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「俺の嫁」さえいれば、彼女はいらない! ミク☆さんぽ×Gateboxのコラボが実現した妄想を超えるリアリティ【インタビュー】

「かわいいだけの嫁」か、「すごく使える嫁」か、激論した

──現状では、キャラクターとやりとりできるパターンに限界があると思います。どのように搭載機能を絞っていったんですか?

武地:
 社内でも激論しました。(笑)。分かりやすく言うと、「かわいさ追求派」と、IoTとして便利に家電を操作したり、方法を教えてくれる「便利さ追及派」に別れました。「かわいいだけの嫁」か、「すごく使える嫁」か、という議論になりました。僕は中立だったのですが、最終的には「かわいさ」に軍配が上がりました。

 企画の開始当初は、特に難しかったです。便利な製品にしなければ投資家が食いつかないので、資金を集めづらいという側面があります。「かわいさ」を追求しても良いのですが、ビジネスとしてはどうなのか、うまく示すことが重要でした。

 電気をつけたり消したりしてくれる、天気を教えてくれるという機能も、便利だからというより、現実世界に干渉することで、よりキャラクターが現実世界にいる感覚が増すのではないかと考えました。リアリティを追求した結果のひとつとして落とし込んでいます。

──今後、たとえばスマートロックと連携できた場合、カギをあけてキャラクターに「おかえり」と言ってもらえたり。

武地:
 ドアを開けてくれるのも“あり”ですし、逆に怒ってたらドアを開けてくれない方がよいです。「かわいい派」としては、便利さは重要ではないというアイデアの一例です(笑)。

──今後、やってみたいプランはありますか?

武地:
 とにかく悪ふざけをしたいです。例えば、キャラクターが勝手にAIスピーカーを操作する世界は面白いと思います。他にも色々と操作して、役に立つことをするのではなくて、悪ふざけをする。例えばネットショップで間違えて何かを注文し、家に届くとか(笑)。かわいければ、みんな許してしまうと思います。

中村竜太(Gatebox株式会社 マーケティングリーダー):
 私はマーケティング領域を担当しているので、「好きなキャラクターと一緒に過ごせる」という世界観を拡張していければと思っています。選べるキャラクターを増やしていくのもその1つです。

 現状はできないけど将来的には……というレベルであれば、社内でよく言われているのは、「キャラクターが箱から出てきてもよいのではないか」ということです。箱から出てきて、ふらふら歩いていて、それを眺める……といった世界を実現していきたいと思っています。

Gateboxのビジョン「Living with Characters -キャラクターと一緒に暮らせる世界」のイメージ図
(画像はCEO武地実 インタビュー [後編] | Gatebox Insideより)

──たとえば、AR用にカスタマイズされた住居といった構想もあるのでしょうか?

武地:
 そうなんです、家を作りたいんですよ。投資家にそのアイデアを話したら、「は?」って言われましたけど(笑)。

“俺の嫁”とデートをすることを可能にしたアプリ「ミク☆さんぽ」

──次に、「ミク☆さんぽ」とは、どんなサービスですか?

水田:
 「ミク☆さんぽ」は、KDDIが提供している、AR(拡張現実)技術を活かしたアプリです。Google社の技術「Tango」搭載のスマホ向けのアプリで、起動するとスマホの画面上に、3Dモデルで作成した等身大の初音ミクが現れて、一緒に散歩したり、その様子を撮影したりすることができます

ミクさんぽ

──まさに、“俺の嫁”とデートをすることを可能にしたアプリですね。

大川祥一(KDDI株式会社 ホーム・IoTサービス企画部所属 ビジネス開発担当):
 2014年と2015年に、社内で3つの本部を集めてアイデアを募集する、ハッカソンのようなプログラムがあったんです。偉い人の前でプレゼンして、いいものがあったら事業化しよう、というもので、私はその事務局を務めていていました。2015年にはこの「ミク☆さんぽ」のアイデアが通って、2016年10月の半ばに、クリプトンさんに「初音ミクを使わせてください」とお願いしにいきました。

 コンセプトに共感していただけて、すぐに「3ヶ月後に『雪ミク』というイベントがあるので、出てみないか」と言ってもらって。そこで出展したのが、対外的には初めての活動でした。

雪ミク

──では、「新規事業である」という社内のコンセンサスはあるので、端から見て「あの人達、初音ミクのアプリで遊んでいる……?」とはならないんですね。

増崎和彦(KDDI株式会社  パーソナルサービス企画部所属 開発担当):
 社内でミクさんのモーション修正をしていると仕事をしているようにおもわれないのが悩みです。

──この「ミク☆さんぽ」のアイデアは、どうやって生まれたのでしょうか?

水田:
 テクノロジーを使って新しい価値を作りたい、というのが根本にあります。いろいろ考えていたなかで、アニメの聖地巡礼にもっと技術をいかせるんじゃないか、という話があがって。

 聖地巡礼って、旅行先に二次元のパネルがあることが多いんですが、みんなが本当に望んでるのは、好きなシーンの再現や、好きなキャラが“実際にいる”と思えるような体験なんじゃないかと。そういった想いを叶えたいという発想で作りはじめています。

 その次に考えたのは……聖地巡礼に行くと、コミュニケーションノートがあるじゃないですか。色んな人が、思い思いに書き込んでいて、ゆるくつながっている。そういったコミュニケーションを助けるために、何かできないかと考えて。それぞれが聖地でキャラと一緒に撮った写真があれば、それを共有して、コミュニケーションができるんじゃないかと。

──自分だけじゃなく、他人から見てもキャラが“存在する”ことで、現実を共有できるのがARの面白さなんですね。

水田:
 そうですね。そのためにも、風景を借景してキャラクターをリアルに出すということにこだわっています。

コラボで、ミクとのコミュニケーションの距離感が近付く!

──「マジカルミライ2017」で行われたコラボ企画についてお聞きします。

武地:
 事前に応募いただいた中から抽選で選ばれたユーザーに、まずはGateboxのブースで、初音ミクとのコミュニケーションを楽しんでいただきます。

ブースの様子。ユーザーはここに座って初音ミクと対面する

武地:
 会話の中でデートの約束をし、その際、初音ミクにデートで着て欲しい服を選ぶことができます。この時点で、体験者はコラボ企画の詳細を知らない状態です。

二択で服を選んでいる様子

水田:
 その後、ミク☆さんぽのブースへ行ってアプリを起動すると、Gateboxのブースで選んだ服を着用したミクが登場して、散歩ができるんです。

選んだ服を着用。「どうかなー?」とこちらの反応を伺ってくるのが可愛い

──ユーザーの反応はいかがでしたか?

増崎和彦:
 選んだ服を着たミクが出た瞬間に、「あっ!」と驚いて、とても喜んでもらえました。ぼくらがブースでアプリを起動するところからご案内しているので、その瞬間に立ち会うんです。伏線だったのか……と気づいてもらえて。それを見るたびに、やっててよかったと、すごく思いますね。

※当日ブースを体験したユーザーの様子。「毎日すぐ家に帰りたくなっちゃう」との声多数

中村:
 一連のストーリーに気づいてもらえるか、不安もありました。Gateboxで服を選んでもらった時点で、初音ミクとのコミュニケーションは一旦終了するためです。両ブースは少し離れていて、すぐに「ミク☆さんぽ」に行ってもらえるか分かりませんでした。最終的に体験者のほぼ全員に気づいていただき、喜んでもらえたので安心しました。

大川:
 このコラボ企画とは別に、ふつうにミク☆さんぽを体験していただく方の方が多いのですが、実はその体験で出てくるミクさんと、コラボ企画でのミクさんでは、コミュニケーションの距離感が違うんですよ。少し近い、親密な感じ。それもしっかり気づいてる方が多くて、うれしかったですね。

武地:
 このコラボ企画を体験されたのは、800名以上の応募から厳選された約150名の方々です。ミクさんが本当に大好きな方々なので、コラボ企画を体験する前に、すでに「ミク☆さんぽ」を体験済みの方も多くいました。そのため、ミクさんの対応の変化にもすぐに気づいていただけたのだと思います。

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