カニバリズム(食人)について語らないか? 「人間が人間を食べたくなる理由」まとめてみた
カニバリズムの分類
マクガイヤー:
分類ということで。社会的行為なのか、非社会的行為なのか、という分類の仕方がひとつあります。
マクガイヤー:
オリジナル宗教なのか、それともその地域社会で、ある程度認められてるのか。もうひとつは、それが族内、同じ仲間内での食人なのか、もしくは話の通じない違う部族での食人なのか。この絵の十字軍は、話の通じない中東の野蛮人と戦っていました。
マクガイヤー:
そこでは、食人をタブーとするキリスト教徒ですら食人をしたという記録が伝えられてます。 あとは、ちょっと被るところもあるんですが、その食人が、緊急避難的な食人なのか、もしくは趣味嗜好としての食人なのか。やむにやまれず食べたのか、食べたいと思って食べたのか。ていうのがありますね。
しまさん:
なるほど。
マクガイヤー:
『生きてこそ』という映画、これも実話を元にしてるんですけど、アンデスで飛行機が落ちて、この絶壁の山から降りるために、もう仕方がないんで、死体の肉を干し肉にして、それを食べながら下山したという話で、これはすごかったですよ。
マクガイヤー:
人肉を干し肉にするんですけど、最後はリュックをパンパンにして下山して……。すごかったですよ。あとは、『ひかりごけ』という作品でも、緊急避難的に食事をするんだけど、それが許されるのか、という人的な葛藤みたいなのがあったわけです。
一方で、『悪魔のいけにえ』という映画は人的な葛藤とはまた別の「君は生き残れるのか」みたいな葛藤があるわけです。
マクガイヤー:
あとは、野蛮な文明での食人なのか。もしくはそうじゃない文明での食人なのか。
しまさん:
なるほど、人間か動物かっていう、そのキワを表現するには、食人というテーマは外せない。
現代の食人
マクガイヤー:
文明の食人というのは、例えば胎盤ですね。
マクガイヤー:
胎盤というのは、母体の中で赤ちゃんがお母さんから栄養をもらうためのフィルターみたいな感じなんですよ。 これが、出産の時に、ポロポロっと出てくる。
しまさん:
レバー感のある……。
マクガイヤー:
わさび醤油で食べると美味しいし、産後の肥立ちにもいいと。
しまさん:
おいしいの?
マクガイヤー:
おいしいらしいですよ。
しまさん:
へえ。
マクガイヤー:
自分の中から出たのを自分に戻すわけですから、マイナスをプラスに転じようというやつ。
しまさん:
動物も胎盤を食べたりするもんね。
マクガイヤー:
そうなんです。馬とか牛の出産でお母さんが食べますよね。赤ちゃん仔牛とかをお母さんが舐め取って、その時に、食べたりとかしますよ。でも、お母さんはいいでしょ。自分の爪を噛むみたいな感じですから。でも倫理的に、お父さんが食べたらどうなるかという話です。
しまさん:
微妙なところだけど、いいんじゃないのかな。
マクガイヤー:
ほかほかご飯に乗せて食べる、みたいな。
しまさん:
ほかほかご飯が合うかどうかわかんないけどね。