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ラテン系ビートを用いた”驚異的な中毒性”のボカロ曲。アニソンを感じさせるコード進行・編曲がハイレベルな『拗らせ!愛され症候群』

 ニコニコ動画では歌い手として活動をスタートし、2016年から自ら作編曲した作品を投稿し始めた古池ゆうすけさん。そして氏がボカコレ2022秋に臨んだのがこの曲「拗らせ!愛され症候群」です。

文/「め」


 明るい曲もダークな曲も手掛ける古池ゆうすけさんですが、その中でも共通する特徴として挙げられるのが数秒でリスナーの心を掴むキャッチーさ。
 流れるようなメロディラインだったり余韻を持たせた進行だったりではなく、細かくピッチを上下させたフレーズやすべての隙間を埋めるかのように詰め込まれたサウンドを徹底しており、聴く者を情報量で圧倒しつつも耳に焼き付けることに成功しています。
 まさに”驚異的な中毒性”を誇るテイストになっていると言っていいでしょう。

 そして何より目を見張るのが、編曲レベルの高さです。
 Aメロなどの静かなセクションではベースを前に出してギターのフレーズを装飾的に用いており、Bメロでは後半でドラムの連打が入ってサビに向けてボルテージを高めています。音選びやフレーズによる緩急がハッキリしているため、リスナーがリアルタイムで楽曲に乗りやすい。
 そして盛り上がりどころであるサビですが、前半では”ソカ”というラテン系の音楽ジャンルのビートを高速にしたリズムが使われています。これは特にボカロシーンにおいてよく採用されるリズムです。

 それだけではなく、サビではコードを階段状に上下させる進行が多用されています。こちらはアニソンにおいてよく使われる手法で、昨今のボカロ曲にも取り入れられています。

 このように、序破急を意識した曲展開や流行の要素をうまく取り入れることによって、さらに強くリスナーを惹きつけているんです。

 一方、映像についてまず目につくのがPV中に登場する女の子の瞳。いわゆる”ハート目”を逆さにした形となっていますね。

 愛されるけど自分からは愛さない歪な状態、愛を利用しながらも愛を信じていない感情。そういった表現を反映したのがこの逆ハート目なのだと思います。
 「まっとうな恋愛なんてさ してみたって私が可愛くて モテちゃうからつまんないな」という歌詞からも、ハート目=普通の恋愛とは異なる、荒んだ考えを持っていることが推察されます。

歪んでしまった恋愛観で数々の相手を手玉に取る彼女、その結末はどうなるのか。詳細はぜひ動画を再生して確かめてください!


拗らせ!愛され症候群 配信リンク

「The VOCALOID Collection」 公式サイト

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