「なぜ日本と中国は二泊で、韓国だけ一泊なんだ」トランプ氏のアジア歴訪を総括――日本と韓国の外交スキルに違いが出た理由
“イヴァンカ基金”の正体は世界銀行の基金だった
山本:
ではここで皆さんにアンケートを取りたいと思います。今回の日米首脳会談の安倍総理の外交について聞きたいと思います。1、とっても良かった。2、まあまあ良かった。3、あまり良くなかった。いかがでしょうか。結果が出ました。
山本:
とても良かった84.6%、まあまあ良かった13.5%、あまり良くなかった1.9%。ニコ生ユーザーの人たちは相当評価していますね。
長尾:
あとイヴァンカ基金ですが、要するに安倍総理大臣が50数億円を女性起業家を応援する基金に寄付をしたということで、メディアではイヴァンカ基金と言われていますが、あれは世界銀行の女性起業家支援の基金です。
山本:
イヴァンカさんの基金じゃないんですね。
長尾:
全然違います。あれは世界銀行がやっているプロジェクトで、それが10月くらいに正式に発足しまして、世界銀行の中のプロジェクトの一つとして色々な発展途上国とかで頑張ろうとしている女性に対して資金を提供する基金に対して、イヴァンカさんが「私も支援します」と表明したものです。
そこの部分だけ切り取って、いかにも私的な基金と表現されています。
山本:
日本のメディアの報道を見ると、そう見えますよね。総理も「イヴァンカさんに」みたいな感じで、「イヴァンカさんにあげる」みたいな感じに見えたから。でもそうじゃないんですよね。それはちょっと誤解のないようにしたいですね。
印象がよくなかった日韓問題のアピール
山本:
トランプ大統領の外交で、次は韓国ですが韓国が結構イライラしているらしいです。「なんで中国と日本は二泊三日で、韓国だけ一泊二日なんだ」って、結局韓国のメディアの新聞は「コリアパッシングじゃないか」という感じで書かれていました。
私は今まで日韓関係は重要だといい続けてきたのですが、ちょっと申し訳ないんだけど、今回元慰安婦の女性を食事の席に呼んだということと、食事も竹島のエビを出したということ。
これはもちろん観光側のアピールだったのかもしれないけれど、やっぱりトランプ大統領は、基本的には北朝鮮に対抗するために日米間の連携を強めたい。だから日韓がギクシャクすること望んでいないんですよ。だから逆にトランプ大統領にあまりいい印象はなかったという情報が入ってきました。
だってこんなところで竹島のことアピールしても……って感じだからね。ちょっと裏目に出たんじゃないですかね。
長尾:
特に北朝鮮情勢で一枚岩にならないといけない時ですし、中国とのサードのミサイル防衛もどうするかっていう話も進んでいるので、それはトランプ大統領としてはあまりその上に、そのような接待をされるのは気持ちよくないかもしれないですね。
山本:
ムン・ジェイン大統領の最大の目的は、韓国の了解抜きに北朝鮮に軍事行動をしないという確約を取り付けることだったんだけど、そこまではできなかった。
「平和的解決」と「全ての軍事的オプションがある」という二つの表現を二人ともが言っていたから、「そこら辺で温度差が見えた」という報道がありましたが、その通りだと思います。
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