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「富士山」が噴火すると被害規模はどのくらい? 復興までに20年以上もかかった“宝永噴火”の歴史を解説

 今回紹介する、事故と災害を解説するところさんが投稿した『【ゆっくり解説】富士山大噴火|16日間も噴火し続け復興まで20年以上かかってしまった宝永大噴火』では、音声読み上げソフトを使用して、1707年(宝永4年)に起きた富士山の噴火である「宝永大噴火」について解説していきます。

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富士山噴火の歴史を辿る

霊夢:
 いま富士山の噴火が危惧されているのって知ってる?

魔理沙:
 それ毎年騒がれてるよな。確か前に富士山が噴火してからかなりの年月が経っているんだっけ? 最新の噴火記録はいつなんだ?

霊夢:
 300年あまりも前の話よ。では今回は富士山の最新の噴火である「宝永大噴火」について解説していこうかしら。「宝永大噴火」は1707年12月16日に発生した富士山の噴火よ。富士山が活火山だということは知ってる?

魔理沙:
 ああ。富士山って綺麗だからつい忘れがちになるけど、ちゃんと火山活動している山なんだよなぁ。

霊夢:
 そうそう。でも最後に富士山が噴火した記録が残されているのは、先ほども言ったとおり300年あまりも前のことよ。それが江戸時代中期の元号が宝永4年のときに起こったの。徳川綱吉が江戸幕府で統治していた時代ね。富士山は今までに10回の噴火が記録されているんだけど、「宝永大噴火」はその中でも最大のものとされているわ。翌年の1月1日まで16日間も断続的に続いたの。

 富士山の南東斜面から大噴火を起こして、そこで新たに作られた噴火口である「宝永火口」から火山礫や火山灰が噴出され、それらが偏西風によって静岡県や神奈川県、東京都、100キロメートル以上離れた房総半島にまで降り注いだと記録されているわ。

 「宝永大噴火」は粉砕された噴出物を噴煙といっしょに上空高く舞い上げる爆発的な噴火だったの。噴火がはじまった直後には大量の高音の軽石が地上に降り注いだわ。それらは家屋を焼き、田畑を埋め尽くしたの。夕暮れには噴煙の中に火柱が立ち、火山雷による稲妻が空に走るのが目撃されているわ。

魔理沙:
 噴火にも種類があるんだな。火山雷っていうのも初めて聞いた。

霊夢:
 火山雷は火山が噴き上げる水蒸気、火山灰、火山岩などの摩擦電気によって生じるのよ。800年に発生した「延暦噴火」、これも富士山の三大噴火のひとつなんだけど、その時の記述では「富士山自ら焼け、夜も火の光が照らし、雷が落ち、山下の川水は紅色になった」と残されているわ。

魔理沙:
 怖すぎる……。宝永大噴火で死者は出なかったのか?

霊夢:
 近くに集落がなかったことなどが要因となって、死者の記録は残されていないわ。でも100キロメートル以上にまで及んだ火山礫や火山灰の影響で二次災害が発生し、結果的に長期にわたって人々を苦しめたの。

魔理沙:
 火山灰ってかなり厄介なイメージがあるな……。二次災害って具体的にどんな被害が出たんだ?

霊夢:
 多くは火山灰によるものね。江戸では火山灰が約2cmほど積もったそうなんだけど、風が吹くとこれが細かい塵となって私たちの口に入ってしまうのよ。それによって呼吸器疾患に悩まされる人が多くてね。周りの人みんな咳き込んでいるという状況だったらしいわ。

魔理沙:
 それはつらいな。今と違って医療だって発達してないし。それに農作物だって被害が出ただろ?

霊夢:
 ええ。噴火の当時は麦芽がちょうど出た時期だったんだけど、火山灰がわずか数センチしか積もらなかった場所でも、麦の生育が不可能になったみたい。

魔理沙:
 食糧不足に悩まされそうだな。それに次の農作物を育てると言ったって、まず火山灰をどうにかしないといけないし。

霊夢:
 それももちろんなんだけど、薪や炭などの燃料がある野山も火山灰や降り注いだ砂に覆われてしまって、それらも供給できなくなってしまったの。

魔理沙:
 生活にダイレクトに関係してくることにも被害が出るのはきついなぁ。河川とかは?

霊夢:
 農民たちが田畑に降り積もった火山灰を取り除くために砂捨て場に廃棄していたんだけど、それが雨のたびに崩れて河川に流入してしまったの。その結果、大量の火山灰で河川の河床が上昇し、そこらじゅうで一時的な天然ダム状態となってしまったわ。それで水害が起こりやすい状況に陥ったの。

 300年以上経った現在でも宝永火口の斜面では火山噴出物や火山灰の二次的な移動が続いていて、冬季に大量の水を含んだ雪崩による土石流が発生したりするの。これが数年に一度の頻度で道路や構造物に被害を出すのよね。

魔理沙:
 今も影響を及ぼしているってすごいな。もう300年以上も経っているのに。ひとつ気になったんだけど、噴火の周期って決まってたりするのか? それがわかっていれば次の噴火の推定ができそうだけど。

霊夢:
 10年から60年くらいの時もあれば、400年もの間平穏だった期間もあるわね。宝永大噴火の前は約200年の間が空いていたわね。

魔理沙:
 200年の平穏期で最大の噴火って言われているんだろ? 現在進行形でそれ以上長い間溜められているということは、次に来る噴火が大きなものであるのは間違いないよな。噴火の前兆みたいなのってないの?

霊夢:
 いい着眼点ね!実はこの宝永大噴火の前に「宝永地震」が発生しているんだけど、噴火が起こったのはこの地震のわずか49日後なの。宝永地震はマグニチュード8.7の巨大地震で、建物の倒壊や津波により多くの犠牲者が出てしまったわ。富士山の山中では1日に10から20回ほど、しっかり体感を感じるほどの地震が発生したそうよ。

魔理沙:
 少なからず関係しているような気がするけどな。そういえば噴火の直前って地震があるんだっけ。

霊夢:
 宝永大噴火では予兆的なものがあったわね。噴火がはじまる前日の午後から富士山の麓からでも感じるほどの群発地震がはじまって、噴火当日には噴火の直前に二度の大きな地震があったと記録されているわ。

魔理沙:
 溜め込まれたマグマだまりに南海トラフの可能性……。もしふたつが立て続けに起こったらなんて考えると、怖くて仕方ない。というか、被害って昔より今のほうが大ダメージになる気がするんだよな。車や電車だって火山灰が降ったら動けないし。

霊夢:
 そうね。噴火想定のハザードマップが今年の3月に17年ぶりに改定されたんだけど、2004年と比べて噴火の可能性があるエリアが広がっていることや、火口から流れ出す溶岩流の範囲も神奈川県まで跨いででいることがわかるわよね?

魔理沙:
 明らかに範囲が広くなっているな。どうして?

霊夢:
 想定していた以上に火口が市街地に向かっていることが判明したのよ。さらに近年の研究では新たな噴火口が発見され、その周辺に火口が多く存在することもわかったわ。こっちは火山灰が降り注ぐ範囲の予測マップよ。東京がほぼ覆いかぶさっているのがわかるわよね。

魔理沙:
 少なくても2センチメートルは積もる予測か……。電車って火山灰が積もったらもう運行できないの?

霊夢:
 電車はレールの上に0.5ミリでも積もると運行できないそうよ。政府の想定では10センチメートル積もるともされているし、交通網がマヒするのは間違いないと思うわね。そして厄介なことに雨が降ると、送電線に付着した火山灰が原因で電線がショートし、大規模な停電の発生も器具されているわ。そうなると携帯キャリアの電波は届かなくなるし、精密機器に火山灰が入り込んでしまえばすべて使えなくなってしまうわ。

魔理沙:
 都心部の機能がストップするのが何よりもまずいよな。被害総額もやばそうだし。

霊夢:
 宝永大噴火と同じ規模の噴火が起きた場合、最大で2兆5千億円の経済被害が出ると推測されているわね。個人で噴火したときの想定をし、今のうちに対策をすることね。ハザードマップの確認、避難場所の確認、防災グッズを揃えるなどかしら。

魔理沙:
 間違いなく噴火するっていう事実はあるからな。日頃から準備するに越したことはないんだ。地震だって多い国だしな。

  もし、近い将来に宝永噴火が発生すれば、首都機能がストップしてしまう可能性もあると聞くと心配になりますよね。普段よりハザードマップなどの確認や防災グッズの準備などを心がけておくと良いかもしれませんね。ノーカットの解説は、ぜひ動画を視聴してみてください。


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【ゆっくり解説】富士山大噴火|16日間も噴火し続け復興まで20年以上かかってしまった宝永大噴火

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