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そういう事だったのね! 同人誌の即売会で「販売」じゃなくて「頒布」が使われるようになった理由

証券版『もしドラ』の本格的な作品『サクラ姫ネリマ証券 vol.1』

ピクピクン☆:
 他の本も紹介いただきましょう。二冊目はこちら。

ピクピクン☆:
 『サクラ姫ネリマ証券 vol.1』。サークル名SIESTA、スダさんという方が制作いたしました。これはどんな本なんですか。

金田:
 中身はとても……。

サトウキビ:
 漫画だ!

ピクピクン☆:
 画力がすごい。

金田:
 ただ、これは何をネタにしてるかって言うと、金融商品の基礎知識。

ピクピクン☆:
 証券だもんね。

金田:
 スダさんは専門家というわけでは別にないんですけれども、非常に詳しく描いてあって。

ピクピクン☆:
 このキャラクターはオリジナル?

金田:
 オリジナルです。

ピクピクン☆:
 完全にオリジナルの本で、いわゆる自費出版ですね。

金田:
 中に出てくる金融商品はそのものですが、いろいろな会社の名前とかは全部創作になっていて、安心して読めます。

ピクピクン☆:
 俺の中では証券もの、トレードものを同人誌にするんだったら、「円総受け」とか、「ユーロ×ウォン」とか。擬人化してとかじゃなくて、ちゃんとオリジナルのキャラクターを作って、ちゃんと証券のノウハウを説明している。画力すごいよ。プロ?

金田:
 違います。

ピクピクン☆:
 証券マンかな?

金田:
 違います。

タイチョー:
 視聴者の方でもこの本を持っているというコメントが。

ピクピクン☆:
 こんなのアリ? 「円が安くなってドルがどんどん私の中に流れ込んでくる!」みたいなのじゃないんだ(笑)。

サトウキビ:
 先生の心が腐っていらっしゃる。

タイチョー:
 漫画で教えてくれるのっていいですね。

金田:
 ハードルの高いネタなんですけれどね。

タイチョー:
 証券とか、僕は全然わからないですけど、漫画にしてもらうだけで入りやすいというか。

ピクピクン☆:
 そうですよね。なんかこういう商用もありましたね。野球部のマネージャーがあれをやってみたみたいな本、流行りませんでした?

金田:
 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』ですね。

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
(画像はAmazonより)

ピクピクン☆:
 そうそう。それの証券版という感じですね。

レトロな雰囲気で予約制の本屋を描いた『FULL本屋』

ピクピクン☆:
 三冊目よろしいですか。


ピクピクン☆:
 タイトルが『FULL本屋』。サークル名が俺たちの切り札。作者が赤目キクヤさんが制作しました。

金田:
 これは今回是非ご紹介したいと思ったんですけど、古本屋さんのお話。紹介記事なのですが、古本屋さんがすごく変わっていて、予約制の本屋さんなんですよ。よくわからない本屋さんで、普通に店を構えてるわけじゃなくて、その店に行きたければ予約を取って行くんですね。

サトウキビ:
 コメントで流れていたのですが、水木しげる作品みたいな……。

金田:
 それは……。似ているなっていう……(笑)。

ピクピクン☆:
 でもちょっとこの表紙を見て。これだけの画力がある方なのに、あえてこの画風にしている理由がわかった。

 水木さんといえば、あの当時って、あの本って貸本が流行った時代ですよね。本は買うものじゃなくて、借りるものだったんですよ。ということを考えて、わざとこの画風にしているんじゃないですか。たぶん元々の画風は違うでしょう。

金田:
 そうかもしれないですね。お店があるのが、確か香川県なんですよね。一見、都内にありそうな感じなのですが、地方にあって、本屋さんが大変な時代なので「頑張って生き残らないといけないな」といろいろな本屋さんが言っているのですが、まさか予約制とかって……すごいですよね。

金田:
 雰囲気もちょっとレトロな感じにしてるんですけど。

タイチョー:
 この不思議な空間を描写してもらえるのはいいですね。正直、今まで紹介してもらった本が、全然僕の知らないジャンルのやつばかりなのですごく面白いです。

同人誌作成初心者のためのハウツー本『労働者のための同人誌入門 vol.3』

ピクピクン☆:
 では四冊目、いきましょうか。

ピクピクン☆:
 『労働者のための同人誌入門 vol.3』。サークル名はpoloccoさん、作者は川崎昌平さんが制作しました。

金田:
 絵がちょっとかわいいと言うか、ところが結構内容はヘビー。「はじめに」って最初に描いてあるのが、「本誌はあなたに負け方を提案する」っていうことで、同人誌を作る話なんですね。本当にもう入門書として読んでいいんですけど。

ピクピクン☆:
 同人誌のノウハウか。

金田:
 本を売ってとか、そういうことについて全部書いてある本。

ピクピクン☆:
 実録本。

金田:
 「めちゃくちゃ売れました!」っていう話じゃなくて、結構負けている部分があるんですよ。

サトウキビ:
 負けているって、売上が負けるということですか?

金田:
 そうですね。そんなに売れなかった、みたいな。

ピクピクン☆:
 やっぱり同人誌の世界って、売れる、売れないにシフトしているんだ。本来は売れ行きとかは関係ないけれども、そうは言っても今回のテーマでもありますけれども、同人誌は儲かるのか。売上がないとそもそも成立しないですからね。

 それで僕が行っていた宇都宮のマロニエプラザでいつもやってるやつは潰れちゃったからね。あまりにも売れなさすぎちゃって。

金田:
 面白いのは負けることも描いてあるんですけど、こういうふうにも描いてあって、「よく練り上げられた敗北は意味があるんだ」っていうことを言っていて、売れないからダメって誰が決めたんですかってことですよね。

ピクピクン☆:
 すごく興味あるな。作家の自伝ですよ。面白いね。

タイチョー:
 こういう深いところを見られるというのは、同人誌の醍醐味でしょうね。

タイチョー:
 絵がかわいい。

ピクピクン☆:
 読みやすそう。きょうこれを見て同人誌をやろうかなと思っている人とか、同人誌はどうやって作るんだろうと思っている方がたくさん見ていると思うんですけども、そういう方に向けてもいいですね。

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