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中国による尖閣周辺での国旗掲揚行為に評論家が提言「友好関係と領土問題は別」

 尖閣諸島周辺の接続水域を中国海軍所属の潜水艦が潜没航行、東シナ海の公海上で海面に浮上した際に中国国旗を掲げたことが話題となっています。

 これを受けて、政治評論家の竹田恒泰さんが自身の「竹田恒泰チャンネル」において解説を行い、領土問題に絡めて「一歩も引かない」「常に毅然とした態度で現状変更は許さないという態度を示さないといけない」とコメントしました。

竹田恒泰さん。

中国国旗を掲げた潜水艦が浮上。海自を挑発か? 

中華人民共和国の国旗。
(画像はWikipediaより)

竹田:
 13日土曜日の話題です。中国いやらしいですね。産経新聞ですけれど、潜航潜水艦が中国の国旗を掲げたという。何なの、この態度。何なの。追尾する自衛隊を挑発か? と書いてありますが、読んでいきましょう。

 (新聞を読む)政府は12日、10~11日に尖閣諸島周辺の接続水域を潜没航行した潜水艦について、中国海軍所属であることを確認したと発表した。海上自衛隊の護衛艦が追尾していた潜水艦が12日、東シナ海の公海上で海面に浮上した際に中国国旗を掲げた。潜水艦が護衛艦を挑発する意図があった可能性もある。

 これを受け、外務省の杉山晋輔事務次官は12日、程永華駐日大使に電話で「新たな形での一方的な現状変更で、事態の重大なエスカレーションだ」と抗議した。杉山氏は11日も程氏を外務省に呼んで抗議しており、2日連続の抗議は異例だ。政府は11日の時点で潜水艦の国籍を公表していなかった。自衛隊は通常、潜水艦のスクリュー音などで国籍を特定するが、防衛省は、情報収集能力が特定されるとして公表を見送っていた。

 しかし、海上自衛隊の護衛艦おおなみと、おおよどは、潜水艦が11日に接続水域を出たあとも追跡。12日午後になって尖閣諸島北西の公海上で潜水艦が浮上した際に公然と国旗を掲げたため、防衛省は公表に踏み切った。


 ここにきて、あれは中国の潜水艦だということを公表しました。さらに続きを読んでいきましょう。

 (新聞を読む)尖閣諸島周辺の接続水域を潜没航行した潜水艦が、海面浮上時に中国国旗を掲げたのは、日本を軍事的に威圧し、その実効支配を崩す強固な意志を誇示するためだ。中国が対日外交で示しつつある融和姿勢とは無関係に、尖閣奪取に向けて虎視眈々と軍事上の優位確立を狙っていることが裏付けられた。

 日本と中国は外交上は融和的なところに入りつつある。日本は「いつも対話の扉は開かれている」と安倍さんは言っていましたけれども、それを拒絶していたのが習近平。首脳会談も開かれない。開かれても靴下のにおいをかいだようなお顔、国旗も掲げられない、そこから徐々に進化して、日中関係がよくなったかのように見えるわけですよね。

 にもかかわらず、領土関係に関しては一歩も引かない。それどころか周りをつめている。それが中国のやり方です。ですから日本も、私は日本と中国の距離は適度に取っておくのがいいと思うのですが、日本社会はなかなかそうもいかずに、中国と友好関係は大切だと思っている人は多いわけです。中国の友好関係が拡大しようが、それとは別に領土問題は分けて考える。一歩も引かない。

 常に毅然とした態度で現状変更は許さないという態度を示さないといけないということを、今回は確認しなければいけないわけです。 

アメリカの誤爆戦法を日本が真似るのはあり?

(新聞を読む)中国国防省などは同国艦艇の接続水域航行について「海上自衛隊の艦艇2隻を追跡、監視した」と主張し日本側の行動がきっかけだったと強弁。だが中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は12日付で、中国が尖閣諸島問題で「突破口」を求めていたとする匿名軍事専門家の分析を紹介した。

 党幹部養成機関が発行する『学習時報』も昨年、習近平指導部が巡視船航行の常態化などによって「日本による長年の実効支配を一挙に打破した」と主張していた。ただ、実効支配は現在も日本が依然として優勢と中国側は認識しており、今後は巡視船に加えて軍事力を利用した攻勢を本格化させる恐れもある。中国海軍をめぐっては昨年1月、インド洋上で米海軍の対潜哨戒機の追跡を受けた潜水艦が中国国旗を掲げた例もある。

 中国の軍事筋は産経新聞に対し、こうした潜水艦の行動について「その場で敵対的な軍事行動を起こす意図がないことを示すと同時に、政治的シグナルを発したり軍事的威圧を与えたりする狙いがある」と指摘。「今回はインド洋での行動と比べて、より軍事的な示威の意味合いが強い」としている。


 ということで、忌々しいですね。図々しいですね。我が国の接続水域、尖閣の接続水域に入っておいて、出てきたら浮上して公然と中国国旗を掲げると。何様なんだということです。これと同じことを中国のどこかの島でやったらどうなるのかと。たとえば海南島の接続水域に自衛隊の潜水艦が入ったら恐らく向こうは攻撃してきますよね。撃沈を狙ってくるでしょうね。日本が今回接続水域に入ったから攻撃するって、攻撃したらどうするんですかね。

 しないと思って入ってきているんですけれども、「ハックション!」とか言って、誰かが間違えてボタンを押しちゃうかもしれないじゃないですか。わからないですよ。これはですね、本当は一度どこかで誤爆して差し上げるという手もありますけれどね(笑)。領海に入ったら、そのまま撃っちゃって。「すみません、誤爆しました」「ヒューマンエラーです」「撃つべきじゃありませんでしたけれど、撃っちゃいました」とかね。

 明らかに意図して撃っているんだけど、「間違えて撃っちゃいました」と謝罪するのは、アメリカ軍がよくやるやつですからね(笑)。具体的に言いましょうか。“ベオグラード中国大使館誤爆事件”【※】ってあるんですよ。ベオグラードにあった中国大使館がトマホークで撃たれた事件があったんですね。3方向から1つの部屋が狙われていたんです。亡くなったのはロシアの外交官。こんな正確な誤爆ないですよ。

※ベオグラード中国大使館誤爆事件
アライド・フォース作戦の一部。北大西洋条約機構加盟諸国がコソボ紛争末期の1999年に実施した航空攻撃を主とする作戦。B-2がベオグラード市内に出撃、誤って駐中華人民共和国大使館をJDAM爆弾で攻撃し、29人の死傷者を出している。

 ベオグラードにある中国大使館を3カ所からトマホークで1つの部屋を撃ち抜いてるんです。死亡したのはロシアの外交官1名。こんな正確な誤爆はない。アメリカは「誤爆です」「ヒューマンエラーです」って謝っているわけですよね。でもふざけんなよと。中国大使館の会話は全部筒抜けだぞ、と。その日にロシアの外交官が泊まってるだろと。そいつ1人だけ正確に撃ってやったんだぞということを、暗黙に伝えたということで、中国側は震え上がったでしょうね。

 でもアメリカは「すいません、間違えてました」って言っているから「わざとやってるだろ!」とは言ないですから、「誤爆なんてけしからん」と言うしかないですよね。撃沈しておいて平謝りという、本来アメリカがよくやることですけれど、軍事的にはあり。潜水艦なんて撃沈したって、たぶんバレない(笑)。こんなこと言ったら、怒られますけれど仮の話ですよ。

 中国の潜水艦が日本の領海に入ってきた。自衛隊が間違って誤爆してしまった。撃沈。「元々沈んでるし」というコメントがありますけれど、それです(笑)。そのまま沈んだままでも、わからない。もしそれをやったら中国の海軍は発表できないと思いますよ。不祥事も甚だしいじゃないですか。日本の領海に入って撃沈されたって、こんなこと国民に公表できませんよ。ですから行方不明みたいな。そのレベルの話になっちゃいますよ。

 なので、実際に撃沈したとしても自衛隊は公表しないでしょうし、中国海軍も公表しないでしょう。そうしたら領海に入ったら撃ってくるからヤバイということがわかるんです。そうするともう入りませんからね。そういうことなんです。

 だからここまでは許すけれど、そこから先はただじゃおかないぞと。潜水艦が潜没して領海に入った。明らかに国際法違反ですから。軍事攻撃を受けたっておかしくないわけですからね。日本だって、そんなことしませんよ。入ったら沈められちゃいますもん。

 でも中国だけは、どうせ日本は撃ってこないだろうみたいな感じできちゃうわけですから。ただ一応9条の関係がありますから、攻撃を受けてはじめて反撃にいくわけですから。だから日本は撃ってこないと思っています。しかし実際に撃ったときにわかるわけですね。

 ここから先は許さないぞと。これはアメリカがよく使う。それをやるべきかどうかはね、いろいろな状況がありますから簡単には言えませんけれどね。アメリカがよくやる方法ですからね。調子に乗ってるんじゃないぞということですね。

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