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ニコ生で育つアンドロイド、「円周率どこまで言えるの?」という質問に鮮やかな切り返しで会場騒然【アンドロイドル『U』育成プロジェクト】

アンドロイドル『U』が登場

石黒:
 今日皆さんにお見せするのがこちらです。

司会:
 あら、まさかこの方、アンドロイドですか?

石黒:
 いや、この方は人間ですね(笑)。アンドロイドル『U』はこちらです。

アンドロイドル 『U』:
 はじめまして。『U』です。みなさん昨日はチョコをあげたり、もらったりしましたか?(前日はバレンタインデー)

司会:
 すごいですね。リアルに話しますね。

夏野:
 結構話すんですか。『U』ちゃんは。

石黒:
 自律的に話せるように、そういう機能を目指して研究開発をやってきました。

夏野:
 よく見ていただくと、まばたきとかしてるので妙にリアルな感じなんですよ。

司会:
 従来のアンドロイドたちと、一体何が違うんでしょうか?

石黒:
 ニコニコ生放送で話をしてきたアンドロイドなんですよね。ニコニコ生放送って、コメントがテキストに流れてきますよね。このコメントを拾いながら話をしていくと。

 最初は全部遠隔操作で、オペレーターが代わりに答えてるんですが、データがどんどんどんどん蓄えられてくると、だんだんそれを自動化していくというような感じで、ニコニコ生放送の中でトレーニングされてきた子ですね。

石黒:
 これを1ヶ月ぐらいやってどんどんデータを蓄えて、徐々に自動的に喋るような、機能を身につけるようになっていますね。

夏野:
 ニコ生では徐々にもう会話するようになってきたんですね。最初はコメントを人間が操作していたんだけども、だんだんパターンを覚えてくると、コメントに対して『U』ちゃんが自分で考えて自分で返すようになってきてる。

石黒:
 考えるってのは何をもって考えるなのか難しいですけどね。研究者だから堅苦しく説明してしまいますけれども。

 どんどん対話パターンが蓄えられてくると、同じ質問に対しては答えが用意できているわけで、徐々に自動化が進んでいくわけですね。大体、対話が1000パターン蓄えられると10%、2000で20%、4000で40%、そういう感じで自動化が進んできているというところですね。

夏野:
 今『U』ちゃんは何%なんですかね。

石黒:
 言い方が難しいんですけれども。現在、一応対話データは4000パターンぐらい入ってて、40%の自立化と言っています。対話データと、自発的発話ってのがあって、『U』ちゃんが勝手に周りを見てコメントするとかって、そういう自発的発話を組み合わせると完全自立でもある程度しゃべれちゃうんですよね。

 要するに40%しか自立化できなくても、沢山のコメントが流れてるので答えやすいやつに答えるという事と、どう答えていいかわからないときは黙ってるか、自分が勝手にしゃべるっていうことをやると、話をずっとつなぐことができるので、現時点でも、限定的ですけれども完全な自立化はできてると。

夏野:
 これはね、我が家でよく起こるパターンで、奥さんの問いに答えずに違う話題を自律的に始める俺みたいなね。

石黒:
 だから馬鹿正直に、一個一個の質問に答えていこうとすると、40%しか答えられないんですけど、ニコ動はいい性質持ってるんですね。色んな人が色んなことを聞いてくれるので、答えやすい質問に答えるという。で、あとはあらかじめこういった状況ではこう言うんだ、っていうことをプログラムしておけば、視聴者の質問とは別に自分で発話するということもできるので、それを合わせると完全自立化ができるけれども。

夏野:
 ちょっと違和感はある?

石黒:
 昨日試したら全然違和感なかったって言われたんですけど、多分どういう参加者かとか意地悪いこと聞かないとかね。そういうのはあると思いますね。実際に今試してみようということなので。

夏野:
 じゃあユーザーのみなさん、長い対話やめてね。短い言葉で聞いてみてください。

司会:
 『U』ちゃんは研究所を離れて人とコミュニケーションを行うのは初めてと。

石黒:
 そうですね。今までは研究室の中でニコ生やってましたからね。こういう場に来てというのは初めてですね。

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