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HKT48竹本くるみ ボカロをきっかけにファンと交流。「アイ情劣等生」や「恋愛裁判」など、“推しメン”曲も交えたボカロ曲10選

 昔に比べ大衆的に、かつ広い人気を獲得するようになったVOCALOID楽曲。今やメジャーシーンにも広がるボカロ曲だが、そのファンは著名人にも多い。

 ボーカロイド好きの著名人に楽曲プレイリストを作成してもらい、それを元にインタビューを行う本企画。今回はアイドルグループ・HKT48から竹本くるみさんが登場。数々のボカロ曲から厳選した10曲を収録したプレイリストを軸に、これまでのご自身とボカロとの歩みや、ニコニコ動画・ボカロの世界に留まらないアニメ・マンガ等のカルチャーのお話、そしてアイドルとしてのご自身のお話など、様々な角度からボカロに関するエピソードをたっぷりと語ってもらった。


ボカロ曲の入口は“踊ってみた”から

──竹本さんは現在19歳ということですが、VOCALOIDの存在を知ったのは何歳の頃なのでしょう。

竹本:
 中学1年生の頃です。元々私の従姉のお姉さんがニコニコ動画や“踊ってみた”が好きで、当時私もダンスが好きだったので「一緒にやろうよ!」と声をかけてくれて。それをきっかけにVOCALOIDを知って、いろんな曲を聴くようになったんです。

──具体的な楽曲はどんな曲が入口だったんですか。

竹本:
 「白い雪のプリンセスは」です。踊り手のりりりさんとめろちんさんの“踊ってみた動画”が曲を知るきっかけでした。ダンスだけでなく振付の中に楽曲の内容に沿った演技が入っていたり、表情の表現力なんかもすごいなと思って、“踊ってみた”がより好きになった1曲でもあります。

──その後、さらにボカロをより深く聴くようになったのはどんな曲の影響なのでしょう。

竹本:
 やっぱり大きなきっかけになったのはカゲプロシリーズです。中でも特に「ヘッドフォンアクター」が好きでずっとヘビロテして聴いていました。中学の頃は学校でもカゲプロのマンガがすごく流行っていて、みんなで回し読みしたりもしてたんです。当時私は吹奏楽部だったんですが、同じ部活にボカロを聴いている友達も多くて、皆で超会議に遊びに行ったりもしていました。その際りりりさんと足太ぺんたさんの振付講座みたいなコーナーに参加したんですが、それがとてもわかりやすくて。踊るの楽しい!ってなったことを、今でもよく覚えています。

──竹本さんにとって、ボカロやニコニコ動画の思い出と“踊ってみた”は非常に密接に繋がっているんですね。ちなみにお好きなボカロPさんなどはいらっしゃいますか?

竹本:
 40mPさんやかいりきベアさんです。40mPさんの楽曲は歌詞に物語性があるというか、初音ミクちゃんが話してくれているようなストーリーがあるところだったり、ピアノが印象的で軽やかな曲調が特に好きなポイントです。逆にかいりきベアさんは中毒性のある曲というか、人間味のない雰囲気…何も考えずに聴けるというか。そういうところが好きでよく聴いています。

曲だけに留まらない!推し×ボカロ曲の魅力

──お二人の楽曲は今回の中にもそれぞれ入っていますね。

竹本:
 今回の10曲、選ぶのもすごく大変でした…!普段動画サイトに“踊ってみた”と“VOCALOID”のフォルダを作っていて、そこに好きな動画や曲を入れているんですけど、10曲はその中から選んだ形です。“踊ってみた”のフォルダは180曲ぐらい、“VOCALOID”のフォルダには300曲以上入ってるので…(笑)

──そんなにたくさん!それは確かにものすごく悩んだことと思います(笑)そうしましたらせっかくなので、先ほどお話に上がったお二人の曲について聞かせて頂きましょうか。まず40mPさんの楽曲は、今回「悪役にキスシーンを」と「恋愛裁判」をチョイスされていますね。

竹本:
 40mPさんの曲はとにかくイントロが大好きなんです。どちらの曲も軽やかなピアノやギターのフレーズが印象的ですし、両方ともMVが可愛いところにも惹かれました。「恋愛裁判」のミクちゃんの裁判官の衣装もすっごくかわいいですし、いろんな表情でミクちゃんが歌ってるところも見どころだと思ってます。どちらも恋愛の曲で、私自身はまだ恋愛経験が全然ないんですけど、ポップで落ち着いた曲調に単純に元気をもらえるというか。学生時代に少し落ち込む事があった時は、帰り道でずっとこの2曲を聴いていました。

──一方かいりきベアさんの楽曲は「アイ情劣等生」「レミングミング」を選ばれています。この2曲の好きなポイントはどんなところですか?

竹本:
 「レミングミング」は初めて聴いた時、ホラーチックな音に思わずイヤホンを外しちゃうくらい怖くなったんです。けど、何度も聴いている今ではそれが逆にクセになっています。楽曲をきっかけにタイアップ作品のマンガ「はずれたみんなの頭のネジ」も読んだんですが、マンガを読んでから曲を聴くと歌詞の中にもたくさんの伏線があることに気づけて、それもすごく面白いなーって思いました。

──「はずれたみんなの頭のネジ」は絵のタッチこそあまりハードではないですが、ややグロ要素もありますよね。竹本さんの読むマンガとしては少し意外でした。

竹本:
 「アイ情劣等生」の方は、アプリゲーム「コンパス」が入口でした。元々リリカちゃんが推しでよく使っているキャラだったんですけど、彼女の相方になるルルカちゃんが登場した時、テーマソングになったこの曲を聴いて彼女のリリカちゃんへの愛にものすごい衝撃を受けたんです。ルルカちゃんは普段リリカちゃんへの愛を見せないように隠してるんですが、その隠されてた彼女の愛の重さに「怖…!」ってなっちゃって。でもそれがクセになって、気づけば楽曲にもハマってしまってずっとリピートしてます。

──楽曲によって推しキャラに関わる新たな大きな要素が見えると、その曲も大好きになっちゃいますよね。とてもよくわかります。

竹本:
 実は今回のリストには、この曲以外にも私の推しの曲があって。それが10曲の中でも一番好きな「携帯恋話」なんです。

──まふまふさんがプロセカに提供された楽曲ですね。

竹本:
 私のプロセカの推しメンが「25時、ナイトコードで。」の瑞希ちゃんなんですけど、瑞希ちゃんとえななんのペアはみんな大好きじゃないですか(笑)推しメン二人の関係性が見えるところもそうですし、自分に刺さるところがあるのも含めて、この曲は本当に大好きな1曲です。

──自分に刺さる、というのはどういったところが?

竹本:
 「ねえ愛すなら愛して 厭ならば嫌って」っていう所みたいな、畳みかけるような勢いのある歌詞が好きで。気持ちが伝わるというか。サウンドも大人っぽくてお洒落なピアノのフレーズが聴いていて気持ちいいので、帰り道によく聴いたりもしています。

──先ほどお話があった、かいりきベアさんや40mPさんの楽曲にも通ずる特徴ですね。今回の10選も「リズムに乗ってしまう曲」というテーマでしたし、聴いていて気分が上がるサウンドが印象的なボカロ曲がお好きなんでしょうか。

竹本:
 そうですね。疾走感があったり、跳ねてて軽やかだったり…。でも歌詞の内容は明るすぎず暗すぎず、ちょうどいいところの楽曲が好きなのかもしれないです。

ボカロはファンとの繋がりのひとつにも

──今でも“踊ってみた”からボカロ曲を知ることが多いんですか?

竹本:
 そうですね。最近はVTuberさんも好きなので、皆さんの歌ってみた動画がきっかけのことも多いです。あとはやっぱり、プロセカやコンパスなどのゲームもあります。さっきの「携帯恋話」や、同じプロセカだと「Color of Drops」も今回のリストには入れてないんですが、落ち込んだ時にはぜひ聴いて欲しいボカロ曲のひとつです。

──こちらも40mPさんの曲ですね。楽曲のどういったところがおすすめなんでしょう。

竹本:
 この曲を最初に聴いた時、私号泣しちゃって…。「何千回 私が生まれ変わったとしても きっともう二度と私にはなれやしないから」っていう歌詞にすごく感動したんです。「不器用でも失敗しても自分は自分だから自分を責めないでね」っていう曲のメッセージや、最後のサビの前にバイオリンが曲を盛り上げていくフレーズも涙を誘うというか、気持ちがうわーってなりますね。ボカロをあまり聴いたことがない人にも落ち込んだ時に聴いて欲しいな、って思う曲です。

──この曲はプロセカ内の「MORE MORE JUMP!」というアイドルユニットの楽曲でもありますね。竹本さんにとって、同じアイドルだからこそ響く所もあったのではないでしょうか。

竹本:
 そうだと思います。私もアイドルとしてステージに立つ中で落ち込んだりした時に、まさにこの曲に助けられたこともあったので。同じようにアイドルとして頑張るモモジャンの皆の姿に勇気をもらったりもしています。

──こうしてお話を聞いていると、竹本さんがすごくゲームやマンガ、ネットコンテンツにも詳しいことがよく伝わってきます。ちなみにボカロ以外にも最近お好きな作品や、注目している方はいらっしゃいますか?

竹本:
 最近だと「【推しの子】」のアニメ化はとっても嬉しかったです!元々原作マンガも好きでしたし、YOASOBIさんの主題歌も壮大でちょっと不穏で、「これはヤバい物語が始まるぞ…!」っていう雰囲気の曲ですごく好きでした。私自身もアイドルをする上で、自分の中で切り替えをすることが大事だと思っていて。ブラックな部分というよりは、本当の自分と切り替えて「みんなが喜ぶアイドル」っていう存在を自分の中で作ることを意識しているので、「アイドルになりきる」という意味では、主題歌の歌詞やアニメのキャラクターたちに共感する部分もたくさんあります。
 それと、最近はVTuberさんの動画を見るのも好きです。私自身はゲームがすごく苦手なんですけど、「かなちーくず」さんのAPEX動画を見て、プレイの上手さややりとりの面白さにハマって見るようになりました。あと最近はボカロ曲の「ラヴィ」が好きで、VTuberさんをはじめいろんな方の歌ってみた動画を見たりもしています。同じ曲でも人によって全然違う歌い方で、皆さんの個性が見えるのが面白いですよね。

──同じHKT48のメンバーやファンの方は、竹本さんがアニメやボカロが好きという事もご存知なんですか?

竹本:
 はい、知ってます!同じHKT48のメンバーだと、特にみるんさん(荒巻美咲)とは趣味が合うんです。ファンの方とも、イベントの時には「この実況者さんの動画見た?」とか「あのボカロPさんの新曲よかったよ」みたいに、話しにきてくれる方もいらっしゃるんです。アイドルファンの中にはアイドルしか見ない、という方ももちろんいるんですが、そんな方でも私きっかけにボカロを聴くようになったって方もいたりして。そういうお話を聴くとやっぱり嬉しくなります。中にはいつの間にか私より詳しくなる方もいたりして、ちょっと悔しくなっちゃうんですけど(笑)。

──ふふふ(笑)。ですがそういった形で、ボカロ曲を始めいろんなコンテンツの話題でファンの方と距離を縮められたり、交流の輪が広がるのは素敵なことですね。

竹本:
 そうですね。共通の好きなものの話ができると、私自身もファンの皆さんを身近に感じますし、ファンの方にとっても私を身近に感じてもらえるのかな、と思います。そういった意味でも、今も昔も私にとってボカロはとても大事な物のひとつです。

──ありがとうございました。最後に、竹本さんにとってVOCALOIDの魅力とはどのようなところでしょう。

竹本:
 人でなく機械の声だからこそ、曲を誰のものでもない自分自身のものに置き換えられるところかな、と思っています。私も最初は独特の機械の声に違和感があったんですが、それを超える良さがボカロにはいっぱい詰まっているので。最近はいろんな形でボカロ曲も広まっているので、より多くの人にいろんな曲を聴いてもらえると嬉しいです。


Information

「The VOCALOID Collection」 公式サイト

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