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「VALUの主張より日本の憲法が優先される」『VALU』リードエンジニア・小飼弾氏にシステムについて色々聞いてみた

 先日、株式会社VALUのリードエンジニアに就任したことを自身のブログにて発表した小飼弾氏

 VALUについて「市場という仕組みの脱権威化を、Bitcoinという脱権威的通貨を通して進めるための場にして仕組みである」と語っていた同氏だが、7月24日の『ニコ論壇時評』では、より詳しく『VALUの仕組み』について、山路達也氏と語った。


VALUとは「個人を取引所に上場する」ボランタリーサービスである?

山路:
 さて、VALUとはなんぞやみたいなことと、どうして弾さんがそこに参加したのか、と。

小飼:
 そうなんです。ここに名刺がございまして、久しぶりに名刺を作りました。

山路:
 紙の名刺は作らないと言っていた弾さんが珍しく。

小飼:
 僕、はい、時差があるんだよね、これと。そう、名刺持ってます。

山路:
 VALUでよく言われるのが、会社の株を取引所に上場するのと同じような感じで個人を取引所みたいなところに上場して。

小飼:
 というのか、その取引所のサービスですね。

山路:
 そこのところで言われてるのが、よく批判的な文脈で言われていたりするのが、株なんかとは違って、例えば配当みたいなものがあるわけじゃなし、なおかつ「これをやります」とか優待は言っていいんでしたっけ? 個人が株主にあたる人に。

小飼:
 だから、実はVALUを発行した人は、そのVALUを買った人に対してなんのオブリゲーションもないんです。ここすごく重要です。ここ大事なことなので都度繰り返しますけども、例えばこれが株式会社であったら、その株式会社の株を一株持ってたらその人に対しては配当を出さなければいけないですよね? 所有株に応じて出さなければいけないですよね? そういったオブリゲーションはないんです。実は優待とかを発行していても、その優待の条件を守りますというのは、守らなくてもいいんです。

山路:
 だけど、そうするとその人の評判が落ちるみたいな。

小飼:
 その通りです。

山路:
 割と、モワッとしてますね。

小飼:
 その通りです。実にモワッとしているんです。なぜ実にモワッとしてるかといいますと、一番大きな理由というのは、今のところ法の縛りというのがあって、そういう風にVALUになんらかの義務を課すというと、本当にVAが証券化してしまって、それは日本の金融にかかわる法律に照らし合わせるとまずいんじゃないかということもあるんですけども、それは大まかな理由で、我々はなんで今やってることをやってるんだと。それはやらないと怒られるからやるの?
 例えばVALUで優待を出しました。これは優待を出した通りにやらないと怒られるからやるの? と。結構人って自発的にいろいろしちゃうんですよね。面白ツイートをする人もいれば、それどころか面白い絵を描く人とかっていうのもいるわけですよ。全部ボランタリーですよね、自主的ですよね?

山路:
 まあTwitterで大喜利つぶやく人も別にボランタリーですもんね。

小飼:
 今までVALU以前というのは、そういったものというのは消えちゃったんですよ。

山路:
 消えちゃった?

小飼:
 その場で出して「面白いね」で。例えばこれが街角の大道芸人であれば、その場でお捻りとかをもらえたかもしれないんですけれども。

山路:
 ネット上だったら、ちょっとフォローが増えるとか、リツイートされて知名度が上がるとか、そんな割とモワッとした。

小飼:
 だからトレーディングカードである、あるいはタニマチである。これというのは、正解だと思うんですよ。というよりも既存の法律では、そこは踏み越えられませんし。これは大事なことなので繰り返しますけど、仮にVALUの主張と日本の法律や憲法の主張が食い違うときには日本国の法律が優先されます。だから、そこはすごくバッチリカッチリやっています。そこの部分というのは、あくまでも法に抵触しないようにという。

 これは違法スレスレのことをやるというわけではないですよ。けれども、逆に今までのそういったフレームワークというのは、あまりに罰則ドリブンなんじゃないかっていう反省もあるわけですよね。だからこれをやらないとこういう罰が来る、あれをやらないとああいう罰が。今のところVALUというのは、そういったものという……。もし、みなさんがVALUを売ったり買ったりしても、実は、そこには法的な保護というのは今のところないんです。

山路:
 あっ、そうなんですか?

小飼:
 はい、法的なエンティティではないので。

山路:
 じゃあかなり寄付や募金に近いイメージ。

小飼:
 そうですね、今のところは。

『価値』とは「人とやり取りを可能にする思い込み」である

山路:
 価値とはなんぞや。それって、かなり哲学的な問いですよね。弾さんが価値を感じたら価値なわけじゃないですか? だけど、例えば他の人も同じように共通認識を持って初めて価値になるかみたいな。

小飼:
 そうなんですよ。だから価値というのは思い込みなんですよね。

山路:
 思い込み。

小飼:
 そう。けれども、これが人とやり取り可能になるためには同じように思い込まなければいけない。だから1000円札を見せたら、受け取る方もそれが1000円札だというふうに思い込んでもらわなければいけないわけです。両方が「これは1000円です」と言って初めて取引が成立するわけです。だからVALUも、そこの部分というのは同じです。そこの部分は価値をやり取りしてます。
 単に思い込んだだけではなくって、例えばある方のVALUを買ったらその分、自分のところにあるBTCというのは減ります。

山路:
 なるほど。最近、価値ということで言うとクラウドファンディングというものが盛んになってきてるじゃないですか? 「何かをしたい」という人が現れたら、その人がお金をちょっと出資してくれ、みたいな。それの代わりに、製品の最初のロットのやつを送りますとか、あるいはTシャツとかただ感謝します、感謝するって言う、みたいなことだったりするかもしれない、そういう優待をつけるじゃないですか? クラウドファンディングとVALUの本質的な違いというのは何なんですか?

小飼:
 クラウドファンディングの場合は、受け入れられるお金というのは、普通の法定通貨ですよね? 電子的な手段で入金が為されるのかもしれないし、一部ビットコインでやってるというところも、すでに存在しているのかもしれないけども、基本的に法定通貨と呼ばれるもの。 ですが、VALUの場合もうひとつの特徴としてビットコインを使う。
 更に面白いのは、あくまで現状ですけども、ビットコインというのを直にVALUのシステム内で売買する方法というのはないわけですよ。それをやるというのも外部サービスなわけですよ。だから、外部のビットコインウォレットサービスを介してVALUを入金・出金したりという風にしてます。

山路:
 じゃあ、結局VALUの会社が持ってるデータというのは、このVAを買いましたよ、というような。VALUはVAという単位で、ビットコインを使って買うわけですよね? そのやり取りの履歴だけを。

小飼:
 それをBTCで値付けしてやり取りしてるわけです。

山路:
 そのときに、ユーザーのビットコインというのは、動いてるんですか?

小飼:
 いや、その時点ではまだVAの形しかしていないです。それをBTCに換算する。BTC換算の数字というのは出ていますけど、それは具現化してないんですよね?

山路:
 じゃあ、実際に換金するとかっていうことを、ユーザーが手持ちのVAを換金するとか、そうなったときに初めてビットコインとの間で……。

小飼:
 そうです、だから外とのやり取りがあって初めてビットコインは現金化するんですよ。

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