話題の記事

“トランプ親中アピール”の理由を百田尚樹・有本香が解説「北朝鮮での作戦行動の際、中国軍を出さないでくれというシグナルなんですよ」

 金正恩体制に移行した後も、北朝鮮による度重なるミサイル発射実験が続けられています。国際社会への影響を鑑みて、北朝鮮に対し国連安保理の制裁決議が採択され、強い圧力がかけられているものの外交姿勢が大きく変わる様子はありません。

 「百田尚樹チャンネル」では、百田尚樹氏とジャーナリストの有本香氏が、アメリカと北朝鮮の動向や、北朝鮮が核保有国になる危険性について解説し、「北朝鮮は疑心暗鬼になって、トランプ大統領が本当に戦争をやるかもしれないと思ってる」とコメントしました。

-関連記事-

「米中の接近は日本にとって極めて良くないシナリオ」――トランプ氏はなぜ親中に? 中国側の外交を自民党議員が解説

-人気記事-

【NHK】受信料の支払いが強制なら“B-CASカード”無しでも見れるようにしないと「契約不履行」になるのでは? 小飼弾氏が言及


米軍は朝鮮半島での作戦をシミュレーションしている

左から百田尚樹氏、有本香氏。

百田:
 北朝鮮の話題なんですが、今回トランプ大統領が日本を訪問して、韓国、中国とアジアを回りましたよね。僕は、トランプ大統領のアジア歴訪が終わったあとになにかあるんじゃないかと思ってるんです。

 今までの状況ってチキンレースみたいなもので、北朝鮮の車が走っていて、そこにアメリカの車が走ってくる。そのまま両者が走ると衝突してしまう。つまり戦争ですよね。

 アメリカの車はめちゃくちゃ強いので、ぶつかった時に吹っ飛ぶのは北朝鮮ですよね。けれども、アメリカも北朝鮮をやっつけると国際的にまずいわけです。まず中国が怒りますから。20年間、核開発とミサイル開発で突っ走ってきた北朝鮮を、日本も韓国も含めてアメリカも避けつづけてきたわけです。

 ところが、相変わらず突っ走ってる北朝鮮の前に、今までの政権とまったく違うトランプ大統領が出てきた。これが果たしてオバマ元大統領みたいに避けるかどうかってとこなんですよね。

有本:
 アメリカ軍の高官もいろんな発言を始めていますから、たぶん軍が有効な作戦をシビアにシミュレーションしているんだと思いますね。まず大前提として、アメリカは朝鮮半島で戦争は全然したくないのです。

 朝鮮半島に混乱を生み出しても厄介なだけで旨味はないし、在韓米軍も中国、ロシアと対峙したくない。あそこで戦争はやりたくないっていうのがアメリカの本音です。

百田:
 今までのアメリカの政権はそれで北朝鮮のいうことを認めてきたわけですよね。今回もアメリカが譲歩して北朝鮮の核開発とミサイル開発を許してしまうかどうかですよね。

有本:
 今回が違うのは、アメリカが射程に入るミサイルが出てきたので、それは流石に黙っていられないという話です。9月に国連安保理での制裁決議が決まって、効果が見えてくるのが12月ぐらいといわれています。

 今年の暮れから北朝鮮は困窮してきますから、正面衝突は避けたいが限定的な作戦を実行するタイミングがあるかどうかってところですね。

 同時に日本は、トマホーク巡航ミサイルの配備を検討すると発表しています。検討というアナウンスですが、来年の予算に組み込むといっています。トマホークをいれるということは従来の迎撃システムではなく、敵基地攻撃するという前提でしょうね。法律上の体制も整えていく方向になると思います。

百田:
 憲法改正も含めてですね。

有本:
 こうした対策を日本がとるということは、北朝鮮に対して圧力になりますよね。こうやって軍事的カードを切っていくことと同時に、日本国内の北朝鮮関連の団体への制裁も順番に強化していくことが有効でしょう。

 国内でも、35の個人と団体に圧力をかけましたね。ただ肝心の朝鮮総連にまだ圧力をかける余地がある。安倍さんが温存している朝鮮総連カードをどこで切るか注目点でもありますね。

北朝鮮が核保有国になる恐ろしさ

百田:
 北朝鮮が、制裁の効力が効いてくる12月にどう出るかなんですが、これまでを見ていると北朝鮮が譲歩することってないと思うんですね。

有本:
 ないでしょうね。譲歩したように見せかけることはあってもね。

百田:
 「もう核開発をやりません」っていっても、信用出来ませんからダメですよね。話題に出たように、北朝鮮がアメリカを射程にいれるミサイルが出来るのはあと数ヶ月っていわれていますが、あと10年かかるという説もあります。

 それを別にしても、このまま容認を続けると北朝鮮は核保有国になりますよね。これはやばいですよね。北朝鮮の核を欲しがる国も出てきますから。ISみたいなテロリストが、北朝鮮の核を買うっていうことがあるんですよね。

有本:
 北朝鮮が核保有国になることの恐ろしさってまさにそこなんですよね。

 NPT、核拡散防止条約体制で、常任理事国だけが核を保有していいことになっていますが、現実には技術のレベル差はあっても、インド、パキスタンも核を持っている。イスラエルとイランもひょっとしたら持っているかもしれない。

 サウジアラビアも持つんじゃないかという話があります。ですが、インド、パキスタンは中国と三つ巴状態なので、実際に使う危険性はほぼない。一番怖いのは、北朝鮮みたいな国が核を持つことなんです。

百田:
 独裁で、ならず者の無法国家が、核を持ったら制御がききませんよね。

有本:
 中国も独裁で無法国家なんですが、それでも内容が違いますよね。中国は一応、集団指導体制にありますので、簡単に核を乱用することはないと思われる。でも北朝鮮は金正恩ひとりですから。

 特に彼は、武器のビジネスをするため世界中にミサイル実験や核実験をやって見せているわけです。アフリカの貧しい国々が北朝鮮から武器兵器を買っています。

 その代金を決済している中国の銀行に、今回アメリカが手をつけました。ですから、かなり本質には迫っているんですけど、ギリギリまで日米は軍事アクション以外のところで北朝鮮を追い詰めていこうと考えているはずです。

「政治」の最新記事

新着ニュース一覧

アクセスランキング