東京オリンピックでは日本はどんなメッセージを発信すべきか、現場を見てきた元オリパラ大臣が胸中を語る
オリンピックと小池都政
山本:
都民が選んだ都知事ですから、個人的な批判はしたくないと思っていますが豊洲市場の移転問題って、オリンピックにも直結してますよね?
丸川:
あそこは、もうトンネルはできません。今年の3月のうちに都知事が決めていただけなかった時点で、決まったんですね。
山本:
そうなんだ。
丸川:
なので、トンネルはだめだけども、トンネルは築地から虎ノ門の前までずっと通るんで、都心を抜けるのがうんと速くなるんですよ。国立競技場に選手を運んだりスタッフを運ぶのに、あちらを使いたいという要望があったんですが、これは使えなくなってしまいました。
せめて地上の道だけでも通さないと、選手村からぐるっと豊洲やなんかを回ってこなきゃいけなくなりますから余計に時間がかかってしまいます。というので、あの地上の道を通さないと、特に駐車場と連動してますので、築地のところをバス2000台、乗用車4000台かな……これを置く場所と、そこから出入りする道との問題が出てくるので……。
山本:
なるほどね。なかなか、2つやるってそこは難しいじゃないですか。豊洲に移転するけど、築地も再開発すると言って、まだ具体的なものが出てこないし。この間の選挙の結果、都民ファーストがすごく勝ったんだけど、この一連の騒動で都民ファーストの存在感も少し低下していますよね? 小池都知事の人気もかなり下がっているから都議会も厳しくなってきちゃって……。
丸川:
都議会って4年間構成が変わらないので、議会運営に残念ながら精通していない人たちって、意見の調整をどうしたらいいのかがわからないと思うんですよね。たった10年しか議会にいませんけど。やっぱり、意見を最後どうやって落としていくかってプロセスは難しいです。
山本:
しかも新人ばっかり増えちゃったら、都議会は大変ですよね。
丸川:
そうなんですよね。やっぱり、キーマンになる人がいて、まず自分たちのグループの中の意見調整をやって、その上で他のグループと、という順番がありますよね。
山本:
なるほど。
丸川:
都知事と別の意見をまとめるのが議会の仕事なので、これが機能しないというのは、その都知事を見る力がない、ということになりますし……。都知事が手が回らないところを議会がもっと手を回して、もっとこういうことをやればいいじゃないか。
ああいうことやればいいじゃないか。というのが発揮できない状況になってしまうということなので。正直なところ都政が停滞するのではないか、という心配がありますね。
東京オリンピックはどんなオリンピックにすべきか
山本:
前向きなことを考えると、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣として、東京オリンピックはどんなオリンピックにすべきなんでしょうか。それぞれのオリンピックでテーマがあるじゃないですか。それからレガシーの議論はあまりやってないですよね?
こういうのは面白くないですか? 東京オリンピックを通じてアーティストを育てようとか、科学技術発信しようとか、ロボットをいっぱい配置しようとか(笑)。とにかく東京オリンピックでものすごく大勢の人が来て日本に注目が集まるから。ここで何を発信するかは大事でしょう。
丸川:
日本人が世界に何を果たせるか。というのを発信する上でこんなに最高の舞台ないと思うんです。私たちは、世界が言い始める前から持続可能な暮らし方をしてきたんです。伊勢の森で御遷宮をやるために、100年先に切る木、200年先に切る木と印つけて育てているんですね。こんな国、世界にないんです!
ご先祖様から引き継いできた暮らし向きだったり、持続可能な社会のスタイルというのを私たちも再認識するし、これからの世界を持続可能にしていくために、私たちにはできることとして、価値観であり、暮らし向きを発信をするにはすごくいい機会だと思っています。
本当は、開会式当日に、VIPが羽田にどーっと押し寄せるのではなくてその前に一日でも二日でもいいから、日本に早く入っていただいて、伊勢神宮に行っていただいたりとかね(笑)。
山本:
なるほど!
丸川:
出雲大社に行っていただいたり……そういうことができたらいいなあって、思っています。
-人気記事-
【ザ・新興宗教】心霊スポット化した山奥の宗教施設に潜入したら500円払って修行体験することになった話「みなさんめちゃくちゃ親切でした」
『事故物件アワード2017』1位は“あのアパート”『大島てる』管理人が「圧倒的に1位」と語る事故物件とは