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日中同時配信の生放送CGアニメ『直感×アルゴリズム♪』はどうやって実現する!? NTTドコモの副島プロデューサーに聞いてみた

──たぶん清朝ぐらいの時期の、多分チャイナドレスもそれぐらいの頃のものですよね。

副島:
 それを日本に例えるなら、「チョンマケ」をやたら推奨しているようなものです。そうした議論はお互いに背景や、文化が違ったりするので、ド素人同士こうあるべきだとか、そういう議論は延々していましたね。(お団子頭は日本人から見ると)分かりやすいアイコンなんですよね。中国のキャラクターのイメージは、そうしたやり取りの中で決まっていきました。

──なるほど。日本でいうサムライ、ニンジャみたいなものなのですね。

副島:
 そうですね。

日中のSNSのを活用しつつ、2ヶ国語を同時に一つの番組で扱う難しさをどう解決するのか?

──今回、日中同時配信で2国からのユーザーからリアクションが返ってきて、その2ヶ国語を同時にひとつの番組で対応する【※4】ということですが、実際にはどのように行われることになるのでしょうか?

4 生放送中はKilin役の鈴木さんは日本語のみ、Xi役の岩井さんは中国語のみを話す。

副島:
 考えているのは、一応、中国のソーシャルであるWeibo。日本での Twitterですね。それでお客さんからのリアクション、色々意見を募集したりします。オペレーションはかなり複雑になるんですけど、番組の中では日本の意見としてTwitterを紹介、中国の意見としてWeiboを紹介するということに、チャレンジしてみようと思っています。

──無茶苦茶大変ですね。この辺のテストとかはされたのでしょうか?

副島:
 相当大変なので、どこまで対応できるかもチャレンジです。既にテクリハはやっていて、その日にやっと大陸の上海まで線は繋がったくらいの結構ギリギリのラインでやっています。そういった配信のやり方を過去にやっている人があんまりいないので、ほとんどフロンティア状態でやっています。
 中国移動、ミグにもニコニコさんと同じように弾幕コメントをできるプラットフォームを持っているので、それをうまく使いながら、アンケート機能を使うとか、ソーシャルのコメントを使うとか、どうやって生パートでのインタラクティブに使っていこうかっていう話があります。

 もう一つ、ソーシャルでのお客さんの反応という部分も大きいのですが、一番大きいのはやはり言葉の問題です。今回の収録パートが増える理由が二つあって、一つは『みならいディーバ』の時のああいった生で起こる楽しさは、それはそれでとても面白いと思います。今も、あのやり方はあれでありだと思っているのですが、今回は、もうすこしストーリーをしっかりやろうというテーマがあり、二人の成長物語を少しストーリー仕立てで入れるパートがあります。そして、もう一つが言語の問題ですね。そういう形式の収録部分を作り、そこは完全にテロップや、字幕で対応しておかないと殆ど訳分からない番組になるんじゃないか? と思いました。

──確かにそうですね。2カ国同時に『みならい』をやったとしたら予備知識も背景も分からない中国の人には、全く訳が分からなくなってしまうかもしれません。

副島:
 分かりません。中国側に一度見せましたが、何を言ってるのか分からないのと、あまり中国側に声優ラジオ的な概念が無いのかもしれないのですが、「キャラクターがしゃべっているだけじゃないか?」と思われてしまう。だから中身が分からないと楽しさが分からないので、その中身の部分の言語を担保するのと、ストーリーを担保するという意味で、収録パートを用意しました。

配信直前発表会で、日本のNTTドコモ役員とチャイナ・モバイル役員を迎え、披露されたデモの様子。
左、カメラ奥のツナギを着た鈴木みのりさんがポーズをとり、画面上のKilinが同期している。

人工知能翻訳の使用も検討したが、アニメのセリフは難しく、人力を使用!

副島:
 問題なのは生パートですね。生パートに関しては、始め何を考えていたかというと、リアルタイム同時翻訳みたいなのを、技術で乗り切ろうということを考えました。

──自動翻訳などを使うのでしょうか?

副島:
 実は、中国移動側が投資している「iFLYTEK(アイフライテック)」という中国で超有名な人工知能の翻訳サービスをやっている会社さんとか、日本側でもマイクロソフトの「Microsoft Translator」ですね。マイクロソフトさんにも相談をさせていただき、実際にやってみたのですが、どのくらい翻訳的に対応できるのか?「Microsoft Translator」も「アイフライテック」も非常に高いレベルなのですが、いかんせん僕らが今回扱うようなアニメ的なセリフ……

──アニメは、ビジネスとも違う喋り言葉ですので、翻訳はとても難しいところですね。

副島:
 そうなんです。難しくて、結論はやっぱり人力でやろうということになりました。そこで作中に「Bunny P」というウサギの人工知能のキャラクターがいるのですが、その声優である中国出身の劉セイラさんが非常に大きな役割を今回は果たしていただく形になると思います。やっぱり人工知能より劉セイラさんだと。
 実は実際の人工知能みたいなテクノロジーを入れる検討も色々盛り込んでやろうとしていたのですが、やりたいことが沢山ありすぎて、時間的な問題で断念したものもあります。今は二国間で同時に見るコンテンツを、どうやって両方の国の人が脱落することなく、楽しめるようにできるのか? という、ストーリーとは、少し違う部分も含め、色々なチャレンジを手探りでやっています。そういう意味では『みならいディーバ』の時とは、ちょっとレイヤーが違う苦労ですかね。できれば、日本と中国で一緒に作ったらこんな不思議なものができましたとか、こんな面白いものができましたというものに持っていけるといいかなと。

 

BUNNY P(CV:劉セイラ)

──本格的にアニメ業界に参入というものではないと仰っていましたが、中国と日本の両方に対応できるコンテンツを作ることは、これからのアニメが海外に配信が主になることも増えていく中で、色々な国の文化に対応できることは最も重要な要素になるのではないでしょうか? 

副島:
 それが、本当にそうなっているから、受け取り方としてどう伝わるのかというのは、ちょっとワクワクな部分とハラハラな部分が結構ありますね。

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