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中国で「佐々木希の妊娠」が検索ワード1位に? 意外と言論統制されてない中国のネット事情を中国人民大学研究員が解説

 自民党議員の山本一太氏が番組ホストを務める「直滑降ストリーム」に戦略科学者の中川コージ氏がゲストで登場し、中国のアニメやコミックなどのコンテンツ・エンターテイメント事情をテーマに対談しました。

 対談では、中川氏が中国の統制機関の構造をスライドショー形式で紹介。中国は言論統制をされているというイメージがありますが、実は民主化等にかかわるものでなければ、ある程度は自由に発信ができるという事実が明かされます。

左から山本一太氏、中川コージ氏。

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中国の統制機関の構成ってどうなっているの?

山本:
 今週の「知っチャイナ」コーナーにいきましょう。

中川:
 前回に引き続きキーワードを毎回入れていくということで、今回は入門編#02ということで「広電総局」。

山本:
 ぐあんでぃえんぞんじゅー?

中川:
 これが今日のキーワードです。

 泣く子も黙るコンテンツ規制当局。特務機関なんですね。これが正式な名称で、「国家新聞出版広電話総局」です。要はコンテンツ関係の話をしようと思って、これを出しました。

 いつも話している「極東のビッグブラザー」。中国全体がAIの管理になっている。中国って「言論統制だ」って言われるんですけれども、どれぐらいの弾圧があったりだとか、言論統制だとかって、あんまりイメージがつかないですね。

 日本から見ると、何でもかんでも封殺されるんだっていうところがあるので、その辺を若干リアルを感じてもらおうかなと思ってこの話題にしました。

 ここが先ほどお話しした広電総局ですね。2013年の省庁再編の前までが、広電総局と国家版権局と国務院文化部というのがあったと。これが合わさって国務院文化部というのが2013年以降になりました。

中川:
 よく中国の人民解放軍自体が曖昧だと言われるんですけれども、そもそも広電総局って何かと言うと、中国共産党中央宣伝部の下部組織なんです。だから党の組織なんですね。日本で言えば、自民党の広報部みたいな。そんな感じの組織なんですけれども、国務院の特別機関として扱われている。

 一方で中国国務院文化部は完全な、日本で言う文科省のような扱いであるので、二枚看板という。実は、今朝このスライドを作ったのですが、未確認なのですがニュースで広電総局と中国国務院文化部の合併の情報が出ているんですね。

山本:
 しかしだいたい党主導だから、党の機関のほうが強いんでしょうね。

中川:
 広電総局と中国国務院文化部が二枚看板で対立があったとか言われていたんですが、合わさったのが、このタイミングでこれが出たということは、ちょうど数日前にあった習近平というか、国家主席ポスト自体が延期みたいな話がありましたね。

 それも含めての絡みで、党が中国国務院文化部自体をコントロールできるからということで、合わせちゃっても一緒なんじゃないかという、僕の予想が入っていますが……。

実は中国のネットでは批判的なコメントもOK

中川:
 中国のコンテンツの産業というか、規制はここなんですね。「和諧社会は幸福ですか? はい同志、完璧に幸福です!」。和諧(わかい)社会は、矛盾なく調和が取れた社会ということで、まさにこれがいわゆる中国共産党、社会主義的に上ずったような絵なので、あえて持ってきました。

山本:
 面白いね、これ!

中川:
 あれだけ中国はグローバルで資本主義の権現みたいな国家なのに、それなのにこの上ずった感じがたまらなくて(笑)。

山本:
 いいですね、上ずってるよね(笑)。

中川:
 これが「和諧される」っていうふうに、中国ではネットとかで言われるんですね。「規制される」という動詞で扱われると。

 だから国が「自由だよ」と言えば言うほど、規制されるということなんですけれども、これをみんなが野次って、「和諧(ホーシエ)される」と同じ読み方をする「河蟹(ホーシエ)される」という言葉を使っています。これを中国のネットで検索すると、「和諧される」というものは消されますよね。ネットの検閲ができない。だがらみんな隠語を使っているんですね。

山本:
 すごく面白いね。

中川:
 どういうことかと言うと、ネットの社会では全然批判もあります。それが言いたくてこれを持ってきたということです。

山本:
 完全にコントロールできてないんですね。

中川:
 そうではなくて、ガス抜きと言うか、本当に反乱分子ではないから日本で言われるように、全部が弾圧ということではなく、本当はほとんど大部分は全然批判もしてくれていいよというところもある。でも敏感な時期だけは規制しますよということです。

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