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東京オリンピックでは日本はどんなメッセージを発信すべきか、現場を見てきた元オリパラ大臣が胸中を語る

 2020年に開催が控えた東京オリンピック・パラリンピック。開催までに国立競技場の建設費の問題や、開催施設の場所問題など多くの課題があることも報じられてきました。

 ニコニコ生放送『山本一太の直滑降ストリーム』では、参議院議員の山本一太議員に、2017年8月まで東京オリンピック・パラリンピック担当大臣を務めた丸川珠代議員が、オリパラ大臣就任時の当時の状況を語りました。

 また、山本議員の「東京オリンピックはどんなオリンピックにするべきか」という質問に、丸川議員は伊勢神宮の遷宮を例に挙げ、「日本の持続可能なライフスタイルを発信するべき」とコメントしました。

左から安倍晋三総理大臣、丸川珠代議員、小池百合子都知事。

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都知事が3人変わった後に、東京オリパラ大臣に…

左から山本一太議員、丸川珠代議員。

山本:
 丸川さんはこの短い間に、環境大臣と東京オリンピック・パラリンピック担当大臣という2つの大臣を経験したわけですよね。そうそう、この画像は2007年のものですね。

丸川:
 やめてください(笑)。

山本:
 完全に芸能人だ(笑)。

山本:
 2007年当時はテレビの仕事をしていましたけども。【※】いろんな現場を見て、いろんな情報を得て、「世の中のためになっているのかしら」みたいな感じで政治に志を立てた経緯を書かれていましたね。2007年から今はもう2018年ですけど、すっかり自民党のスター政治家の一人になりましたよ。

※丸川氏は1993年4月〜2007年5月の間、テレビ朝日に勤務していた。

丸川:
 いやいや、とんでもありません。

山本:
 なんというか、波乱万丈の大臣でしたよね。

丸川:
 今でこそ、都が何をやるのか、組織委員会が何をやるのか、そして国や地方自治体は何をやるのかというのが見えている状態ですけれども。それ以前は、混沌としている状態でした。

山本:
 そうですよね。

丸川:
 一体、誰が何をやるのか。何も線引きがないうえに、都知事が3人変わっているという状態で……。何も一貫性がない状況だったんですね。その東京都で小池都知事が一番、勢いのいい時に大臣になったんです。

山本:
 全盛期でしたよね。首都、東京の知事が3人変わって……。

丸川:
 都民のみなさんが選んだ都知事が小池さんなんだから。我々としては都知事の意見を大事にしないといけないんですよね。だけど一方で、決めなきゃいけないことはいっぱいあるんで……。

山本:
 しかも組織委員長は森元総理ですもんね。

丸川:
 森元総理はそれまでIOCと、どう付き合うかということで多分、ご苦労されたと思うんですね。IOCと付き合った経験、つまり組織委員会の長として付き合った経験がある方っていうのは、そうそういらっしゃらないわけですから。

 元総理大臣といえども、全く違う理屈で動いている組織と向き合うのは……。

山本:
 なるほど。

丸川:
 日本の組織委員会だったり、日本のスポーツ関係の団体の皆さんだったりの声を背負って、向き合わないといけないんで、これは本当に手探りだっただろうなと思います。その中で、言われたままにいい条件を実現したら、いくらかかるかわからない。元総理も、組織委員会の長として、ここへ移し、あそこへ移し、ヨットを江ノ島へ持っていったりしたわけです。

 バスケットを大宮に持って行ったり、千葉にサーフィンをお願いしたり、そういうことをいろいろやっている中で小池都知事が改めて出てきて、「もっと安くなる」と言ったので、俺の苦労は……というのはあったんだと思います。

オリンピックのホストシティに名乗り出る都市は減っている?

山本:
 一連の都議選で小池さんが勝って、まず都知事になって。その後、こういう状況になったんですが、振り返ってみると何だったんですか?

丸川:
 オリンピックのこともそうだし、都政のこともそうなんだろうと思いますが、わからないことがわからない状態のまましばらく、一年以上そのままの状態であったと。

 他方、説明したくてもできない。特にオリンピックの場合は、IOCが片方にあって説明したくてもできない。

山本:
 IOCってすごく口を出してくるんだね。これだけ削れとか。

丸川:
 IOCにとっては、逆に2020年のオリンピックで「やっぱりオリンピック、やってよかったね」と思えないと、ホストするシティがなくなってしまう。

山本:
 オリンピックに手を挙げるところが少なくなってきているらしくて。IOCがやったらもう草も生えない、骨と皮だけになっちゃう、みたいな批判も中にはありますよね? だから、意外とみんな手を挙げなくなってきているんでしょ。

丸川:
 結局そういうこともあります。リオのように資源がちょうど高騰していた時にオリンピックが決まって、意気揚々として乗り込んだら資源価格がどんどん下がって政治的にも不安定になってしまった。そういう状況の中でオリンピックは突っ込んでいきました。決まってから7年ある中で、正直申し上げて何が起きるかわからないよね、と。

 なおかつ、効果を本当の意味で活かせるというのは、それなりに知恵がないといけないんです。オリンピックをやることよりもやる前にどれだけそれをきっかけにした投資をして、やった後にレガシーを作っていくかが一番大事なので。本当はもっと東京にできる投資があるのを、この政治のゴタゴタの中で、やや出遅れ気味になっているのは非常に惜しいところではあります。

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