「日本死ねって言わなくたって既に死にかけてる」小飼弾が予想する日本の未来
12月1日に発表された『ユーキャン新語・流行語大賞』が発表され、トップ10に入った「保育園落ちた日本死ね」の受賞者として、民進党の山尾志桜里議員が表彰式に”笑顔で”出席した。
「なに、満面の笑みで受賞式に登壇してんの?」 「ひどい言葉を選ぶな」「日本死ね、なんて言葉は流行っていないし、聞いていて不愉快」とスポンサーであるユーキャンへの非難が殺到している今回の炎上騒動について、12月5日放送の『ニコ論壇時評』で、小飼弾氏と山路達也氏が語った。
日本死ねはいくらで買収したの?
山路:
ユーキャンが毎年やっている流行語大賞ですね。それの流行語大賞の候補のひとつとして「日本死ね」あの、保育園……。
小飼:
いやあ、大賞といえば「買収」ですよね。で、これ「日本死ね」っていくらだったんですか?
一同:
(笑)
山路:
レコード大賞じゃないんですから(笑)。
小飼:
でも、日本で大賞といったらねえ、大金で買収するものっていうふうに(笑)。
山路:
一体誰が得をしたんですかね? 「日本死ね」の炎上っていうものがいまいちピンときていないところがあって、なんで「日本死ね」が流行語大賞に選ばれてこんなに炎上するのか結構謎なところが……。
小飼:
僕もよくわかんない所が、すみません。僕が買収したわけじゃないので(笑)。
山路:
もともと保育園の審査に落ちた人の匿名ブログが何だかんだあって、流行語大賞に選ばれたんだけど、それを受け取るのが民進党の議員になったんですよね?
小飼:
なんで?
山路:
国会答弁で使用したから議員が受け取ることになったそうです。
小飼:
その国会答弁ってAIが書いたんですか? もしかして? キュレーションの結果だったのか!
山路:
なるほど。この民進党の議員を叩きたい人が炎上させているっていう構造になっているんですかね?
小飼:
それを除いて、これ文脈がわかれば、ただ悪態をついているだけだというのが分かるんですけれど、文脈抜きで「死ね」って流していいんだ?わかった! やっぱり、誰がこのワードを買ったかわかった!「死ね死ね団」。まだいるんだ。
※死ね死ね団とは特撮番組『愛の戦士レインボーマン』に登場する主人公と敵対する秘密結社
山路:
それ、古いなー(笑)。それ、すごい古いっすよ(笑)。
小飼:
まだいるんだ(笑)。
死ねなんて言わなくても日本はすでに死にかけてる?
山路:
知らない人も多いんじゃないですか? 「死ね死ね団」って、検索してもらえるとすぐ出てくるとは思いますけど。
「日本死ね」という流行語大賞、これを議員に与えるとかそういうことは別として、それを流行語大賞に選んだこと自体はあんまり変なことではないかなと、わたしは思ったりするんですけど。
小飼:
いやだから、いくら積まれたのか知りたい(笑)
山路:
結局、これが炎上のネタになるくらい。みんな共感したわけですよね?
小飼:
でも今更死ねって言わなくてもねぇ、もう死にかけじゃん?
山路:
死にかけって?
小飼:
とくに「日本死ね」とか一生懸命やらなくったって、もう死にかけているじゃん。日本。
山路:
どのあたりが?
小飼:
どのあたりって、子供にお金かけてない以上は、放っておけば死ぬよ。
山路:
ここのところ「日本死ね」にからんでブログを書かれている方がいて「日本で子供に与えられている社会保障の貧しさランキング」みたいなものを出していたんですけど、かなりどれもこれも低いという。例えば文房具等の小学校で必要なものを持ってない子の割合は先進国とは思えないほど。
小飼:
いまさら給食費とか、なんで別枠でとるの? それくらい税金で出そうよ。
山路:
ああー。もう、そういう社会保障のところがなっとらんと。
小飼:
うん。
山路:
これって、日本はもう「死にかけてる」とおっしゃいましたけど、そんなにお金ないんですかね?
小飼:
まあ、金はあるところにはあるんだけど、金がある人たちがいつ死ぬか? あるいは、いつまで生きているか? 分からないからお金をガメちゃっているので……。
でも、こう言っちゃなんですけど、世界にとってみれば、日本のひとつやふたつ死んでもどうってことないんですよ。だからそれはちゃんと心得ておかなければいけないんです。
山路:
うーん。それはまた……。当面日本人は困りそうじゃないですか、日本滅びたら。
小飼:
うん。でもそれで困るのは、ほとんど日本の人くらいってことでしょ。
山路:
「アメリカが風邪引きそうだけどな」みたいなコメントが……。
小飼:
風邪引くかなあ。
山路:
そのうち子どもが貴重な労働力になったり、なんかあるかもしれないですけどねえ。ギリシャはまだあるんだよね。
小飼:
ギリシャもありますけど、もう少し真面目な話、日本国の人口がゼロになるっていうのはそう簡単にはないと思います。が、かつて世界をブイブイ言わせていたポルトガルがいまどうなっているか? あるいはスペインがどうなっているか? あるいはイタリアがどうなっているのか? って考えれば、その程度に落ち着くというのは十分有り得る。
山路:
つまり、なんとなく料理は美味しくて観光には向いているけれども、世界トップクラスの国ではないみたいな。
小飼:
そうそう。なくなるという。
山路:
そこが落ち着きどころだと弾さん的には思ってたりします?
小飼:
まあ、この調子でいくと遠からずというのか。
山路:
ちなみに何年後くらいだと思います?
小飼:
もうすでに人口は減り始めていて、これからガンガン減っていくので、2050年ごろにはそんな感じになるんじゃないですか?
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