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【潜水艦コレクション】旧日本海軍の潜水艦51隻プロフィールと戦歴をまとめてみた

 本ページでは、乙型・乙型改2の各艦について解説します。

乙型

 乙型は高速、長航続距離の大型潜水艦で、太平洋戦争で活躍した日本の潜水艦の中で最も同型艦が多く、主力を形成した。

伊号第17潜水艦

昭和16年1月24日、横須賀工廠で竣工。艦長の任についたのは2名、昭和17年、伊17潜は、アメリカ本土初砲撃となる敵国の注意を西海岸に牽制するため陸上攻撃実施する特別任務を与えられた。昭和18年8月19日、アメリカ船とニュージーランド船から総攻撃を受け垂直になり沈没する。攻撃を受けている途中、もはや最後と「我ヌーメアニ突入セントス」の無電を打電していた。97名の戦死。

伊号第19潜水艦

昭和16年4月28日、三菱神戸造船所で竣工。艦長の任についたのは3名、昭和17年、アメリカ船に対し奇襲攻撃を仕掛ける。これが成功し、長年の宿願であったアメリカ海軍正規空母を撃沈した。これが最初で最後の正規空母単独撃沈となる。その後も次々にアメリカ船を撃沈。昭和18年11月26日、タラワ島の西南でアメリカ駆逐艦の爆雷攻撃を受けて沈没。艦長以下104名全員が戦死。

伊号第25潜水艦

昭和16年10月15日、三菱神戸造船所で竣工。艦長の任についたのは2名、昭和17年10月10日、アメリカ本土から500浬離れたところで巨大潜水艦を海に沈めた。戦後ソ連の潜水艦「L16」と判明するが、実はこの時、日ソは戦争状態ではなかった。昭和18年9月16日、スバ飛行偵察を命じられたが、消息不明となる。アメリカ側にも該当資料がなく沈没経緯は不明。アメリカ本土爆撃への参加や商船6隻、敵潜水艦1隻を撃沈した記録が残っている。

伊号第26潜水艦

昭和16年11月6日、呉工廠で竣工。艦長の任についたのは3名。昭和17年8月、空母「サラトガ」と壮絶な死闘を繰り広げる。8時間に及ぶ爆雷を受けるも、相手に致命傷を負わせることに成功。昭和19年10月13日、呉を出港、レイテ島東方海面で消息不明となった。アメリカ側資料でも、その最後の様子は分かっていない。

伊号第29潜水艦

昭和17年2月27日、横須賀工廠で竣工。艦長の任についたのは2名。同年7月9日、横須賀を出港した後、次々とイギリス船を撃沈。さらには、ノルウェータンカーまでも撃沈させる。 昭和19年7月26日、バシー海峡でアメリカ船の雷撃を受け沈没。105名が戦死した。アメリカ側の資料によれば、雷撃は4発中3発命中。あと一歩で日本へ帰りつける無念の最後だった。

伊号第36潜水艦

昭和17年9月30日、横須賀工廠で竣工。艦長の任についたのは3名、この潜水艦は最も長い期間作戦に従事し、最後まで生き残ったと言われている。昭和18年3月7日、過酷なガタルカナル島、ニューギニア輸送を終え、横須賀に帰投。船員たちは約1ヶ月かけ休養、熱海温泉などで鋭気を養った。昭和21年4月1日、マストに桜の花を飾り、長崎県の五島キナイ島沖で爆破処分された。

伊号第38潜水艦

昭和18年1月31日、佐世保工廠で竣工。艦長の任についたのは3名、輸送回数は23回に及び、その間、攻撃や魚雷を受けながらも糧食、弾薬753トンを輸送した。昭和19年11月12日、駆逐艦「ニコラス」に爆雷攻撃を2回受け、海底で大爆発。110名が戦死した。

乙型改2

 乙型改1からの主な変更点は、機関を製造容易なものに変更したこと。それにより水上速力は低下したが、航続距離の上昇、また、魚雷の積載量を増やし、より実戦に対応した改良を実施した。

伊号第54潜水艦

昭和19年3月31日、横須賀工廠で竣工。艦長の任についたのは2名。同年7月7日、出港したが後部甲板に固定されていた運砲筒のロープが切断され、海中に落下したため、やむなく横須賀に引き返した。 昭和19年10月24日、アメリカ空母部隊に遭遇。ヘッジホッグを一斉発射される。数秒後に1発が爆発、その後、再び爆発が起きた。これが伊54潜の最期となる。107名全員が戦死した。

伊号第56潜水艦

昭和19年6月8日、横須賀工廠で竣工。艦長の任についたのは2名。アメリカ護送空母から攻撃を受けた際、アメリカ新型爆雷「マーク9型」の不発爆雷が艦上に残留。危険だが研究資料としてこの爆雷を持ち帰ったという。昭和20年4月5日、アメリカ駆逐艦から4時間もかけ6回もの爆雷攻撃を加えられ続け、ついに爆発。122名が戦死した。

伊号第58潜水艦

昭和19年9月7日、横須賀工廠で竣工。艦長の任についたのは1名、竣工から3ヶ月後、回天と回天搭乗員4名を搭載し硫黄島に到着するも、回天作戦は「難しい」と判断され中止に。昭和20年7月29日、伊58は広島・長崎に落とされた原爆を運んだ直後の巡洋艦「インディアナポリス」に、魚雷3発を命中させ、レイテ沖に沈める。合計700人ものアメリカ海軍が戦死し、アメリカ海軍三大悲劇のひとつに数えられた。8月14日、呉に帰着。そのまま終戦を迎える。

 8月22日から4日間にわたって五島列島沖に沈む潜水艦から「伊58」「呂50」の特定を目指す調査を実施。ニコニコ生放送でその様子をリアルタイムで配信予定です。「伊58」が70年の眠りから覚める瞬間をぜひ皆で見守りましょう!

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