炎上で世間を騒がせた元議員・上西小百合が「国会議員のなりかた」を語る
10月22日に行われた衆議院解散総選挙。もし政治経験のない一般人が選挙に出馬するとしたら一体どれだけお金がかかるのか。
『西川学園高等学校、略してN高!』では、ミュージシャンの西川貴教さん、土屋礼央さん、ミクロマンサンライズ!!!さん、お笑い芸人の星田英利(以下、ほっしゃん)さん、タレントの篠崎愛さんが元衆議院議員の上西小百合さん、横粂勝仁さんに実体験を交えた講義を受けました。
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実は衆議院より参議院のほうが格上
土屋:
衆議院と参議院の違いを教えてください。
横粂:
日本は諸外国と同じように二院制を取っています。衆議院は立候補できるのが満25歳以上。参議院が満30歳以上。違うのですが似通っている部分もあって、本当に二ついるのかという議論もあります。
ほっしゃん:
任期も違いますよね。
横粂:
衆議院は4年で解散がある。参議院は6年で3年毎に半数改選です。今回、解散があったのは衆議院です。
上西:
いつ解散があるかわからないんです。
横粂:
私は3年3カ月で終わっちゃいましたし、上西さんは2年くらいで終わってしまいました。
土屋:
扱いは衆議院の先生のほうが上なんですか。
横粂:
正式に言うと参議院のほうが上です。
上西:
貴族院ですね。
横粂:
国会の開会式に天皇陛下がいらっしゃるのは参議院。なのに総理になれるのは衆議院。法律上はなれるんですが、今まで参議院からなった人がいないので衆議院のほうが上と言われています。
西川:
ひっくり返す人みたいなのは出てこないんですか?
横粂:
当時、舛添さんとか初の総理になれるかとか、蓮舫さんとか言われていたんですが、衆議院の解散があるというのは、その都度国民の意見や思いを聞けるということで、より国民に近い。だからより権力が反映される。
ほっしゃん:
民意が反映される。
土屋:
ちなみにお金を持ってるのはどっちですか。
上西:
6年間解散がない分、参議院でしょうね。ただそのかわり選挙の費用も莫大です。
横粂:
選挙区が広いんですね。
政治塾なんてパチモン! 政党がお金を集めたいだけ
土屋:
出馬に行くまでのプロセスが大事ということで、まず上西さんにどういうことをしたらいいのかを伺ってみたいと思います。まずはこちらです。
土屋:
公募政治塾とありますが、これに行くのは邪道?
上西:
そうですね。一般的ではないということで邪道と使わせていただきました。
土屋:
これが邪道ということで、実際はこうしたらいいというのがこちらです。
上西:
一番最初に議員の秘書とかをして、要はカバン持ちというやつです。議員の先生について政治の勉強をするのが一般的なのかなと。
ほっしゃん:
議員の先生の弟子につくみたいな感じか。
一同:
あぁ~。
西川:
桂文枝師匠についていくか、みたいなこと?
ほっしゃん:
師匠は誰でもええけども(笑)。
上西:
でもここも大事なポイントなんですよ。
ほっしゃん:
どの師匠につくかってやつ?
上西:
やっぱり大きな政党の議員につくのがいいポイントだと思います。党の支援も大きいですし、その議員が党の中でどれくらい強い力を持っているのかというのも大事です。
土屋:
ではどこかの議員の秘書になるのが近道かもしれないということですね。どこの党がいいですか?
上西:
自民党ですね(笑)。
土屋:
考え方とかじゃないんですね(笑)。与党に行く(笑)。
上西:
そうですね。今回の選挙を見ても自民党が圧勝じゃないですか。思想信条がまず大前提ですがそれをクリアできるのであれば絶対に政権与党のほうが有利です。
土屋:
これは上西さんの個人的な見解ですからね(笑)。
西川:
それはいいんですけれど、お二人ともまったく関係ない党から出馬されていたような……(笑)。
土屋:
そこのあたりは聞いていきましょう(笑)。横粂先生はこの考え方はどうですか。
横粂:
もちろん近道なのですが、私は政治塾は邪道だと思っていて塾で政治を学ぶなと思っています。しかし公募はアリだなと。
西川:
それこそ希望の党のみなさんは小池さんのところの政治塾から選考されて出馬される方が多いじゃないですか。
土屋:
政治塾って一体何ですか。
上西:
まず政治塾って「本物」と「パチモン」があるんですよ。
一同:
(笑)
土屋:
例えば?
上西:
松下政経塾は本物です。その塾に入るのに審査があって、その審査に合格したら住み込みでなおかつお給料をいただいて、そこで政治の勉強をするわけなんですよ。ただ私が行った維新政治塾だとか小池さんの塾は……。
土屋:
そこは何モンですか?
上西:
パチモンですよ(笑)。塾に入るときに、塾の費用を払えば誰でも入れるんです。ですので維新政治塾なんて3500人も塾生がいたんです。
ほっしゃん:
学費はいくら?
上西:
年間12万でした。
ほっしゃん:
でも入ったからって全員が政治家になれるわけではない。
上西:
なれないです。全員が立候補できるわけではないですが、やっぱりみんな立候補したいなという希望を持ちながらやるんです。
西川:
そういうシステムなんですね。お金を取るんですね。
上西:
だから新しい党が作る塾というのは、新しい党はお金がないので党に集金するという意味合いもありますよね。
土屋:
公募はお金がかからない?
横粂:
かかりません。選挙区で誰かが抜けたら、市議や県議から上がってくるというピラミッド式になっているのですが、それがいないとなると有用な人材を外部から集めてきます。
ほっしゃん:
応募するのに何か論文とか書くんですか?
横粂:
まずは書類審査があって論文がある場合もあるし、直接面談をする場合もあります。
ほっしゃん:
学歴とか関係あるんですか。
横粂:
今はあまり関係ないですね。それよりも努力できて、先輩に従える体育会系の方が好まれますね。
土屋:
横粂先生は公募に落ちてるんですよね。
ほっしゃん:
東大なのに!?
横粂:
自民党の公募に申し込んだことがありまして、当時まだ自民党だった愛知県の大村知事が最終面接でいらっしゃったんです。書類が通って、「若い力で変えます!」って言ったんですがだめでした。若すぎたんです。
まだ弁護士になりたてのころで、ほとんど政治経験や社会人経験もなくて、今思えばよくそんな状態で受けたなと思います。
土屋:
結果、民主党から立候補しましたね。まったく逆の考えですけれど。
横粂:
自分の中では「若い力で政治を変えたい」という思いがあって、内部から変えるのか、それが無理であれば政権交代によって外から変えるということで、当時は民主党の方々は輝いていたんです。
本当に変えてやるんだ! という感じの集合体だったので、自分もそこに加わりたいと思ったんです。