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ノイズを帯びながら力強く歌い上げる初音ミク曲「クリエイトゼロ」まるでボカロ黄金期を彷彿とする曲調に「カゲプロ味を感じるかっけぇ」「やっば!!鳥肌!!!」の声

 今回は、Lidlic(リドリック)さんが2月22日に投稿した「クリエイトゼロ」を紹介する。ボカコレ2024冬のルーキーランキングでは37位を獲得し、新人とは思えない存在感を放つ作品。一聴した途端に、吹くのは“あの頃”の風だ。ボカロ黄金期を彷彿とさせるノスタルジックな響きがイントロから漂う。エレクトリックサウンドの奔流に飲み込まれた後、ギターロックの力強い波が押し寄せてくる。

文/小町 碧音(こまち みお)


ノイズを帯びながら力強く歌い上げる初音ミク曲「クリエイトゼロ」まるでボカロ黄金期を彷彿とする曲調に「カゲプロ味を感じるかっけぇ」「やっば!!鳥肌!!!」の声

 本作品の魂とも言えるのは、初音ミクの唯一無二の歌声。ノイズを帯びながら力強く響くその歌声は、エネルギッシュなバンドサウンドと融合し、楽曲の奥に佇む闇を鮮やかに照らし出す。疾風怒濤のリズムとミクの鋭いボーカルが紡ぐメロディは、ボカロシーンの過去へのオマージュを感じさせる。

ノイズを帯びながら力強く歌い上げる初音ミク曲「クリエイトゼロ」まるでボカロ黄金期を彷彿とする曲調に「カゲプロ味を感じるかっけぇ」「やっば!!鳥肌!!!」の声

 1番では、主人公自身の存在意義を深く掘り下げ、サビで〈お節介な神様は足だけ救って そうか僕は 放し飼いされたような 愛玩動物みたいな命だ〉と歌い上げる。このフレーズからは、この世界に生き残っていることへの葛藤が、ダークなサウンドスケープに乗せて表現され、主人公の精神的な迷いと絶望が強調されている。

 内面の葛藤がさらに深まり、突然流れる聖歌で、〈意味が無い 意味が無い ただ思い出す 夢と呼ぶにはほど遠い感情を〉と繰り返す2番。このリフレインは、主人公の虚無感と絶望をより深く掘り下げており、彼の心の奥深くに潜む闇を浮かび上がらせる。メロディックな流れと相まって、心の奥底から苦しんでいることが伝わってくる展開に。

ノイズを帯びながら力強く歌い上げる初音ミク曲「クリエイトゼロ」まるでボカロ黄金期を彷彿とする曲調に「カゲプロ味を感じるかっけぇ」「やっば!!鳥肌!!!」の声

 ラスサビに突入すると、〈もう性善説も死んで一人だ〉という歌詞が、主人公の心情の絶頂を表現し、孤独と絶望がピークに達する。しかし、そのなかでのハイライトは、その絶望の淵から〈笑っちゃうくらいに死ぬまで創造しよう〉という結びのフレーズが生まれている点にある。まさに主人公の心理的な転換点であり、破壊のなかにも新たな創造への希望を見出しているといえるだろう。同様に、ラストを飾るハイトーンの声が、ボカロシーンの過去へのオマージュを超え、未来への希望と決意を力強く表現しているように響くのも興味深い。

ノイズを帯びながら力強く歌い上げる初音ミク曲「クリエイトゼロ」まるでボカロ黄金期を彷彿とする曲調に「カゲプロ味を感じるかっけぇ」「やっば!!鳥肌!!!」の声

 Lidlicさんの手にかかると、初音ミクというアイコンは、感情の深みを帯びたキャラクターとして生き生きと描かれる。最終的には、過去、現在、そして未来がシームレスに繋ぎ合わされ、一つの時空を共有している。そんな感覚に出会えた。この曲は、過ぎ去った時代へのオマージュと未来への挑戦が融合した記録だ。

■ infomation

「The VOCALOID Collection」 公式サイト

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