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将棋界の登山家・中川大輔八段が経験した約23時間にわたる対局を振り返る「体力がないと持っている技術を発揮することも精神力を発揮することも難しい」

 2004年に行われた順位戦B級1組の中川大輔七段-行方尚史七段戦(段位はいずれも当時のもの)。この対局は2回の指し直しがあり、終局は対局開始の約23時間後だったという記録が残っています。

 将棋界の登山家であり、この長時間対局を経験した中川大輔八段が、「体力がないと持っている技術を発揮することも精神力を発揮することも難しいんですね」「やはり健康面に気を遣うってことは絶対に必要だと思いますね」と体力の重要性について語り、さらに「(対局後に)行方くんと2人で築地かなんかに行って寿司をつまんだんですよ」など当時を振り返りました。

左から、貞升南女流初段、中川大輔八段

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健康面に気を遣うことは絶対に必要

貞升:
 千葉県の男性から中川先生へメールです。「叡王戦で行方八段との対局が決まった際に、かつて1日で終局する対局での史上最長時間記録が中川行方戦であることを思い出しました。それだけ長く対局をする体力は、“将棋界の登山家”と呼ばれるほどお好きな登山も良い影響を与えているとお考えでしょうか」という質問です。

中川:
 この時は本当に特殊で、指し直しが2回あって……。(午前10時から)翌朝の9時15分まで対局したんですけども、通常の長い対局でもだいたい夜中の12時ぐらいまでなんですね。

貞升:
 順位戦はそうですね。

中川:
 もちろん技術も必要ですし、いろんなもの必要なんですけども、体力がないと持っている技術を発揮することも精神力を発揮することも難しいんですね。登山云々の体力というのはちょっと将棋に生きているかどうかわからないですけども、やはり健康面に気を遣うってことは絶対に必要だと思いますね。

貞升:
 この将棋は本当に相当体力が必要だったんじゃないですか?

中川:
 まず夜中2時くらいに持将棋で指し直しになって、もうその時点で200手ぐらい超しているわけですよ。もうお互いにフラフラ、行方先生もフラフラなんですよ。

 (行方先生は)朝から咳き込んで「ゴホンゴホン」とか咳き込んでいて、いかにも倒れそうなんだけども倒れない。指し直しの将棋が5時半ぐらいに千日手になったんですよ。そしてだんだん夜が明けてくるんですよ。

貞升:
 明るくなってくるんですね。

中川:
 おかしいでしょ(笑)。指し直し2局目は難しい将棋だったんですけども、だんだん持ち時間が減ってきているんだけども日が高くなってくるでしょ、普通は持ち時間が減ってきて日が落ちて暗くなってくるのに。

貞升:
 暗くなりますね。

中川:
 変な気分でね(笑)。行方くんは咳をしているし局面はだんだん苦しくなってきてるし。こっちはまだ元気なんですよ? 彼は倒れそうなんですよ? でも最後に負けるのは私だったんですよね。あれは残念でした。

貞升:
 すごい戦いでしたね。

2人で食事をしながら感想戦

中川:
 あの後、行方くんと2人で築地かなんかに行って寿司をつまんだんですよ。2人で行って、「ちょっとお腹空いたね」と言って。それで、感想戦を1時間ぐらいやって、それでちょっと寿司つまみながら「疲れたな」と話をしたのは覚えていますね。
 ただ、そのあとどうやって帰ったか覚えてないんですよ。

貞升:
 築地まで行くってすごいですね。「タフすぎる」とコメントありますけど(笑)。

中川:
 もう10何年前ですね。

貞升:
 コメントにもありましたけど、もう戦友という感じなんですか。

中川:
 そうですね、そんな感じでしたね。

貞升:
 すごいお話ですね。


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