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サビに”うなぎ”が15回登場…!? 軽快なラップが耳に残る『アチアチ☆ウナギ天国』

 2023年6月22日~8月21日の期間で開催された”VOCALOID6 AI音街ウナ楽曲コンテスト2023″、その最優秀賞を獲得したのが今回紹介する楽曲「アチアチ☆ウナギ天国」です!

文/「め」


 音街ウナと切っても切れない関係にあるのが”うなぎ”ですが、そのうなぎを前面に押し出しているのが本作。うなぎ販促曲とすら言えてしまうほどにうなぎを勧めてくる歌詞で、『「でも環境が…」とか危惧する生態系』『その気持ちは養殖もんか?』など、うなぎに関連するフレーズが数多く使われています。サビの歌詞中で登場する”うなぎ”は実に15回と、怒涛のうなぎ押しです。MV中ではところ狭しと狂気の「うなぎ」表記が。

 しかし、この曲の魅力は遊び心に溢れたネタ要素、というだけではまだ足りません。楽曲コンテストに参加するにあたっての戦略的な工夫が見られるのです。

 そのうちのひとつがBメロの語り口調となっているセクション。そもそも”VOCALOID6 AI音街ウナ楽曲コンテスト2023″とは、VOCALOID6 AI音街ウナという新音源の発売を記念して開催されたコンテストです。この語りパートはそういった背景を踏まえて「歌声だけでなくポエトリーリーディングもこなせますよ」という異なる切り口でのアピールとして使われています。これは新音源の魅力を様々な方向で引き出しているという意味で非常に有効なアプローチです。

 他にも2番Aメロはトラップと呼ばれるジャンルのラップ調なパートですが、このトラップはボカロシーンにおいても爆発的に作品数を増やしているジャンルのひとつです。このことから近年の流行を分析した上で曲中に取り入れているのがわかります。

 また先ほど述べた”うなぎ”が15回登場するサビも、一度聴いただけで歌を覚えてしまうようなインパクトを与えることを意図したフレーズだと考えることもできます。実際、ボーカルラインは非常にシンプルにまとまっているため、聴き終える頃にはなんとなく口ずさむことができます。

 作者の木瀬のんさんは2021年の投稿開始ながらこれまでに多くの引き出しを感じさせる楽曲たちをリリースしており、11月24日にはリズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」において開始されたプロジェクト「プロセカアカデミー」の生徒として参加することが発表されています。活動の幅をより一層広げていく木瀬のんさんの今後の活躍に目が離せません!


「The VOCALOID Collection」 公式サイト

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