「韓国では日本嫌いな人より、中国嫌いな人の方が多くなった」日・中・韓・北による東アジア問題を考える
ニコニコ生放送『山本一太の直滑降ストリーム』にて、参議院の山本一太議員が、ジャーナリストの田原総一朗さんをゲストに迎えて、対談を行いました。
対談において、田原さんは北朝鮮の核開発について、「北朝鮮は冷戦時にミサイルをたくさん打ち上げているが核実験はしていない。中国が核開発はするなと、止めていたのでは」と語ります。
中国と日本の関係から見る「北朝鮮の問題」
田原:
一番大事なことは、中国とどう付き合うか。日本の失敗の歴史をどう見るのか。失敗とは、中国と戦争を続けたことです。日清戦争が始まってから……日中戦争ですね。つまり、中国を敵にして、戦い続けたことが日本の失敗だった。今は、保守派の人が、「中国は敵」だと、戦前と同じことを繰り返し言っている。
山本:
敵だと思う必要はないと思うのですが、戦略的に付き合って行かなければならないと思います。たとえば、韓国での「高高度防衛ミサイル」の問題がありますよね。それで、中国から属国みたいな扱いを受けて、すごく意地悪をされた。
しかも韓国は、経済的にも中国のマーケットに完全に頼ってしまっているために、色んな意地悪をされています。最新の世論調査で、日本のことを嫌いだという韓国人より、中国のことを嫌いだという韓国人の方が上回っている。その部分は、現実的に中華思想というか、考え方を理解したうえで、付き合わないといけないのではないでしょうか。
田原:
もちろん、その通りですね。
山本:
戦略的護憲関係、つまり尖閣の問題でも、「毅然とした姿勢は示しつつ」ということですよね?
田原:
日本の最大の問題は、対中政策ですよ。北朝鮮じゃない。対中政策。これをどうするのか。
山本:
第一次安倍政権の時代の戦略的護憲関係についてですか。
田原:
日本は、戦前からずっと失敗している、もう一度言うよ。対中関係をどうするのか。
山本:
対中関係が大事だという話は、いろいろあったと思います。それを踏まえて、北朝鮮政策に、これから日本はどうしていくべきでしょうか。
田原:
ただね……アメリカには、北朝鮮に「核を無くせ」と言う資格はない。世界一の核保有国だから。「自分は核を持っていて、北朝鮮には持つな」と、言える?
山本:
それは、ひとつの理屈かもしれません。北朝鮮は独裁国家の体制ですからね。
田原:
なぜ、インドはOKなの? なぜ、パキスタンやイスラエルは、OKなの?
山本:
インドは、世界最大の民主国家ですから。
田原:
中国やロシアだって持っているじゃないか。
山本:
そうかもしれませんが、北朝鮮とはちょっと違うのではないでしょうか。
田原:
そうかな?
山本:
なんだか「朝まで生テレビ!」の1対1みたいで、すごくきついです(笑)。
核がなければ、アメリカに攻撃されるという事実
田原:
もし、北朝鮮が核を持っていなければ、シリアの二の舞になるでしょう。アメリカは、シリアを空爆した。なぜなら、シリアは核を持っていないから。昔、イラク戦争が始まる二か月前に、僕はイラクへ行き、副大統領と会いました。
その時に聞いた話では、「アメリカは我々が大量破壊兵器を持っている」と言っている。大量破壊兵器って、核のことでしょ。「残念ながら持ってない、だから攻撃するだろう」と。「もしも、核を持っていたらアメリカは攻撃できない」と言っていました。
山本:
田原さんのおっしゃる通りで、金正恩の立場からすれば、核を持たないと言った瞬間にいつでも攻撃されるのではないか。だからこそ、こういった考え方になるのはよく分かります。では、どうするのか。
これも「朝まで生テレビ!」で申し上げた通り、私は基本的に経済制裁法案を主導して作った者なので、圧力派です。しかし、現状のまま進んでいくと、金正恩に核開発を諦めさせることはできません。ミサイルもどんどん進歩している。そう考えると、やっぱり北朝鮮が核を持つというのは、非常に居心地の悪い。核の均衡みたいな世界になってしまう。
田原:
アメリカは、北朝鮮にミサイルを開発していることを怒っている。止めろと言っている。北朝鮮に、ミサイル開発を止めろと言うのなら、アメリカも止めるのか。アメリカは「自分はやるぞ」と。北朝鮮は「止めろ」と。どう思う?
山本:
アメリカが持っているのですから、そうかもしれません。ですが、北朝鮮のような体質の国が核保有国として、出現するのは、きわめてよくないことですよね。東アジアにとっても。
田原:
そうかな?
山本:
北朝鮮が核を持ったら、今度は韓国も持つでしょ。
田原:
現に北朝鮮は持っているじゃないか。