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読者が選ぶ“新作ラノベ総選挙2019”の結果が発表! 各部門TOP10作品から見る「次のヒット作」の傾向は“異世界系”と“勘違い系”?

 2019年8月26日20時より、ニコニコ生放送にて「次のヒット作はこれだ!新作ラノベ総選挙2019」が放送された。

 本企画は、直近1年間でシリーズ1巻目が発売されたライトノベル作品の中から「次のヒット作」を読者投票によって決定する“新作ラノベ総選挙”の2019年版。“文庫部門”と“新文芸・ブックス部門”で投票が実施され、26000票以上もの投票により「次のヒット作」各部門10作品が決定した。

 本稿では、放送で発表されたTOP10にランクインしたタイトルを改めて紹介。加えて、上位にランクインした作品の傾向や各部門TOP3作品のあらすじを紹介していく。

(画像は「次のヒット作はこれだ!新作ラノベ総選挙2019」 各部門TOP10作品を発表!より)

ランクインしたタイトルの多くが異世界系

 まずは、“文庫部門”と“新文芸・ブックス部門”それぞれのTOP10にランクインしたタイトルを見ていこう。

“文庫部門”TOP10

1位:『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』
2位:『西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~』
3位:『天才王子の赤字国家再生術 ~そうだ、売国しよう~』
4位:『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』
5位:『公女殿下の家庭教師』
6位:『七つの魔剣が支配する』
7位:『転生先が少女漫画の白豚令嬢だった』
8位:『継母の連れ子が元カノだった』
9位:『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』
10位:『劣等眼の転生魔術師 ~虐げられた元勇者は未来の世界を余裕で生き抜く~』

“新文芸・ブックス部門”TOP10

1位:『陰の実力者になりたくて!』
2位:『嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~』
3位:『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』
4位:『リアデイルの大地にて』
5位:『異世界転移、地雷付き。』
6位:『航宙軍士官、冒険者になる』
7位:『出遅れテイマーのその日暮らし』
8位:『新しいゲーム始めました。~使命もないのに最強です?~』
9位:『冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する』
10位:『Unnamed Memory』

 全体の傾向としてまず目につくのが、異世界を舞台にした作品が非常に多い点だ。

 20作品中、異世界系ではない作品は、“文庫部門”2位の『西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~』、同じく8位の『継母の連れ子が元カノだった』の2作品のみ。20作品中18作品が異世界系という高い割合を占めている。

 また、異世界系と言えば、主人公が転生(転移)して“俺TUEEE”という流れが定番のひとつであるが、今回のランクインしたタイトルを見ると、主人公が能ある鷹は爪を隠すごとく自分の能力を全面に押し出さなかったり、実力を勘違いされて持ち上げられたりするタイプの作品が多く見られた。

 とくに“勘違い系”は、

『陰の実力者になりたくて!』
→“新文芸・ブックス部門”1位
『嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~』
→“新文芸・ブックス部門”2位
『天才王子の赤字国家再生術 ~そうだ、売国しよう~』(結果が伴ってしまい敬われるが、主人公はそれを望んでいないという勘違い)
→“文庫部門”3位

と、各部門TOP3の6作品の中に3作品も対象があり、ジャンルとして人気の高さが伺える。このあたりが「次のヒット作」の流行りとなってくるのかもしれない。

各部門TOP3の作品をあらすじを紹介

 ここからは、“文庫部門”と“新文芸・ブックス部門”においてTOP3 にランクインした作品のあらすじを紹介。もし気になった作品があればチェックしてみてほしい。

“新文芸・ブックス部門”3位:『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』

(画像は「次のヒット作はこれだ!新作ラノベ総選挙2019」 各部門TOP10作品を発表!より)

 女が強く、男が弱い。そんな乙女ゲー世界のモブ男子に転生してしまった主人公は、理不尽すぎる世界の在り方に一度は絶望してしまう。その後、再起を果たした主人公は自らを外道と化し、女どもや攻略対象の男達に対し、反旗を翻すのだった。

『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1』BOOK☆WALKER紹介ページはこちら

“新文芸・ブックス部門”2位:『嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~』

(画像は「次のヒット作はこれだ!新作ラノベ総選挙2019」 各部門TOP10作品を発表!より)

 強すぎる幼馴染達についていくことのできない弱小主人公。そんな彼のひと言は幼馴染達を更なる高みへ誘ってしまう。結果、幼馴染達のリーダーへと抜擢された主人公は、持ち上げられるたびに、いたたまれない気持ちを募らせていくのだった。

『嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~ 1』BOOK☆WALKER紹介ページはこちら

“新文芸・ブックス部門”1位:『陰の実力者になりたくて!』

(画像は「次のヒット作はこれだ!新作ラノベ総選挙2019」 各部門TOP10作品を発表!より)

 地球で“陰の実力者”を目指していた主人公は、とある勘違いでトラックに轢かれて死亡。その後、異世界へと転生。努力の末、一定以上の実力を有した主人公は、他人を巻き込む形で陰の実力者ゴッコをスタートさせるが、このゴッコ遊びの妄想が全て的中していて……。

『陰の実力者になりたくて! 01』BOOK☆WALKER紹介ページはこちら

“文庫部門”3位:『天才王子の赤字国家再生術 ~そうだ、売国しよう~』

(画像は「次のヒット作はこれだ!新作ラノベ総選挙2019」 各部門TOP10作品を発表!より)

 売国というパワーワードが印象的な作品。ほぼ詰み状態の赤字国家を背負わされた天才王子ウェインは、売国するべく様々な策に打って出る。しかし、何故かやること成すこと全てが上手くいってしまい、気がつけば国が良くなりつつあるのだった。

『天才王子の赤字国家再生術 ~そうだ、売国しよう~』BOOK☆WALKER紹介ページはこちら

“文庫部門”2位:『西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~』

(画像は「次のヒット作はこれだ!新作ラノベ総選挙2019」 各部門TOP10作品を発表!より)

 異能世界最強と名高いフツメン高校生の西野。ダンディズムを愛する彼は、イケメンであればなんでも許される学園カーストがはっきりした世界で「彼女を作りたい」と自覚する。そんな彼がモテるために空回りしながらもめげずに奮闘する様が描かれていく。

『西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~【電子特典付き】』BOOK☆WALKER紹介ページはこちら

“文庫部門”1位:『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』

(画像は「次のヒット作はこれだ!新作ラノベ総選挙2019」 各部門TOP10作品を発表!より)

 勇者パーティーの一員だった主人公のレッドは、仲間の1人に「真の仲間ではない」と告げられ、パーティーを追い出されてしまう。そんな彼の辿り着いた先は辺境の地。この地で薬草店を切り盛りすることになったレッドの最前線とは異なるスローライフが始まる。

『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』BOOK☆WALKER紹介ページはこちら


 放送では、“文庫部門”で1位を獲得した『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』作者ざっぽん氏がゲストとして登場。

 1位を受賞できたことに対し、「光栄ですし、嬉しいです。こういった形で皆さんの評価が形になるのは凄く心強いことですし、作品を書くモチベーションにも繋がります。本シリーズの今後にも良い影響が出ると思いますので、応援してくださった皆様、本当にありがとうございます」と嬉しい気持ちをコメントしていた。

 “新作ラノベ総選挙2019”で見事TOP10入りを果たしたタイトル全20作品。この中から次のムーブメントを起こすタイトルは現れるのか。新刊リリースからアニメ化まで今後の展開に期待したいところだ。

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