話題の記事

まるで古代の遺跡!? 東尋坊、玄武洞、高千穂峡etc…自然の神秘が織りなす「柱状節理」が出来上がるメカニズムをやさしく解説

 今回紹介する、エルタレさん投稿の『ゆっくり見る火山の絶景 第三回「柱状節理」【ゆっくり解説】』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、岩体が柱状になった「柱状節理」について解説を行っていきます。

投稿者をフォローして新着動画をチェック!


自然の神秘「柱状節理」はどのようにできる?

 今回見ていく絶景は「柱状節理」だよ。火山の絶景の中でも特に有名な柱状節理。多角形の柱がいくつも連なっている幾何学的な様相は、自然が作った造形ながら、まるで古代の遺跡のような荘厳さを備えているね。

 この不可思議な柱の連なりは、溶岩が冷えて固まるときに起こる、私たちにもなじみのある現象で作られるよ。今回はなぜ、「揃った割れ目になるのか」、「なぜ多角形になるのか」を解説していくよ。

 柱状節理は溶岩のような高温の流体が、ひとつの面から一様に冷却されることで形成されるよ。地球上にあるほとんどの物質は、温められると膨張し、冷めると収縮する性質を持つんだけど、溶岩も同じ性質を持ち、ドロドロと流れているときに地面と接している部分は、ある温度まで冷却されることで収縮して、パキっと割れ目を生じるんだよ。

 この時、地面から一様に冷却が進むというのがポイントで、内部までどんどん冷却が進む過程で、「割れ目の生じる温度」が面状に訪れるんだよ。これによって、地面と平行な面で同時に割れ目が形成されていき、最初に出来た割れ目を延長する形で、割れ目が伸び、柱を形作るんだよ。そして割れ目に沿って浸食が進み、渓谷や洞窟となって姿を現すという訳だね。

 原理としては水を抜いた田んぼの泥が割れてるのと同じだよ。泥も水分が飛んで収縮することで割れ目が生じ、中まで乾いていく過程で、それが延長されるというプロセスを経ているからね。

 次に、なぜ多角形になるのか。これは地面と接した面で、最初にできる割れ目の形が鍵を握っているよ。では、なぜ最初にできる割れ目が多角形になるのか。この理由についてはかなり複雑なんだけど、平たく言えば「収縮の中心が等間隔に存在するため」であると言えるよ。

 溶岩がある面から一様に冷やされ収縮するとき、この方向に向かって収縮するという「収縮の中心」が生まれ、等間隔に生じたそれに向かって縮むことで、均等に割れ目が生じ、このような多角形になるというわけだね。

 ちなみに冷却の状況によっては、違った形状の割れ目を形作ることもあり、板状に割れたなら「板状節理」、直方体のものは「方状摂理」と呼ばれるよ。

 ここまでで、柱状節理には冷却による収縮が大きく関わっているということを説明してきたけど、物体によって冷却による収縮の割合が異なるように、溶岩も組成、すなわち成分によって割れ方が少しずつ異なってくるよ。写真の柱状節理は、それを大きく反映していて、途中で太さが変わっていたり斜めに曲がっていたりするのも、溶岩の組成の違いなんだよ。

 溶岩流はコーヒーにミルクを入れたときのように、いろんな成分が不均質に混ざり合って流れているということが、これを見るとよくわかるね。さて、ここまでの説明を踏まえると柱状節理は流動体が固化する状況であれば、溶岩流でなくてもできうると考えられるよ。

 地下でマグマが貫入して、これが深成岩として冷え固まるときも、地上付近のように周囲の地盤の温度が極端に低ければ、平行な割れ目が生じて柱状節理を形成するよ。日本を代表する柱状節理といえる福井県の東尋坊や、兵庫県の玄武洞なんかはその代表例だね。この例では地下で冷えて固まるため、割れ目は中心に向かって発達し、写真のように四方八方に割れ目が伸びる摂理となるよ。

 またゆっくり冷えて固まるためか、柱が太くなるということも多いね。その他、あまりイメージが湧かないかもしれないけど、大規模な火砕流でも柱状節理はできるよ。大規模な火砕流では下部の方は莫大な圧力と高温にさらされていて、これによって火砕流を構成する火山灰や軽石なんかが再溶融しており、それらが冷え固まることで、柱状節理を形成するんだよ。

 その代表的な例が宮崎県の高千穂峡だね。高千穂峡は阿蘇火山の破局噴火による火砕流にて生まれた柱状節理で、九州北部にはこれと同じような火砕流の柱状節理がいたるところに存在しているよ。この写真の上部では横倒しになって乱れたような柱状節理が見られるけど、これこそまさにこの柱状節理が火砕流起源だという動かぬ証拠なんだよ。

 火砕流の下部では、ある程度流れが安定しているため、おとなしい摂理が走るんだけど、中部くらいだと乱流が発生していてこのように摂理が乱れるんだよ。旅行先で柱状節理の景観を見るとき、この岩体は何起源なんだろうと考えてみると、そこからわかる構造なんかも見えてきて何倍も楽しめるね。慣れてきたら観光案内板を見る前に、この摂理が何起源なのかを予想して当てるなんてことができるようになるよ。

 世界有数の火山地帯である日本は、世界に誇れるレベルの柱状節理をそのいたるところで見ることのできる素晴らしい場所だよ。有名な観光地のほかにも、名前もついてない柱状節理がいっぱいあるから、ドライブやツーリング中に渓谷を通ったなら岩壁に平行な割れ目がないか探してみてね。

 まさに壮大な景観である「柱状節理」。渓谷にそってカーテンのように続いている様に見惚れてしまいますね。解説をノーカットでご覧になりたい方はぜひ動画をご視聴ください。

▼動画はこちらから視聴できます▼

ゆっくり見る火山の絶景 第三回「柱状節理」【ゆっくり解説】

投稿者をフォローして新着動画をチェック!

―あわせて読みたい―

「富士山」が噴火すると被害規模はどのくらい? 復興までに20年以上もかかった“宝永噴火”の歴史を解説

人類は紀元前から“浄水”を飲んでいた! 古代マヤ文明で誕生した“世界最古の浄水システム”は現代にも通用する超ハイテク技術だった

「生活」の最新記事

新着ニュース一覧

アクセスランキング