 『テニプリ』が好きな人はみんな口を揃えて言うんですけど、何度離れても、どこかで戻って来ちゃうんですよね。供給が凄すぎて(笑)。
 いつまでも、ホームみたいな感覚で楽しめる、大好きな作品です

──ちなみに一番お好きなキャラは?

市ノ瀬:
 今は単独のキャラではなく、「箱推し」【※】なんです。関西弁が好きなこともあって、四天宝寺中学校が好きですね。みんな愉快で、ノリツッコミで生きているところが好きです(笑)。

※箱推し
作品に登場する特定の1人を応援しているのではなく、グループを応援しているという意味。一方で特定の1人を応援する場合は単推しと呼ぶ。

──ニコニコ動画の関連媒体としては、テニミュ(ミュージカル・テニスの王子様)はご覧にならないのかも気になるところです。

市ノ瀬:
 舞台は、実はまだちゃんと観に行ったことがなくて。去年の夏に、アニメとミュージカルの役者さんが合同で集まって、さらに原作者の許斐剛先生もご出演されるお祭りみたいなライブ(『テニプリ☆ソニック2022-おてふぇす in 日本武道館-』)には行ったんですけど。
 そこで2.5次元ミュージカルの世界に少しだけ触れて、「ハマる理由がわかる!」とは思いました。機会があったら、行ってみたいと思っています。

■分岐点2:アニメで初めてメイン役を演じた『ダーリン・イン・ザ・フランキス』

──では、続く第2の分岐点は?

市ノ瀬:
 「『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(以下、『ダリフラ』)のイチゴちゃんを演じたとき」です。
 イチゴちゃんは私にとって、アニメで初めて演じたメインの役だったんです。
 声優人生がスタートした瞬間というか、イチゴちゃんを演じられたことで、ようやく「声優としてちゃんと歩めているんだ」という実感が湧き始めたんですよね

『ダーリン・イン・ザ・フランキス』単行本2巻の表紙は、市ノ瀬さんが演じたイチゴが飾っている
(画像はAmazonより)

──なるほど。そもそも、声優になろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

市ノ瀬:
 アニメが大好きになってから、「何かアニメに関わる職業に就きたいな」とぼんやりと考えるようになって、進路を考えるとき、それに繋がるような学校のオープンキャンパスに通うようになっていたんです。
 そのうちの一回で、声優コースのオープンキャンパスに参加したとき、初めの自己紹介で名乗った瞬間、先生から「それ、地声?」と尋ねられて。「そうです」と答えたら、「すごく向いていると思う」と言われたんです
 そこから、声優になりたいと強く考えるようになった気がします。

──なんとなくの興味が、現実味のある夢として感じられた。

市ノ瀬:
 そうですね。今にして思うと、考え方がわりと単純でしたね(笑)。

──そうして声優への道を選ばれて、『ダリフラ』でご自身として最初の手応えを得られた。役にはオーディションで決まられたんですか?

市ノ瀬:
 そうです。でも終わったとき、受かった自信は全然なかったですね。

──そうなんですか。

市ノ瀬:
 当時はもう、「こんなド新人が、決まるわけがない!」みたいな気持ちでした。一緒に受ける方は、すごい方ばかりで……。
 でもやれることはやってから帰りたいなと思ったので、自分なりのお芝居をぶつけたんです。そうしたら、あとから聞いた話ですが、錦織敦史監督が推してくださって、役に決まったそうなんです。

──選ばれた理由はお聞きになられました?

市ノ瀬:
 はっきりとうかがったわけではないのですが、私、オーディションのとき、とにかくセリフの感情を作るのに一生懸命で、一言一言のセリフに、めちゃくちゃ時間を掛けていたそうなんです。セリフとセリフのあいだで、30秒から1分くらい間をとっていたとか。
 なかなかそういう子は珍しいらしくて、お芝居だけじゃなく、その取り組み方みたいな部分も気に入ってくださったみたいですね

──セリフの意味をじっくりと考えるのは、当時の市ノ瀬さんの芝居のスタイルだったんですか?

市ノ瀬:
 あまりそのころの自分の考えを覚えていないのですが、おそらく、当時はそういう芝居のやり方だったんだと思います。今はそこまで時間を掛けずにやろうとはしているんですが、ただ、セリフの感情を作る上で、キャラクターが見ている景色だったり、言葉をかける相手の位置だったり、世界観をきちんと考えたいというのは同じです
 オーディションで読むセリフは、大体、シチュエーションが違うものが並べられているので、その一つひとつの状況を想像してお芝居をしなければならない。そこで30秒くらい、間ができてしまっていたんだろうな……と。

──俯瞰で状況を捉えながら役に入り込むような演技の考え方をされているんですね。そういう考え方をするようになったきっかけはありますか?

市ノ瀬:
 きっかけ……特にないような……なんでそうなったんだろう?(笑)
 もともと「アニメの世界に入りたいから、役者をやりたい」みたいなところが、声優を目指し始めたときからあったんです。
 純粋に、大好きな作品の世界観に入り込みたい一心で、声優になろうとしていた。それが考え方の原点なのかなと思いますね

──面白いです! 市ノ瀬さんの中では、最初からずっと、教わるまでもなく、その考え方が自然なものとしてあった。

市ノ瀬:
 今はまた、その時々の現場に応じて、演技の考え方は変わるんですけどね。
 あと、たしかに最初からそんなところもありましたが、専門学校に通っていたとき、声のお芝居だけでなく、舞台での芝居も経験させてもらえたんです。それも少し影響しているのかもしれませんね。

──『ダリフラ』はTRIGGERとA-1 Picturesがタッグを組んで送り出したオリジナルロボットアニメで、しかも放送は2クール。話題作でしたし、現場の熱量も高かったのではないかと思いますが、市ノ瀬さんは当時の現場の、どんなことが印象に残っていますか?

市ノ瀬:
 当時は何も考えず、とにかくできることを全部ぶつけよう! という気持ちでアフレコに臨んでいたんです。
 当たって砕けろ、じゃないですけど、自分のできることを精一杯やって、「違う」と言われたらすぐに直す。
 「お芝居ってこういう風にやるんだな」というのを、ちょっとずつ、段階を踏んで掴ませていただいたなと、今振り返ると思います。

 とても丁寧に芝居に向き合って録ってくださる現場だったんですよね。リテイクも何度もさせてくださって。そういう環境で、初めてのメインの役をやらせていただけたのは、本当にありがたかったです。
 自分のお芝居の基礎の部分だったり、今後目指していく芝居の方向性みたいな部分が見えてきたのは、『ダリフラ』の現場でした

──それは大きいですね。その前は迷われることも?

市ノ瀬:
 『ダリフラ』の前……特に、事務所に入所した当初は、元気系の役柄を振られることが多かったんです。専門学校時代も、幼いキャラクターを演じることが多くて、等身大のキャラクターがなかなか回って来ませんでしたし、イチゴちゃんみたいな役のイメージはなかったんですよね。
 そんな中で、当時のマネージャーさんが、「この役は合ってると思う」といって、オーディションを割り振ってくださって、そうしたら本当に役に決まって……自分の中の、ナチュラルな芝居の方向性が見えてきたのが、この作品から得たものの中では、大きいのかなって思います。

──まさに分岐点に相応しい作品なわけですね。

市ノ瀬:
 音響監督のはたしょう二さん、錦織監督、ほかのスタッフのみなさんも、まわりの役者のみなさんも、現場にいる全員が暖かかったんです。優しい現場でした。

──具体的なやりとりで記憶されているものはあります?

市ノ瀬:
 そうですね……錦織監督とはよくお話しする機会があったんですが、話数が進むにつれてキャラクターの見えてくる面が多くなって、どういう風に向き合っていいかわからなくなる瞬間があったんですね。
 そんなときに、「市ノ瀬さんが迷っちゃ、イチゴが可哀想だから、迷わずやっていいんだよ」と言ってくださったんです。「堂々とやっていい」と。
 監督のその言葉で、「そうだよな、迷ったお芝居じゃ、キャラクターに失礼だな」と思って、思い切って考えた芝居を出すようになったのは、覚えています。

──共演された役者の方の印象はいかがでしたか?

市ノ瀬:
 ゼロツー役の戸松遥さんの姿がすさまじかったです。ゼロツーという役柄は、人間の感情が掴めなかったりしてとても難しい役柄なのに、毎話、ものすごく役に入り込んでいて、空気感がビシビシと後ろに立っていても伝わってくる。
 あそこまで役に入り込むような芝居を、私もいずれできるようになりたいと思いました。

 主人公のヒロを演じた上村祐翔さんも、戸松さんと同じ、役に入り込むタイプだったので、役者の中だと、やっぱりその、主演ツートップの印象が強いですね。上村さん、戸松さんに引っ張られながら、私もやらせていただいたところがありました。

■分岐点3:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スレッタ・マーキュリーを演じる「今」

──では、ついに最後の分岐点です。

市ノ瀬:
 やっぱり「今」ですかねえ……。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に、スレッタ・マーキュリー役で出演させていただいている、「今」

※市ノ瀬さんが演じるスレッタ・マーキュリーは、「ガンダム」のTVシリーズ初となる女性の主人公

──「ガンダム」シリーズに出演する、それも主人公として……というのは、やはり大きいですか。

市ノ瀬:
 『ガンダム』というタイトルを背負うと決まったときは、最初は物凄いプレッシャーでした。でも、せっかくなら「楽しんで演じたい」という気持ちに気持ちをシフトしてからはだいぶ変わりました。

 やっぱり反響が大きくて、『水星の魔女』で私を知ってくださった方も本当にたくさんいらっしゃるので、そういう意味では今後の人生に大きく関わるような、そんなキャラクターと出会うことができたなって思っています

──ちなみに『ガンダム』ならではの難しさってあられたりするんですか? パイロットとしてのセリフの難しさとか、メカ関係の専門用語とか……。

市ノ瀬:
 それがですね、実は私、ロボットに乗るの、3回目くらいで(笑)。『ダリフラ』もそうですし、『境界戦機』という作品でも乗っていましたし。

──いわれてみれば(笑)。ロボットが大好きで、某スパロボゲームに出演するのが夢なのに、なかなかロボットのパイロット役にご縁がない……みたいな話がしばしば声優さんの取材で出るんですが……。

市ノ瀬:
 ありがたい事に、初レギュラーからロボットに乗らせていただいてて、不思議な縁だなあと思っています。

──パイロットとしての芝居はもう慣れたものですか?

市ノ瀬:
 いえ。もちろん、大変は大変なんです。特に『水星の魔女』は、物理的な話になっちゃうんですけど、戦闘シーンのカット割りが細かいので、台本をめくるスピードが速くなるんです。「!」のセリフひとつだけで、1ページが終わったりするんですよ。
 カットの切り替わりが速いと、めまぐるしく状況が変わるので、それを想像するのも難しいですし、モビルスーツに乗るのはやっぱり難しいですね。何度やっても。

──反射神経がいつもの現場以上に重視される。なるほど……。

市ノ瀬:
 ただ、スレッタという役は、「独特な繰り返しとか、難しくないですか?」と聞かれることが多いんですが、そこも含めて、自分には共感しかない役なので、いつも「わかるよ!」って思いながら演じています。

■人間として声優として大切にしているのは「コミュニケーション」

──では、そんな3つの分岐点を経た……最後のひとつは、現在進行形ではありますが、ともあれ、現在の市ノ瀬さんが、声優として、もしくは人間として、もっとも大切にされているものはなんでしょうか?

市ノ瀬:
 ……コミュニケーション、ですかね。

──おお。シンプルですが、深いお答えです。どういうことでしょう?

市ノ瀬:
 専門学校時代、声優になりたい気持ちがあまりに強過ぎたのか、「コミュニケーションよりも練習だ!」みたいな考え方になってしまったんです。
 そんなふうに考えるようになってから、人見知りが加速してしまったんですよね。それ以前はわりと明るくて、元気な子だったんですよ。自分でいうのもなんですけど(笑)。

──あはは。

市ノ瀬:
 でもコミュニケーションは、プライベートはもちろん、何より仕事において大事なことだと今は思うので、大切にしていきたいですね。

──具体的に最近、コミュニケーションを円滑にするために意識されていることはありますか?

市ノ瀬:
 積極的に人に話しかけるようになりました。もちろん状況にもよりますけど、いろんな方の話を聞いてみて、みなさん、話しかけられ待ちなところがあるんだなってわかったんです。だから行けるときは、こちらから行きたいな、って。

■今後の目標は「自分にしかできない表現を身に着けたい」

──最後に、未来のこともうかがわせてください。市ノ瀬さんの、今後の目標は?

市ノ瀬:
 「自分にしかできない表現を身に着けたいな」と思っているんです。
 それが具体的にどういうものなのかは、今、まさに模索中ではあるんですけど。いろんな役と出会って、どんどんお芝居を磨きつつ、「この役なら市ノ瀬さんだよね」「市ノ瀬さんしかこういう芝居をできる人はいないよね」といってもらえるような、自分しかできない表現を身に着けられるように、がんばりたいと思っています

──「いろんな役」の中で、具体的に思い浮かぶ、これまで演じたことのない役で挑戦してみたいものはありますか?

市ノ瀬:
 救いようのないくらい悪い人の役とか、やってみたいですね。あと、少年役をがっつりやってみたいとも思います。役ではなく作品の系統で言うと、生身の人と人とのあいだで命のやりとりがある作品だったり、滅茶苦茶ドロドロした感情の描かれた作品も好きなので、そういう心にズシンと来るような作品も、どんどんやっていきたいと思っています。

──そんな新しい一面を観ることができるときを、楽しみにしております。……あ、そうだ。『テニスの王子様』には出たいですか? 好きなシリーズ作品に関わりたい人と、好きだからこそあえて関わらずにいたい人に割れる印象ですが……。

市ノ瀬:
 基本的に男の人しかいない作品だから、難しいかもしれませんね(笑)。でも、チャンスがあったら、ぜひ出たいです!!


 今回のインタビューでは「アニメを好きになった幼少期」「アニメで初めてメイン役を演じたダリフラ」「水星の魔女でスレッタ・マーキュリーを演じる今」という3つの分岐点を挙げてくれた。
 それぞれの経験すべてが今の市ノ瀬さんの糧となっていることは間違いないだろう。

 さまざまな役を演じ、現場を経験することで、新たな転機を迎えることになるだろう。「市ノ瀬加那」という声優がこの先、自分にしかできない表現を身に着け、どのように成長・変化していくのか、見守っていきたいと思う。

■インフォメーション

【超声優祭2023】日本最大級の声優特化型イベント
4月22日(土)~28日(金) オンラインで開催中!
https://site.nicovideo.jp/choseiyusai/

▼市ノ瀬加那さん出演番組はこちら▼
【ゲスト:沼倉愛美さん】市ノ瀬加那のかなナビ!〈#4〉 supported by animelo@超声優祭2023
https://live.nicovideo.jp/watch/lv340875779

超声優祭番組に関連したアニメ作品一挙放送を実施!
インタビュー記事内でもお話に上がった、市ノ瀬加那さんがイチゴ役を演じる
「ダーリン・イン・ザ・フランキス」を一挙放送!

1~12話 4/27(木)19:00~
https://live.nicovideo.jp/watch/lv340972372

13~24話 4/28(金)19:00~
https://live.nicovideo.jp/watch/lv340972385

■プレゼントのお知らせ

 インタビュー後、市ノ瀬加那さんに書いていただいた直筆サインを3名様にプレゼントします!
 プレゼント企画の参加方法はニコニコニュースTwitterアカウント(@nico_nico_news)をフォロー&該当ツイートをリツイート。

■撮りおろしフォトギャラリー

 

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