羽生善治永世七冠、対局中に手が震えるのは勝ち筋が見えたときだけではなかった!? 羽生マジックについても言及
手が震えるのは勝ち筋が見えたときだけではなかった
——勝ちが見えると手が震えることについて
羽生永世七冠:
手が触れるときは二つのケースがあって、無我夢中でやっていて結果が見えた、勝ち筋がはっきり見えて勝負がついたというふうに感じたときに我に返って、そこで手が震えるっていうことがあります。
もうひとつのときは時間に追われていて、残り1分とかで1分以内で一手指さなきゃいけないというような状況において何を指せばいいかわからないときに迷うっていうときに震えるっていうケースもあります。
こないだの竜王戦の対局に関しては前者(勝ち筋がはっきり見えた)の方です。終局の15 手ぐらい前のところでなんとなく最後までの道筋は見えていたので、そこで我に返ったというところです。
——後輩の育成について
羽生永世七冠:
もうすでに育成しなくても非常に強い人たちがどんどん出てきてるというのが実情なんじゃないかなというふうには思っています(笑)。 そういう機会というかチャンスがあればそういうこともやってみたいなと思っています。
藤井聡太四段がどう成長するか関心がある
——藤井聡太四段にメッセージをかけるとしたら
羽生永世七冠:
実はすごくよく聞かれる質問なんですけれども、彼はもちろん将棋の内容とか中身も素晴らしいんですが、様々な対応力というか受け答えで私が知らないような表現をよく使われるぐらいなんで、アドバイスと言われても本当に何もないというのが実情なんですね。
ただ中学生で棋士になって連勝記録を塗り替えたということだけでも大変なことなんですけど、棋士になる基準っていうのは時代によって少しずつ変わっていて、今は過去の中でも一番厳しい時代、棋士になるのが難しい時代なんです。
そのときに最年少の記録を塗り替えたっていうところに大きな価値があるんではないかなっていうふうには思っていますし、まさにこれからの成長期というかまた伸びていく時期だと思うので、どういうふうに成長していくのか、実際に対戦することもあるかもしれませんし、非常に関心を持っています。
——藤井聡太四段との対局は楽しみか
羽生永世七冠:
そうですね。どう言えばいいんでしょうかね。世代が違うと言葉を話しているのと同じように意味は分かるんだけれどもニュアンスとか使い方が違うっていうようなことがあるのと同じように、将棋のルールは同じなんだけど自分の目から見るとちょっと意外な手を指されるとかそういうことがあるので、対戦するのを楽しみにしています。
■関連記事
・羽生善治が竜王を奪取し、前人未到の“永世七冠”達成。永世称号者一覧&佐藤会長ら関係者からのコメント紹介
・将棋普及のために尽力する羽生善治棋聖のエピソード「タイトル戦の合間に、予定をやり繰りしてイベントに来てくれることがよくある」
・「羽生さんは藤井聡太さんのことをどう思ってますか?」子供からの質問に羽生三冠「強いんだな、これが(笑)」