カニバリズム(食人)について語らないか? 「人間が人間を食べたくなる理由」まとめてみた
現代の食人と臓器移植
マクガイヤー:
それを考えると、例えばiPS細胞というのがありますね。iPS細胞というのは、例えば臓器移植だといろいろ問題があるから、一度自分の違う細胞を脱分化させる。
しまさん:
そこから新しい臓器をこしらえる。
マクガイヤー:
これは倫理的に何の問題もないとされています。でも、この細胞から臓器を作るっていうのはまだ完成されてないし、脱分化、細分化っていうのはちょっと時間もかかる。そういうことで、今はiPSバンクというのが用意されています。
マクガイヤー:
これは自己と非自己を見分けるのにHLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)という受容体が使われてるんです。このHLAは完全に合う人ならば免疫反応は起きないんですが、半分ぐらい合っても一応、大丈夫とされてるんですよ。日本人のHLAは、ある程度固まっているんで、それを用意しておけば日本国民の8割ぐらいは大丈夫だろうみたいな感じです。
マクガイヤー:
脱分化した状態で、ある程度用意しておく。そうすると移植しても大丈夫だし、時間もそんなにかからない。
しまさん:
なるほどね。
マクガイヤー:
これは結局、他人の物を入れてるっていうことですよ。でも、一応これはこれでオッケーなわけですよ。
相手を殺さない食人なら問題ない?
マクガイヤー:
他人のiPSはオッケーなのに、他人の肉を食べるのはなんでダメなのか。たぶん殺人を伴わない食人ならば問題ないんですよ。だから、胎盤ほかほかご飯ならオッケーなんですよ。
しまさん:
例えば「俺、腕取れちゃったからもうお前にあげるよ、食べて」って言われたら食べれる?
マクガイヤー:
同意があればオッケーなんですよ。
しまさん:
へえ。
食っていう快楽を伴う行為があることで、なんか感じるものがあるんだろうね。
マクガイヤー:
そうですね。つまり他人の命をいただく、みたいなことですからね。他人の命の一部をいただいて、そして他人がどれぐらい被害を負うのかみたいな話ですよね。
しまさん:
アンパンマンね。
マクガイヤー:
そう! いいこと言う。アンパンマンなわけです。アンパンマンの頭をかじって、死んじゃうならまずいけれども、復活できるんなら、いいかもしれない。
マクガイヤー:
あ、そうそう。阿佐ヶ谷ロフトで、摘出したペニスを料理して食べさせるみたいなイベントがありましたね。イベントの企画者は摘発されたんですけど、アンパンマンの流れから考えると、まあいいのかなとも思うんです。でも、本人の同意なしに、そういうのが進んじゃうとヤバイっていうのが真相だと思う。
しまさん:
やっぱり衛生的な問題もあるのかな。
マクガイヤー:
でも食人は最大のタブーなんで、挑戦したがる人はやっぱりいっちゃうんです。
しまさん:
いるんだ! むちゃくちゃ好きになったら、死んだら食べたいとか思っちゃうのかな。
マクガイヤー:
いろんな倫理観があって、これはオッケー、これはナシみたいなのが絡んでくる、すごい複雑な問題なんですよ。だから、これが合っているとか、これが間違ってるというのは、なかなか言えない。
しまさん:
そうだね。良い悪いは言いたくないけど、非常に意味のある問題提起だと思いました。
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