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日中同時配信の生放送CGアニメ『直感×アルゴリズム♪』はどうやって実現する!? NTTドコモの副島プロデューサーに聞いてみた

中国への中継でも、内容で気を付ける部分は基本的に日本と同じ

──初の生アニメの日中同時配信ですが、実は日中同時配信で毎週レギュラーの番組をやるということ自体、初めてなのではないでしょうか?

副島:
 実は、その位置付けは僕らも結構現場で考えていることが一杯で、そこまでキャッチーなタイトルを考える余裕がないのもあるのですが……
 結構苦労しているのは、アニメの作品の部分を作るのももちろんですが、日中の言葉の問題、あとは配信インフラを揃えるという問題が大変でした。その理由は、中国移動も弊社もプラットフォームは持っていて、インフラも持っているのですが、今回どう配信するのか?というと、スタジオ自体は日本のスタジオを使って、毎回毎回、日本から中継をする感じ。専用線を引いて香港経由で上海に、毎回線を繋げるという…… あまり普通のアニメだったら心配しなくても良いようなところも含めて、恐らく日中同時で海外配信を毎週する番組という意味では、結構ハードルとしては高いです。ちょっとしたチャレンジになっている可能性はありますね。
 前にニコニコ生放送さんで中国の全人代(全国人民代表大会)の中継をやられていて、ドワンゴさんからそのお話も聞いていて、色々参考にさせていただきました。今回は逆に日本側から発信することになります。中国の場合、配信上のルールが色々日本と異なっているので、そこをどうクリアしていくか、そこら辺の同時配信の部分は非常に勉強になったというか、いろいろ調整が大変だった部分ですね。

『みならいディーバ(※生アニメ)』の生放送の裏側の様子
(C)(※ネタバレ注意) 最終回は生でライブやるかも委員会

──今回、内容の事前のチェックはあったりするのでしょうか?

副島:
 実は今回、収録パートと生パートというのがあって、収録パートが少しだけ量的には多くて、ここは完全に事前に中国のパートナーに確認をしてもらっています。
 生の部分に関しては、基本的にある一定のレギュレーションを日本と中国で決めてその中で行うことになります。『みならいディーバ』の時も放送法や放送局の考査基準に照らし合わせて、行いました。

──同じといえば、同じですね。

副島:
 そうなんです! なので、中国の配信ルールという部分を考慮しながらやりとりをしています。なかなか普通の一般的な中国の企業だとそうした調整は難しいのですが、中国移動はそういった部分に関しては、やはり中国ナンバー1のキャリアというのもあり、非常に頼もしいです。僕らが、なかなか難しいかなと思っているハードルに関しても、今回は、中国移動のグループ会社である動画配信のミグ(ミグ動漫有限公司)というパートナーのご協力があってかなり壁を越えられている部分があります。

日本アニメの中国娘は、中国人から見るとチョンマゲのサムライ!

──共同制作では、コンテンツの部分に関しても、中国と一緒に作っていったのでしょうか。

副島:
 基本的に作っている部分は日本サイド側なのですけど、もともと僕らのチームの中でいろいろ議論した時に、今回、せっかく中国とやるのであれば、初めからゼロの状態で一緒に同時に作ったらどんなものが作れるのだろうか? それは、正直やってみないとわからないですけど、今回のチャレンジの中で、あえて日本と中国で、例えば、シナリオや番組名一つとっても、基本全部中国と、熱いディスカッションを交わしながら行いました。

左が日本版、右が中国版のタイトルロゴ

 

──番組名【※2】も日本と中国でちょっと違いますよね。

2 日本でのタイトル『直感×アルゴリズム♪』に対して、中国では『麟&犀・AI韵律』と、キャラクターのKilin(麟)とXi(犀)の2人の名前をフィーチャーしている。

副島:
 それも、中国は中国なりの考えがあっての番組名にしていますが、マーケティング的には1個にした方が良いのではないかとか、そういう意見を交わしつつ決定しました。
 ただ、中国でも一人称でプロモーションしてもらえるコンテンツにしないといけない。この作品が日本から押し付けられたコンテンツと中国の方々に思って欲しくない、中国の、地元のコンテンツだと思って欲しいですし、日本人にとっても日本のコンテンツだと思って欲しいのです。今回の目標の中で、そうなれるのが本当に一番良いことなのではないかと思います。
 そういう意味で中国では彼らなりの考えに基づいてこういう風にやりたいから、プロモーションや、こういう名前にしたいというところ。ここらへんは結構、議論しましたね。

──デザインやビジュアル面で中国からの希望はあったりするんですか?

副島:
 キャラクターデザインは初音ミクを手がけられたKEIさんにお願いしました。一応世界観みたいなふたりのAIアイドルみたいな、テーマぐらいはお渡ししていたんですけど、ほぼ全てをKEIさんにある程度考えてデザインしていただいています。これは中国での初音ミクとか、KEIさん自体は結構有名で認識されていたんで、まずはそれをベースに細かい部分みたいなところは、いろいろ議論しましたね。

KEIさんによるキービジュアル(右)とそのラフ画像(左)

──キャラクターの衣装の模様とかが、中国っぽいかなと思いました。

副島:
 そうですね。ただ最初に中国から来たオーダーは、あんまり中国っぽくしないでくれということでした。

──そうなのですね!?

副島:
 最初のデザインは、もろにチャイナドレスとかを着ていたんですが、あまり中国っぽくして欲しくないという意見があって、何回かデザインをし直しました。
 一方で日本人が思っている中国キャラクターのイメージはお団子頭。最終的には、KEIさんのキャラクターとしてはこのデザインに落ち着いたのですが、言われてみれば「何で日本人は中国女性の髪形をお団子にするんだ?」という。
 当時、調べたんですが、それこそKilin役の鈴木みのりさんがやってる『マクロス』(シリーズ)という作品が……

──ああ、リン・ミンメイ【※3】ですね。

3 リン・ミンメイとは? マクロスシリーズの第1作のアニメ『超時空要塞マクロス』に登場する初代の歌姫。横浜の中華料理屋の娘という設定で、チャイナドレスとお団子頭の姿でも登場する。

副島:
 リン・ミンメイが(アニメの中国キャラの)元なんじゃないか? という説ですね。諸説あるみたいなのですが、『銀魂』の神楽なども、中国の人から言わせるとある王朝の時に流行った髪型であって……

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