「売れる小説の表紙はこう描く」講談社ラノベ文庫編集者がイラスト付きで解説した例がとってもタメになる
ラノベ編集者が語る“売れる”ラノベ表紙
千本木:
(手紙を読む)2枚目は雰囲気重視の表紙です。こちらは、編集さんに「売れづらい」と言われる例ですが、作品の全体像をまるっと1枚に落とし込むので、キャラクターよりも世界観重視の作品に使われるかと思います。私が好きな構成です。
大西:
あ、私もこれ好きかも。素敵。
千本木:
(手紙を読む)ちなみに3枚目ですが、タイトルデザインを試しに置いてみたものです。キーワードになる文字を強調させたり置いたりしてみました。
千本木:
タイトルの印象がまた違いますよね。
大西:
そうだね。
千本木:
(手紙を読む)ちなみに以前、リスナーの方から、「(ヒロインの)ゆきが千本木さんに似ている」と光栄なお言葉をいただきましたが、まさしくその通りで、声には絵に命を吹き込む力があるので、描く時も自然と千本木さんをイメージしました。
栗田:
(ゆーげんさんの)仰る通りで、雰囲気重視の方はあまり……。作品の世界観を出すためにオーダーする事はありますが、そうじゃない時は、基本的に「うーん……」という感じ。
大西:
ハードカバーの本だと、雰囲気重視もある、という感じなんですか。
庄司:
(表紙の)面積が違うじゃないですか。(面積が)大きいと、多少引き気味でもキャラの顔が小さくならないんですけれど、このサイズだと、顔が小さくなることが多いんです。
栗田:
それも含め、意図して、こういう(雰囲気重視の)イラストにする事はありますし、最近のラノベ文庫でも『白翼のポラリス』はまさにそういう感じなんです。
庄司:
最近は、いろいろやってみようっていう雰囲気はあるね。
栗田:
どっちが良いとか、ダメっていうのはないですね。
大西:
どれも素敵ですよね。
千本木:
悩むな~。
栗田:
イラストとして、キャラ重視の方は、ゆきがしっかり書き込んであって、雰囲気重視の方は全体図が分かるように、全体に手を入れている感じですね。そのあたり、ゆーげん先生の考えている事が、ラフからも見えてくるかな。
大西:
私達の知らない世界だよね。
千本木:
本当にね。こんな素晴らしいラフイラストをありがとうございます。