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大統領補佐官がトランプ氏に進言する「斬首作戦」とは。来日したトランプ大統領を取り巻く北朝鮮情勢を自民党幹部らが解説

 トランプ大統領の来日を受けて、『山本一太の直滑降ストリーム』では、自民党参議院議員の山本一太氏と、コメンテーターの長尾俊介氏がトランプ政権に言及しました。

 “ロシアゲート事件”から“北朝鮮問題”などのトランプ政権を取り巻く現状についての解説を行う中で、トランプ大統領の補佐官が大統領に進言したという北朝鮮に対する「斬首作戦」について言及しました。

トランプ大統領

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アメリカにおけるトランプ支持率の変化

左から山本一太氏、長尾俊介氏。

長尾:
 トランプ陣営にいた人たちが、司法長官に呼び出しを受けたり、起訴されたりしています。

山本:
 例の“ロシアゲート事件”【※】を、本格的にモラー特別検察官ががんばっていて、当時のトランプ政権の外交アドバイザーとかそういう人たちを呼んでいて、あるいは何人か起訴した人もいますよね。

※ロシアゲート事件
ロシア政府がトランプ大統領と共謀していたという一連の疑惑のこと。

長尾:
 選挙戦略アドバイザーをやっていた2人などですね。それが今のところ起訴されています。

山本:
 そうするとこの“ロシアゲート事件”は深刻になってきましたね。

長尾:
 そうですね。今コメントにもありましたが、ヒラリーの新事実も出ていて、この状況はかなり変わっていますね。

山本:
 ヒラリーの方がやばいというのは、実はそうかもしれないですね。

長尾:
 トランプ大統領の文書みたいなものを作ったコンサルティングがいますが、最初にそこへお金を払っていたのが、どうやらヒラリー陣営だったといわれています。これも間を置いてもう少し事実関係が分かった時点で特集できればいいなと。

山本:
 トランプ大統領がフェイクニュースだと言っていますね。

長尾:
 一生懸命言っていますね。久しぶりなので、トランプ大統領の支持率の状況を見ていきたいと思います。

山本:
 結構、苦労しているみたいですね。

長尾:
 組閣後、この2017年の1月でかなり縮まりましたがご覧の通り拡大していきました。

長尾:
 就任する前はかなり離れていたのが、ここでかなり近くなっています。しかし、また拡大していますよね。

 この拡大をRealClearPoliticsが取った分析結果だと、いくつかの支持率を平均していますが、そこまで如実には見られていなかった。ですが、今は統計によっては支持率と不支持率の差が最大に見える場合もあるので、かなり苦境に立たされています。

山本:
 ワニの口のように広がってきましたね。

長尾:
 この状況で彼は日本へ来る訳です。

対北朝鮮政策の選択肢

長尾:
 トランプ大統領が日本に来た時にホットトピックのひとつになるのが、北朝鮮情勢ですね。

山本:
 これは皆さん大事なところですよ。

長尾:
 トランプ大統領を取り巻く現在の北朝鮮状況ですね。このスライドを作りましたが、彼の周りでも色々なアドバイスを出している人たちがいて、必ずしも一枚岩ではないですね。

長尾:
 この左側から見ていただきたいですが、CIAの長官のポンペオとマクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官。

山本:
 戦車部隊の英雄ですね。

長尾:
 顔もおっかないですが、そのおっかない顔に負けず劣らずかなり強硬なことを言っています。この人たちは、北朝鮮の核武装化は容認しない立場ですね。

 容認しないどころか通称“Decapitation strategy”と呼んでいて、一国の長をそのまま断首するという作戦を推奨しています。要するに金正恩や労働党などのトップを全部先制攻撃によって……。

山本:
 斬首作戦というやつですね。

長尾:
 それを進言しています。一方で右側の人たち。マティス国防長官とティラーソン国務長官。この人たちが何と言っているかといいますと、対話を推奨しています。あらゆるオプションを含めて交渉を進めるべきだといっています。

 そのオプションの中にはイスラエルやパキスタンのように、北朝鮮が核武装化するのを容認してもいいのではないかと。ですが、直近にマティス国防長官が韓国で外相と話をした時は、さすがに核武装化を容認するのは今の状況としては良くないのではと多少は論調を変えています。

 ただ、先ほどのマクマスターやポンペオよりも対話重視のアドバイスをしていますね。また、覚えていらっしゃる方もいると思いますが、ティラーソンはトランプ大統領を「バカ呼ばわりした、してない」というようなニュースも出ています。

山本:
 トランプ大統領が知能指数はどっちが高いかは明白、みたいなことですね。

長尾:
 そうです。

山本:
 今でもティラーソン更迭説が消えないですからね。

長尾:
 なので、ここは必ずしも関係は良好ではないということを含めておかないといけない。それを含めてトランプ大統領の北朝鮮に対する選択肢が三つあるといわれています。

 1つ目ではその先ほどの北朝鮮の軍事力無力化ですね。2つ目は比較的対話路線の人たちがいう核武装化の容認。3つ目が交渉での譲歩ですが、例えば北朝鮮に対する制裁なども緩めていくみたいなズルズルの方向を容認してしまうことになるかもしれない。

 これはあんまり現実的ではないですが、極めてオプションが少ないですね。

山本:
 核武装化の容認はしないと思います。色々な筋から話を聞いてみるとどう考えても、トランプ大統領は北朝鮮というか朝鮮半島の非核化という目標を取り下げそうもない。皆さんもご存知の通りですが、トランプ政権は水面下で交渉しています。

長尾:
 そうですね。

山本:
 交渉での譲歩はしないでしょう。だってオバマ政権と同じになっちゃうから。

長尾:
 そうですね。そこを前政権と対立というか違いを明確にしたいので、おっしゃる通り3番目のオプションはおそらく取らないと思います。

山本:
 こないだもせっかくオバマ大統領がキューバと国交を回復するとかいって、それでキューバの決議にいつも反対していたのに棄権したでしょ。そうしたらまたトランプ大統領政権が反対に回ったじゃない。

 とにかくオバマ政権でやったことは全部ひっくり返そうとしているから、かなり軍事的な選択肢の可能性はあるってことですよね。高いか分からないけど、どう考えても色々な筋から聞くとね、ここだけはどうも譲らない。

 核武装化ということになるとトランプ政権の中では米朝電撃首脳会談の会議みたいなことを提言している人がいますが、トランプ大統領が受けていないと……。

長尾:
 そうですね。

山本:
 3つしかないというのも怖いですね。2はないからね。これも日本にとっては最悪ですよ。核武装化の容認って。

長尾:
 そうですね。特に周辺にとってパワーバランスが変わってしまうので。しかも規定のシナリオなので、このまま実験を続けていけば、ICBMに核を載せるぐらいの技術力に早期に到達すると思います。

 それも当然ながら起こってほしくない状態ですが、若干手詰まり感がある感じですね。

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