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ニコ生で育つアンドロイド、「円周率どこまで言えるの?」という質問に鮮やかな切り返しで会場騒然【アンドロイドル『U』育成プロジェクト】

これまでのアンドロイド・ロボット作品

石黒:
 まずアンドロイドなんですけど、これは人間そっくりのロボットですが。その起源は、2000年頃にロボビーというロボットらしいロボットを作りました。それをどんどん改良していって、より人間と親和性の高いロボットを作ろうとして、それがやわらかい皮膚を持つようになります。人間と同じではもちろんありませんが、人間そっくりの姿形を持つようになり、内部のメカニズムもだいぶ進んだものになってきたということですね

石黒:
 幾つか代表的なやつでまず、私のアンドロイドですけれども。これは分身と言いますか、私そっくりのアンドロイドですね。私の代わりに、講演をしたり、私の存在を遠隔地に転送したり、存在感を倍増させると、そういった目的で使って活躍しています。

石黒:
 その次はショーウインドウのアンドロイドですね。人間らしい感情とかそういったものを、丁寧にプログラムにして喋ることはできないんですけれども、感情の表現というのはかなり人間に近いものが再現できたかなと思います。

石黒:
 そういった技術を使って実現したのが演劇です。平田オリザ先生【※】とアンドロイドの演劇を作って、世間的に非常に高い評価をいただきました。アンドロイドが現実の世界に入ってきた、入り口かなと。先ほどのショーウインドウもそうですけれども、アンドロイドが自立したロボットのように振る舞うようになってきたきっかけですね。

※平田 オリザは日本の劇作家、演出家。劇団青年団主宰、こまばアゴラ劇場支配人。

石黒:
 これは2年前の写真ですね。アンドロイドがデパートで服を売るようになりました。人間の売り子さんよりも沢山売ることができて、アンドロイドの可能性が強く感じられたわけです。これは音声の対応をしてるわけじゃなくて、タッチパネルを使った対話をしてます。対話にはもちろん音声を使ってるんですけど、認識はしていないということですね。

石黒:
 これは桂米朝師匠ですけど、人間の存在感をアンドロイドで再現して、社会的に有名な人を作るということで。米朝師匠は亡くなられましたけれども、師匠のコピーを作って、その名人芸を後世に伝えるために活躍しています。

石黒:
 アンドロイドはその後、映画スターと言いますか。映画にもなっています。ハリウッドの映画ですとCGをふんだんに使うんですけど、この『さようなら』って映画作品は、全くCGがない、アンドロイドがそのまま演技している、そういう映画ですね。

石黒:
 で、コドモロイド。コドモロイドは未来館でニュースを読む。これも言わばアイドルのようなアンドロイドで、実際にアナウンサーを派遣するような、芸能プロダクションにも登録されてたりします。

石黒:
 これは皆さんご存知のようにマツコロイドですね。マツコさんのアンドロイドで、テレビの中でいろんな実験をしたりですね、いろんな役割を果たしてきました。

石黒:
 で、一番新しいのが漱石アンドロイドですね。既に直接夏目漱石に会った人っていうのは、もうこの世にいないんですけれども、我々の想像の中には生きているわけです。そういった偉人のアンドロイドをつくるということは、どういう意味があるのか。これもいわばアイドルと言えばアイドルですし、我々に大きな影響を与える人ですね。そういったアンドロイドの後、新たな可能性を探求するために作っているわけです。後で登場するアンドロイドってのは、こういった背景の中で出てきたアンドロイドのその先にあるものということになるかと思います。

石黒:
 2番目はコミューっていう小さいロボットですね。どういうロボットかというと、複数のロボットが対話をしてくれます。1台でももちろん対話できるんですけれども、例えば複数のロボットがあると、2台のロボットの間で作られたストーリーに人を巻き込むということで非常に自然な対話ができます。

 もちろんこの上にですね、不完全な、今でも完全ではない音声認識技術ですが、それを取り込むことによって、破綻のない、対話ができる技術になってます。たくさん出てくるとすごく楽しい対話ができます。人らしいアンドロイドはもちろん人のようにしゃべるということは当然なんですけれども、こういう小さいロボットの方がしゃべりやすいという人は世の中に多く居るので。これも一つのオプションかなと思います。

石黒:
 最後はタッチパネル対話ですね。これはデパートで物を買うときの対話ですけれども、お客さんがしゃべりたい言葉って限られてるわけですね。それをコンピューターのディスプレイ上に表示して、お客さんがそれを選択すると、コンピュータが声を出して話す。それに対してアンドロイドが答えるという感じです。

 ストーリーそのものはコンピュータに制御されているんですが。選択するという行為、それからコンピューターが発話するわけですから、選択した人間の責任感が伴うわけですね。それで充分対話ができるというわけです。

石黒:
 人と人にももちろん使います。これは両方コンピュータがコントロールするわけですが、選択による責任感という意思決定と、発話による責任感によって、コンピューターがコントロールしているにもかかわらず、まるで自分たちのストーリーのように、話を受けることができるという。これは実際にやってる様子ですけども、初対面でも非常に豊かな対話ができます。

石黒:
 こういったアンドロイドの技術、それからコミューやタッチパネルの技術を使って、人と人がつながる街。人とロボットやアンドロイドがつながり、その向こうに更に人がつながっていくような、そういう未来を創っていきたいというふうに考えてます。

 すでに紹介したように、人とつながるのに、アンドロイドもロボットも、それからタッチパネルというような、新しいメディアも使えるわけです。これが、我々がこれから取り組んでいきたい事であります。


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