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カニバリズム(食人)について語らないか? 「人間が人間を食べたくなる理由」まとめてみた

遺跡から発見される食人の痕跡

東京都品川区にある大森貝塚。

マクガイヤー:
 実は古来から人間が食人をしていたんじゃないかという証拠があります。例えばですね、大森貝塚というのがあるじゃないですか。

しまさん:
 ありますね。

マクガイヤー:
 これは古代の人が、タンパク源が重要なので、貝を食べて、いっぱい捨てていたというところなんです。それで、ここを調べたら……。

しまさん:
 人骨が

マクガイヤー:
 貝に感謝を捧げるのと同じような感じで、親族を埋葬するというのもあるんですけど、明らかに食人としか思えない感じで残っている骨が出てきたと。 

しまさん:
 そうなんだ。

マクガイヤー:
 そうなんですよ。古代の人は、たまに食人をしていたんじゃないかというのがありますし、当然、日本やアジアだけではないです。

しまさん:
 確かめようがないですね。 

マクガイヤー:
 でも、ちょっとだけだから埋葬なのか、それか、食べ残しなのかっていうのは、歯形が残っているとか、バラバラになっているとかで、ある程度想像がつくわけですよ。

しまさん:
 なるほど。

マクガイヤー:
 だから考古学者だったらわかるわけですよ。スペインにアタプエルカ遺跡というのがあって、最初のヨーロッパ人が住んだところと言われているんですけど、ここにも食人の痕跡があって、バラバラになった他種族と思われる骨のかけらが、ある程度あったんです。

マクガイヤー:
 こういうのは世界中にあるわけですね。 当然、これはキリスト教発生以前の話です。だから古代の人は常に飢餓と隣り合わせだったんで、やっぱり緊急事態になったら、同族で死にそうな人を食べたのかもしれない

しまさん:
 死んじゃった人を食べたかもしれない。

マクガイヤー:
 同族の中では話が通じますけども、違う種族の人とは話が通じないわけじゃないですか。コミュニケーションがとれなかったら、他種族は人の形をしていても、仲間とは思えない

しまさん:
 しかも攻撃してくるようであれば。

マクガイヤー:
 だから、今の僕たちが猿を食べることに、少しは抵抗があるかもしれないけども、同じ人間を食べるよりも、猿を食べる方が抵抗が少ないんですよね。

戦時下・緊急時下での食人

番組内で言及した映画『ゆきゆきて神軍』(左)と『野火』(右)。

マクガイヤー:
 このような感じで、他種族の人間を食べてたのかもしれないという説があって、それはそれなりに正しいと思います。あとは戦時下での食人というのがあった。『野火』という映画があったんですけど、極限状態になって、食料が少なくなったら食人をしてしまう

しまさん:
 生き延びるためにね。

マクガイヤー:
 しょうがない。これは緊急避難的な食人ということで、こういう場合の食人はある程度許されているんですが、「俺は許さないぞ」と言って、しつこく求めていったのが、この『ゆきゆきて神軍』というドキュメンタリーです。これはすごい熱量で追いかけていく人がいて、そういう人がいると、こういうドキュメンタリーができる。名作ですよ。

しまさん:
 なるほどね。 

マクガイヤー:
 こういう時に、なんで食人が緊急事態でもいけないかというと、最初は死んだ兵士を食べるわけじゃないですか。でも、それがどんどん進んでいくと、相手が死ぬのを望むようになってしまう。だから、こういう緊急避難事態でも食人はしない方がいいというか、してはいけないんだというのがやっとわかったみたいなものが、『終戦のローレライ』という小説にありましたね。

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