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ハライチ岩井が『キャロル&チューズデイ』を春アニメ1位に選んだ理由――「どこがいいの? って聞かれたら“雰囲気”。ストレートにオシャレ」

第2位は二ノ宮『フルーツバスケット』、岩井『八十亀ちゃんかんさつにっき』

岩井:
 私は『八十亀ちゃんかんさつにっき』が2位。二ノ宮係長は『フルーツバスケット』が2位?

 

二ノ宮:
 『フルーツバスケット』よくなかったですか?

岩井:
 いや、よかったですよ。

二ノ宮:
 僕は昔の『フルーツバスケット』に触れていないんですよ。アニメを放送していたのは知っているんですけど。

岩井:
 そうですか。うちは妹が見ていたから。

二ノ宮:
 女の子の友達で世代が近い子とかは、「昔の方が好きだったからキャストが変わったりすると、思い出として受け入れられないところがある」みたいなことは言ってた。でも声優さんが変わるとそうだよな。

 僕は前を見ていないから、フラットな気持ちで見ておもしろかったですけどね。主人公も嫌味な感じがしないし。先入観もあるんですけれども、確かに話の作りとか設定とかが一昔前っぽいなって。

岩井:
 “新・フルーツバスケット”みたいに現代に迎合した感じにするのもちょっと違うだろうし。

二ノ宮:
 そうなんですよね。それは誰も求めてない。

番組スタッフ:
 キャラクターの声もできる限り頑張っていると思うんだけれど、これターゲットはどっち? って。草摩綾女役の櫻井孝宏さんの、ああいう声は僕は櫻井さんを知っているけど、正直言って違和感はありましたよ。

 でも、今はじめて『フルーツバスケット』を見た人が、これが『フルーツバスケット』だと思ったら、たぶんすんなり喉を通ると思うんです。前を知っているぶん、おもしろいけど違和感を感じずにはいられない。

二ノ宮:
 そこはしょうがないですよ。リメイクされる『AKIRA』の金田役が岩田光央じゃないくらい。違和感がすごい人はいっぱいると思いますよ。

岩井:
 『AKIRA』はどうなるんだろうね。なんであんなきれいにおさまった作品をほじくり回すんだろう。

番組スタッフ:
 『カードキャプターさくら』の新作は元々の声優じゃないですか。それはファンがめちゃくちゃ喜ぶし、声優陣も当時の演技を取り戻すために頑張っていると思うんです。でもこれって絶対に通用しなくなるときが来る。

 じゃあどうする? となったときに、『フルーツバスケット』のパターンって声優を変えるひとつのいいパターンだと思うんです。こういう変わり方もあるよと。

二ノ宮:
 キャスト変えた作品でよかったものって『ルパン三世』と『ドラえもん』くらいですね。あと『クレヨンしんちゃん』も変わったといえば変わりましたね。

番組スタッフ:
 人気のある作品だったらどんどんキャストを変えてやるというのも。正直作品力が強いから大人たちはやりたがるんですよ。

第1位は両者絶賛の『キャロル&チューズデイ』

岩井:
 1位はふたりとも『キャロル&チューズデイ』。

二ノ宮:
 僕は、これは細マッチョのような作品だと思うんですよ。無駄が一切ないのに詰まっている。蓋を開けてみたら登場人物って実はすごく少ないんですよ。だけどチューズデイの家出の話とか、決勝で当たったアンジェラの家庭環境の話とか、本当だったらもっとねっとり描いちゃうと思うんです。

 なぜ飛び出すことになったのかとか、キャロルにも実はこんなことがあったとか、そういうエピソードを入れがちなんですけれど、そこは一切排除してしまう。それでもキャロルのバックボーンとかを僕は勝手に補完してる。空いた尺でオーディション番組のキャロル&チューズデイと当たらない人たちにふる、歌わせる。すごく取捨選択がうまいです。

岩井:
 すごいですね。全部を雰囲気に注いでいますよね。『キャロル&チューズデイ』って、「どこがおもしろいの?」って聞かれたら、俺はまず「雰囲気」と言いますよね。音楽も全部よかったし、アメリカ感があったじゃないですか。戦後のアメリカってかっこいいな~みたいな感じがしなかったですか(笑)? 先を行っている国への憧れというか……。

二ノ宮:
 わかりますよ(笑)。舞台は火星なんですけどね。海外かっこいいな~みたいな。アンジェラとやりとりしているAIのエンジニアの話とか、なぜAIしか信用しなくなったのかみたいな話とか、じめっとした話を本当なら入れがち。

 でもそこはない。安い展開だとAIが作った曲とキャロル&チューズデイのふたり同居生活の中で作った人間味のある曲が対決して、結局人間が作ったほうが心がこもっていてすばらしいっていう間抜けな展開にしちゃうんですよ。

 でもどちらも表現力がすばらしかったっていうオチに持っていくのは、本当にすばらしい。

岩井:
 いやもう、すごい。これはやられましたね。本当に海外ドラマみたいだったね。そう考えてみたら海外ドラマとかって日本ほど過去をしっかり描いてドロドロやらないじゃないですか。本当に海外に向けてやっているんだなって。日本人って、ここはどうなんだ? とか、うるさいじゃないですか。そういうのを排除するっていう。

二ノ宮:
 見ているほうはちゃんと立ち位置も把握していますもんね。

岩井:
 すごくいい音楽制作費をかけているらしいです。オシャレですよね。

二ノ宮:
 主人公グループと当たらないやつの歌は本当なら飛ばして、じめっとした話に持っていきますよ。ただあそこでしっかり他の参加者がクオリティ高い曲を歌っているということをやることで、大会全体がすごいものなんだって見ていて思うよ。あれを勝ち抜いていくと、いよいよこのふたりが……! という気分になるじゃないですか。だからうまいなと。

岩井:
 曲がよすぎましたよ。ヨガをやっていた女の子の曲が本当によかった。今の時代、ファッションでアニメを見る人がいるじゃないですか? それってオタク系のアニメを見て、サブカルかじってますみたいなことがちょっとオシャレという感じが存在しているんだと思うんですよね。このアニメってしっかり、真っ向から、ストレートにオシャレ。すごいよかった。

二ノ宮:
 どこに出しても恥ずかしくない。一緒に見ていたお母さんがハマりましたみたいな感じの。

番組スタッフ:
 7月31日に『VOCAL COLLECTION Vol.1』が発売されます。

二ノ宮:
 これは売れるでしょう。

岩井:
 私の誕生日なので誰か買ってください(笑)。

▼次回の「ハライチ岩井勇気のアニ番」は
7月19日(金)19:00から始まります▼

第114回ハライチ岩井勇気のアニ番

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