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スクショを撮っただけで有罪に!? ――違法DL規制に『魔法先生ネギま!』赤松健と山田太郎議員が提言「パブコメで国民が意識していることが官僚に伝わる」

パブリックコメントの中身を公開

赤松:
 ではパブコメ議論で最終決着をつけましょうか。今のところ私のほうが優勢のようですよ(笑)。

坂井:
 ちょっと劣勢ですけれども、海賊版をやめないといけないというのは一緒だというところは理解してくださいね。

赤松:
 ……。

坂井:
 反応がない(笑)。

赤松:
 海賊版をダウンロードしてもいいんでしょう(笑)?

坂井:
 海賊版ですか? だからそれは僕……厳しいなあ(笑)。これが文化庁が出しているパブコメの様式集というやつで、この下に設問が並んでいます。

赤松:
 パブコメに関しては我々が「これは一番にしなさいよ」みたいなことを言うべきではないですよね。我々として意見をちょっと戦わせてそれを見てもらうイメージなので。

山田:
 みなさんがちゃんと考えて出して送っていただくと。

坂井:
 きょうの議論を聞いて、自分が一番「そうだな」と思ったことを書くのが一番いいんだろうなと。

山田:
 基本的な考え方ですね。「深刻な海賊版被害の実効的な対策を講じること」、「国民の正当な情報収集等に萎縮を生じさせないこと」というふたつの要請を両立させた形で、侵害コンテンツのダウンロード違法化を行うことについて、どう考えるかと。このあたりから軽く。

坂井:
 全然軽くないですよ(笑)。

赤松:
 これが一番重いですよね(笑)。でも漫画協会は今回、大手出版社の集まりと共同声明を出して、政府に対して「この前はすまなかった」と。「海賊版対策をやってほしくないわけじゃないからやって」と共同声明を出しちゃった以上は賛成と言わざるを得ないんですよね。

山田:
 AFEE的にはどうですか。

坂井:
 僕は編集長思案で2で出したんですよ。どちらかと言うと賛成。最終的にはですね今の役員会案というやつがあるのですが、それは未回答。これは何かというと政府に対する不信感なんですよ。だってここに書いてあることって絶対賛成なんですよ。ネガティブなこととポジティブなことを両立させたら、ネガティブなことを叩くためにはダウンロード違法化しなきゃいけないですから。

 だからどちらかと言うと賛成です。本当にできるんだったら基本的には賛成です。でも賛成に丸をつけると、全部この問題に賛成と捉えられるように見えちゃうから、これは未回答としました。

山田:
 でもネットでもそういう意見が多かったんですよ。明らかに1番をつけざるを得ないような書きぶりであると。ゆえに賛成だからこそ規制を作っていいんだというふうに誘導しているのではないかというふうに、かなり批判が逆に多かった。逆にこれは最後にすべきなんだよ。

赤松:
 一旦これはパスして次のやつにいきましょう。

山田:
 懸案事項および要件設定ですね。侵害コンテンツのダウンロード違法化を行うことによる懸念事項として、下の項目があると。1。インターネット上に掲載されたコンテンツは、適法にアップロードされたのか違法にアップロードされたのか判断が難しいものが多いため、ダウンロードを控えることになる。そういう懸念があると。

赤松:
 それが違法なのかわからないから、なるべくやらないよという人たちがいる。

山田:
 萎縮しちゃうということ。

坂井:
 僕はこれはとても懸念されるに丸をつけました。

赤松:
 まあそうですよね。どちらかというと懸念。言っておきますけれど、これは漫画協会としての意見じゃないですよ(笑)。どちらかというと懸念されますよね。

山田:
 次はスクリーンショットで保存しようとする際に、違法画像等 が入り込むことが違法になる。これはスクショ問題ですね。

赤松:
 どうですか。

坂井:
 懸念されるに丸をつけましたけれども、ここはどちらかと言うと、あまり今回の論点にならないかなというふうに僕は思っていて、さすがに今回の文化庁もこれは違法にしないでしょうというふうに思っているんですけれども。

山田:
 へえ、信じているんだ。

坂井:
 はい、信じています(笑)。

赤松:
 私も1番。

山田:
 たぶんこれは30条の2でやろうとしているんですよ。映り込みの解釈でもって明確に書くというのかなと思うのですが、まず政府なり、そういうのが信用されていないというのが大きいのかなという気もしますけれど。では、同じだと。

赤松:
 同じじゃないですよ。私はとても懸念されると心配しているんですよ。

山田:
 坂井さんも。

坂井:
 「とても懸念される」です。

山田:
 漫画の1コマのダウンロードや論文中に他人の著作物の違法引用がされている場合の該当論文のダウンロードなど、ごく一部の軽微なダウンロードでも違法になる。

赤松:
 私は2番。どちらかというと懸念されると思います。

坂井:
 1番と書きましたけれども、これもないんだろうなと僕は著作権課を信じているんですけれども。

赤松:
 次が問題なんですよ。

山田:
 原作者の許諾を得ずに創作された二次創作・パロディのダウンロードが違法になる。

赤松:
 これはどうしていましたか。

坂井:
 とても懸念されると書きました。ただし今の法律上、これって違法じゃないんですよ。

山田:
 判例がないんです。

坂井:
 判例がないというか、これは除外されているんですね。二次創作、パロディはすごく難しいんですけれど、「二次創作を作りました」という人がアップロードする。これ自体は違法行為。あ、違法行為と言っちゃいけないのか。

赤松:
 私が許可しているかもしれないからね(笑)。

坂井:
 原作者の許可なくやっていれば、厳密に言うと違法です。それをダウンロードすること自体は今回の法律では合法なんですよ。ただしたとえば僕が赤松さんの作品で二次創作を作ったものを、山田さんが今度コピーして別のサイトにアップしましたと。それをダウンロードしましたというので、それを知っていたらこっちは違法になる。すごく難しい仕組みになっているので、こういうのは教育しなきゃいけないと僕は書きました。

赤松:
 私としては二次創作が違法なのかどうなのかというのが前提条件として出てくるので、これを懸念されるとかいうと、二次創作がだめなのかと言っているように見えるし、懸念されないだと二次創作はOKなんだと言っているように聞こえちゃうので、一応5番にして態度を明らかにしませんでした。

山田:
 原文でも28条というのがあって、二次創作、パロディは含まないというふうには除外しているんだよね。

赤松:
 二次創作関しては文化審議会でも出版社が「コミケは創作のゆりかごである」みたいなことを言っているし、我々も概ね同人出身の漫画家ってすごい多いんですよというのがあるので、ガンガン違法みたいなふうにはならないですよね。かと言って合法なの? と言われると、合法とも言いませんよという感じですよ。だから5番にしました。

山田:
 無料で提供されているコンテンツが違法にアップロードされている場合は、そのダウンロードが違法になる。

赤松:
 これはちょっとおかしくて、「問題視していない」というときは、問題視していないということじゃないですか。それで「黙認している」というのは黙認しているということではないので、これはなんかちょっとよくわからない設問なんですけれど。

坂井:
 僕はこういうやり方、有料か有料じゃないかじゃなくて、原作者の経済的利益を不当に害しているか、害していないかという観点で、どちらかというと害しているほうだったら規制してもしょうがないかなという立場です。タダでも害している場合はあるし、有料でも害していない、あるいは別に気にしない場合もあるので、そういう観点で分けるべきなんじゃないかなということを、コメントに書いています。

赤松:
 作者が黙認しているというのは、どういう状況をいうのかわからないです。黙認している顔とかですかね(笑)。

山田:
 次は権利者により、濫用的な権利行使がされる可能性や刑事罰の規定の運用が不当に拡大される可能性がある。これは信頼度だね。

坂井:
 これはとても懸念されるにしました。

赤松:
 これは「権利者により」というのは私じゃないですか。だから3とか4とかというふうにしないと、自分でとても懸念されるにすると、やらなきゃいいじゃないかという話になるので設問がちょっとおかしい。

坂井:
 どちらかというと僕らは前段というよりも後段ですね。刑事罰の規定の運用を不当に拡大される可能性があると。警察が好き勝手やれちゃうよというようなところに対する懸念を主に書きました。

山田:
 ここは大事な論点で、コメントでも「警察が」というのが多いんですよ。そういうのが萎縮に繋がるとするんだったら、刑事罰を最初につけるべきじゃないんじゃないかというのが論点ですね。次にいきましょう。侵害コンテンツのダウンロード違法化に関する文化庁当初案についてどう思うか。

 当初案で良い、当初案よりもしぼり込むべき、広げるべき、適否はわからないがバランスのとれた内容とすべき、政府における検討にゆだねるってちょっとあまりよくわからないですけれども。要件にかかわらず侵害コンテンツのダウンロード違法化自体は行うべきではない。

赤松:
 坂井さんは?

坂井:
 最初に言ったとおり、5番にしました。

赤松:
 今までの設問と矛盾していませんか(笑)。

坂井:
 なぜかと言うと、実効性がないからということにしたんですよ。先ほどのリーチサイト話を見るまではということで許してください。実効性がないと思っていたんですよ。

 ダウンロードの違法化というのは僕の感覚だと、漫画村、miomio、AniTubeと、アニメも入っていますけれどもストリーミングサイトで仮にこういうことをやっても実際に1時間半かけてダウンロードして漫画を見る人がいないと思ったんですよ。すいませんがその認識は僕には欠けていました。その上でこれをどうするかというのは、すいません、ちょっと考えさせてください(笑)。

赤松: 
 私は2ですね。違法となる対象が広いので、もっとしぼり込めよということですよね。

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