ボカロP・神様うさぎによる受験生応援ソング『ゼッタイ合格！難関大学』──初音ミク・重音テト・ずんだもんが歌唱で全力エール
クリスマスや年末、そしてお正月。
年に一度の華やかな行事が続くこの時期、世間の浮ついたムードに反して日を追うごとにピリピリとした空気を纏う人々がいる。
そう、それが「受験生」だ。
中でも、今後の人生を大きく左右する大学受験に挑む学生・浪人生は、この冬も今まさに１日たりとも無駄にできない毎日を送っていることだろう。
そんな人々の挑戦を後押しするボカロ曲、それが神様うさぎによる「ゼッタイ合格！難関大学」である。
文／曽我美なつめ
タイトル通り、難関大学や難関学科への受験に挑む人々を、初音ミク・重音テト・ずんだもんの３人歌唱で応援する今作。
サウンドそのものは比較的ミニマルな構成だが、曲中には懐かしい某予備校のCMソングがオマージュされていたりと、随所に遊び心も散りばめられている。
さらに過去に大学受験に挑戦した人、あるいは今まさに大学受験を控えている人にとっては、かなり身につまされる内容が描かれた歌詞も注目ポイントだ。
この苦しい勉強も合格すれば報われる。だが大学に入学しても、そこは決して人生のゴールではない。
学歴ですべてが決まるわけではない。けれど大学合格という結果を出さなければ、今までの努力は水の泡。
勉強の大変さ以上に、そんな矛盾した思いの間で揺れ動きながら、それでも自分が目指した以上は合格に向かい走り続けなければならない。
それもまた、受験戦争の苦しさのひとつとなる。
受験生たちのそんな複雑な胸中をしっかり落とし込んだ歌詞も、大勢のリスナーが共感を寄せるポイントなのだろう。
また今曲は、2025年11月にリリースとなったボカロP・神様うさぎによるアルバム「ボカロで語る人生論」のオープニングトラックとなっている。
受験、就職、挫折、復活……。学生から大人へと成長する中で、多くの人がぶつかる“人生の壁”あるあるをテーマとした11曲のボカロ曲が、時系列順に並ぶ本作。
収録曲のうち「生きてる理由がわからない」「初音メンタルクリニック」は、過去にBillboard JAPANのニコニコ VOCALOID SONGS TOP20でチャート入りも果たしており、「インターネットこわい」を加えた3曲は、ニコニコ動画でも10万再生を達成。
さらに「優しい人はずるい人にいつも嫌な仕事ばっかり頼まれる」も、『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』にて曲名登場を果たしているため、「どこかで見覚えがあるな…」と思った人もいるかもしれない。
10代の学生にとっては、「大人って大変なんだな…」と思える一作に。
20代以上の大人にとっては、「そのしんどさ、わかるな～」と共感を覚える一作になっているはず。
だがその中でもこのアルバムが描くのは、人生における一つひとつの勝ち負けではなく、“生きていく”ことそのものの肯定だ。
人生、山あり谷あり。
VOCALOIDの音楽と共にそれを体現した本アルバムに、「ゼッタイ合格！難関大学」を入口として、ぜひあなたも触れてみては。
■information
「The VOCALOID Collection」 公式サイト
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