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本物のティラノサウルスは「人間よりも足が遅い」…『ジュラシック・パーク』の“嘘だらけ”な恐竜の生態に迫る

短すぎる前足の意外な使い道

岡田:
 あとは『ジュラシック・パーク』での嘘というと、「ティラノサウルスは吠えない」というのがありますね。なぜかというと、ティラノには声帯がないんですよ。

 まあ、「ブオォー」みたいな音は出したかもわからないんですけど。少なくとも「ギャオォー!」なんて吠えることは、声帯自体がないのでありません。

 他にもティラノサウルスというと、この小さい前足が何のために付いていたのか、いまだによくわかってないんですね。あまりにも役に立ちそうもないから、昔は「この前足は、交尾をする時にメスが逃げないように捕まえるためなんじゃないか?」なんて言われてたんですよ。

 でも、研究が進むに連れて、この前足についている爪が、かなり頑丈であることがわかってきた。なので、今度は「これは、獲物の腹をナイフのように引き裂くためにあるんだ」と言われるようになりました。

 ところが、獲物の腹を引き裂くにしては短すぎるんですよね。これじゃあ、獲物には届かないだろう、と。

 ということで、最近の学説ではどうなのかというと。ティラノサウルスって夜、寝る時に腹ばいで寝るんですけども、その姿勢から体を起こす時に、よっこらしょっと、体を支えるためだけに使ったらしいとされています。

 その根拠としては、これまで発掘されたティラノサウルスの成体の化石って、鎖骨部分の骨折がやたら多いんですよ。つまり、よっこらしょと起き上がる時に、体重が前足の部分に掛かる。この時にタイミングを間違えたから、鎖骨がボキボキ折れてしまった、ということです。

 まあ、鎖骨に限らず、ティラノサウルスの化石というのは、だいたい、どこかを骨折しているんですよ。こういう所からも、もう生物としては限界のサイズだったというのがわかりますね。

なぜ映画の恐竜描写には嘘が混ざるのか?

 今、話したように、「歯は剥き出しではない」とか、「本当は歩くことしかできなかった」ということは散々わかっているはずなのに、なぜ間違った復元図が残り続けているのかというと。

 やっぱり、恐竜学者の人って“趣味人”が多いからなんですよ。ここが、恐竜学というのが他の学問と一番違うところだと思うんですけども。元々、「子供の頃からティラノ好きだ」とか、「トリケラトプス好きだ」とか、「プロントサウルス好きだ」という人が、恐竜学者にはやたら多いんです。

 そんなふうに、子供の頃に憧れて入ってきてるもんだから、復元図を描く時も、やっぱり、ちょっとでもカッコよくしてしまうし、ちょっとでも「みなさん、カッコいいでしょう?」って感じにしちゃうそうなんですよね。

 なので、「本当はティラノサウルスの動きが遅かった。走れなかった」と言われても、「いやいや、歩くと入っても、一歩一歩の歩幅が長いから本当は速かったんだよ!」みたいに反論する人がめちゃくちゃ多いんです。

 ここらへんの恐竜の嘘に関しては、「嘘をつく」というよりは、「愛するあまり、ちょっと盛ってしまう」みたいなところがあると思ってください。

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