「完全にキマってます」町山智浩がマリファナまみれのトランプ支持者集会に突撃生中継【全文書き起こし】
ニューヨークにあるトランプ支持者が集う右翼パーティーへ潜入!
堀:
それでは町山さんと中継がつながったようです。町山さん、聞こえますか~!?
町山:
はい、聞こえていますよ~。私はニューヨークにある今最もアメリカでオシャレと言われているミートパッキングエリアに来ています。周辺にマリファナの匂いが充満していてすごいです!(笑) 昔は食肉加工場があって怖い場所だったんですが、今はお洒落に生まれ変わっています。で、なぜ私がこんな場所にいるかと言いますと、私は今からニューヨーク中の右翼がいる場所に行きたいと思います!
水道橋博士:
え!? 大丈夫なの!?
堀:
なんだか町山さん、えらくテンションが高いですけど吸っていないですよね?(笑)
町山:
はははははっ、それは置いておいて……。
堀:
置いちゃだめですって!
町山:
いいから、いいから! 今から行くところはニューヨークで唯一のトランプ支持者のパーティーでもあるんです。集まっている人は皆、白人の優位性、移民の排斥を訴えている「プラウドボーイズ」(人種的誇りのある若者たち)と呼ばれる人たちばかりなんですね。
堀:
ド真ん中のド真ん中なわけですか!?
町山:
そう! だから、くだらない話はいいから中に入っちゃいましょう!
水道橋博士:
おいおい電波少年だよ、これ(苦笑)。
(ずかずか進んでいく町山氏)
4人:
プラウドボーーーーイッ! ヒャッハーッ!
町山:
やってますね~(笑)。
4人:
CNNはク●野郎だ! ヒラリーばかり応援しやがって、ク●ッタレが!
4人:
マザーフ●ッカーーーーッ!!!
堀:
これは完全にキマッてますね~(苦笑)。
町山:
ヒルビリー(白人労働階級)というよりは、ネオナチ系の雰囲気ですね。ヒルビリーは民族のことを指していますけど、彼らはいろいろな血筋から混成されているようですね。ギリシャ系やドイツ系、イタリア系などたくさんいる模様ですね。
(集会所であるバーの中に入る町山氏)
トランプ支持者は本当に過激なのか!?
町山:
スタッフの方、離れないようにね。
水道橋博士:
ホントに大丈夫かよ、これ。。
町山:
やはり女性はほとんどいませんね~。
町山:
暗くて騒がしいため話が聞き取れないので、いったん外で伺ってみましょうか。
(そこへサングラスをかけた男性が話しかけてくる)
男性:
日本人か!? 俺に礼の仕方を教えてくれよ!
町山:
オーケー! オーケー!
町山:
ワーオ! 礼マスター! YOUは礼マスターだよ!
男性:
お前が俺を尊敬するなら、俺はお前を尊敬するぜ!
堀:
もう肉体言語ですね(笑)。
町山:
あなたはトランプ支持者ですよね!?
男性:
もちろんだ。これまで自由貿易をし続けたツケが今に到っているんだ。それによって20年もアメリカの時間は失われた。日本だって似たような体験をしただろ? 失われた時代があったはずだ。俺たちはウンザリしているのさ。ところでこれって、どれくらいの日本人が見てるんだ?
町山:
すごいたくさんの人だよ!(笑)
男性:
マジかよ、すげぇ! ちょっと見せたいものがるんだけど披露していいかな?
(突然袖をまくる男性)
町山:
ああああ! ポケモンのモンスターボールですよ! モンスターボールのタトゥーが腕に掘られていますね~! もうバラしますけど、彼、完全にマリファナ吸ってますね~!(笑)
堀:
リアルアメリカですよ(笑)。
水道橋博士:
町山さん、まるでポケモンマスターかのように、すごい人たちを次々にゲットしてきますね。
プラウドボーイズとはどんな存在なのか?
町山:
では次の人! そこの男性にしましょう!
町山:
プラウドボーイズとはどんな存在なのか教えてください。
男性:
俺たちは西洋の文化を守るために、他の民族に対して「申し訳ない」とか罪悪感を抱いたりしない者の集まりだよ。
(突如、黒い帽子を被った男性が町山氏に逆質問を)
男性:
お前はどう思っているんだ?
町山:
わ、私の意見!?
男性:
お前たちはシリアで日本人男性が2人殺されたのを忘れたのか!? 日本は素晴らしい過去を持っているじゃないか? 長い間、鎖国をして自分たちだけでやってきた歴史がある。あと、日本自身がISへの報復なども視野入れて政治的責任を果たすべきだよ。軍国主義に戻れとは言わないが、軍国主義化を恐れてはいけないよ。
町山:
あなたのお名前は?
男性:
ジェシー・ジェイムス。(と免許証を見せる)
町山:
ジェシー・ジェイムス!? ……本当だ! この名前はアメリカ西部の伝説的ガンマンと一緒なんですよ!
ジェシー:
俺は質問にはなんでも答えるから遠慮なく質問してくれよ。
思わぬ論客ジェシー・ジェイムスの言い分
堀:
では、なぜトランプを支持するのでしょうか?
ジェシー:
俺は人生ずっとリバタリアン(個人の権利を擁護する自由論者)だった。憲法を信じる憲法保守者の俺から見て、トランプは極右じゃないんだ。アメリカでは、左翼が非常に左翼寄りになりすぎていることが問題だと思っている。だから、トランプみたいな右翼的な人物が現れるようになった。
ジェシー:
俺はニューヨークで生まれ育ち、長年この街を見てきたけど、今じゃニューヨークはリベラルが集まるウ●コの穴になっちまった。オバマの政策は間違いだらけで、特に外交政策はひどいもんだった。
堀:
なるほど。白人であることで差別主義者だとレッテルを貼られることにプレッシャーは感じませんか? また、多様性に対して受け入れる白人としての価値観をどのように持っているのでしょうか?
ジェシー:
俺自身のことは気にしていないけど、子どものことが心配なんだ。税制は重くなる一方だし、規制ばかりが増えていく。自由が制限されていく……まさにニューヨークがそうであったようにね。俺が生きている間に変えたい。別に破壊したいってわけじゃないんだよ。でも、まさしくMake America Great Againなんだ。俺たちの生活はTPPといった規制や政府のコントロール、つまりは政治家によって決められるものではないはずだ。俺や君たち、一人一人が政治家として自分たちのことを決めていくべきだろう。
堀:
話の中からも良い時代のアメリカを取り戻したいという気持ちが伝えってきますね。
冷泉:
グレイトアゲインというスローガンがありますが、アメリカにとって偉大なる時代とはいつ頃のことを指しているのか、聞いていただいてもよろしいでしょうか?
町山:
なるほど、良い質問ですね!
ジェシー:
ある特定の時代を指しているものだとは思っていない。俺のじいさんはノルウェーからイタリアに渡ってアメリカへ来た移民だったんだ。じいさんは一生懸命英語を覚えて、働いたんだ。当然、戦争にも行ったさ。そして生活を手に入れたんだ。じゃあ今はどうか? 人々は分断されている。誰もアメリカ人になろうとしないじゃないか? 黒人も白人もアジア人も。俺の嫁さんは中国人だから分かるんだ。当初、アメリカに来た移民は西洋的なスタイルを身につけてアメリカに溶け込もうとした。俺はアメリカの強さというのは、あらゆる移民がアメリカ的になろうとしたことを意味することだと思う。それって今はもうないだろ? でも、トランプは違う。彼はアメリカ的な強さをよみがえらそうとしているんだ。
堀:
トランプの排外主義についてはどう思うか、聞いていただけますか?
町山:
わかりました! ……えっと、排外主義って何っていうんだっけ……あれ、知っているはずなのに……ダメだ! マリファナの副流煙が凄すぎて頭が回りません(笑)。へへへへへ。
堀:
(笑)。では、支持者ではあるけれど、トランプ氏に対して「ここは違うだろ」という部分はありますか?
ジェシー:
ないさ。トランプがスケベだとか言っているけど、それこそオマ〇コに手を入れたとかさんざん言われているが、なんでそんなことをいちいち気にするんだ。日本をはじめ海外の連中もそんなことを気にしてどうする? それに日本には葛飾北斎って本物がいるだろ!? 彼の絵の中にはたくさんセ●クスを描いているものある。HENTAIとも言えるよな。そういう文化を持っている国が、トランプのスキャンダルに対して「いやらしい」なんて言うのはおかしいんじゃないか? りんごとみかんを比べるような愚かなことはやめたほうがいいぜ。スキャンダルで言えばヒラリーだって同じさ。しかもトランプは政治に関係ないが、ヒラリーは大アリ。大問題だよ。
……そのとき、まさかの人物が右翼集会に登場!
水道橋博士:
この方は何歳で何をしていいる方なんですか?
ジェシー:
俺かい? 28歳で自営業者だよ。
堀:
非常にしっかりした方ですね~。ニコ生ユーザーも感心していますよ。
水道橋博士:
論客ですよね~。
ジェシー:
みんなに教えてやるよ。俺たちは目覚めたんだ。トランプは大勝利を収めるだろう。日本のみんなも立ち上がってほしい。トランプの勝利は、世界に対するウェイクアップコール、目覚ましになるはずだ。世界主義とかグローバリゼーションとか、そんなものに騙されるな。
水道橋博士:
町山さん、「僕はヒラリー支持なんだ」ってジェシーに伝えてみてくださいよ。
町山:
わかりました~。
堀:
いやいや、大丈夫なの!?
町山:
私はこの国ではマイノリティという存在。だから、移民を排斥するトランプの政策は困るんです。投票権はないけど、私はヒラリーを支持しているんだけど……どうかな?
ジェシー:
聖書に出てくるキリストと魚の話を思い出してほしい。一人だけが魚を取っていても、それはその人が日々生きるためだけでしかない。大事なことは、魚を取る方法を教えてあげる人物がいるかどうかということだ。移民をチヤホヤすることは、移民にとって良いことにはつながらない。俺のじいさんがそうだったように、一生懸命働いてナンボだよ。ただ魚を食べているだけでは何も進歩がない。一生懸命魚を取る方法を学んで鍛えたことで一生モノになるんだ。
水道橋博士:
!!! 町山さん、うしろ! うしろ! うしろ見て!
町山:
ああああああ! 『マッドマックス2』のヒューマンガス! ヒューマンガス!
堀:
実在していたんですね~(笑)。
水道橋博士:
もう何番組か分からないよ(笑)。
町山:
右翼最高!(笑)