「完成度より伸びしろと可能性で選びました」――“ラストアイドル騒動”で炎上の吉田豪氏が事の全容を語る
蒲原令奈は「明らかに何かを変えるタイプ」
吉田:
ちなみに報道されていない部分をいろいろ言うと、僕が2回目に番組に出た時、まずスタッフから一つだけ注意があったんです。審査員の中に暫定メンバーに思い入れができすぎちゃって、「挑戦者に入れられない、残酷すぎて」みたいな人がいて「ああいうことは本当に言って欲しくない、自分でいいと思った方を素直に選んでください」と。
「視聴者と同じ目線になって欲しくない」みたいなことを言われたんですよ。だから明らかに少数派でもいいからそっちを選べる人を審査員にピックアップしていて……、実は自分の選択が少数派かどうかも収録の時はわかんないんですよ。
終わった時に全員にコメントを取って誰がどっちを選んでいたかその時にわかるというシステムなんです。だから逆張りもできない。ちなみに暫定メンバーの長月さんが、「今回負けたら、これをラストチャンスだと思っていたのでアイドル辞めます」と言いだして、みんなが止めるという流れになっていましたね。
久田:
それガチなの?
吉田:
ガチです。実は僕もすごく必死に「あなたは絶対にアイドルを諦めないでください」と言いました。モーニング娘。を見たらわかるようにアイドルは負けてから始まることがあるものであり、他の審査員があなたを選んでいたわけだから自信を失う必要もない、敗者復活のグループもあるんだから。みたいな感じでフォローを入れてました。
先週くらいからTwitter上で僕のことを長月さんのファンの人がずっと攻撃していたんですよ。「吉田豪許せない」みたいなことを言っている人がいたんですけれども、この人が、すごくいいやつで……。勝った挑戦者の蒲原さんに「俺の大好きな子を負かしたんだからがんばれよ」みたいなことを書いていたんです(笑)。
一同:
(笑)
絵恋:
かっこいい(笑)。
久田:
僕その子を写真しか見ていないですけれども、スタイルのいい子だったんですよね?
吉田:
暫定メンバーはそういう子で、アイドルとしてはかなり正解な子なんですよ。僕は完成度より伸びしろというか可能性しかない子を選んだんですよ。歌唱力以外にあいつはダンス踊れるのか、みたいな話だけれども、実はヒップホップダンスを何年もやってたりして、そのキャラクターも含めて、この子が衣装を着て踊ったらどうなるんだろうか? みたいな好奇心がすごいことになったんです。
久田:
なるほど。
吉田:
これは正直に言って秋元康が望んでいるかどうかわかんないですよ。実際この次の収録から、本当に空気が変わったんですよ! その子がポンコツな感じで、いろんなことをやるだけで、ピリピリした客席から、笑いがでるようになった(笑)。
これは番組が求めているかどうかはわからないです。ただ、明らかに何かを変えるタイプの人です。
「おい、電話番号教えろ、今すぐ電話するからよ!」
吉田:
今回のコメントですごくあったのが。「やっぱりちゃんと合議制にすべきだ!」 みたいな意見。多数決じゃないとよくない! みたいな(笑)。
久田:
それは秋元さんは求めてないでしょう。
吉田:
そうなんです。ただ、秋元さんはこういう論争が起きるのを絶対求めてるんですよ。長月さんにピュアなファンが本当に多いので、ファンがピュアに怒る展開を一番喜んでいるんですよ。
久田:
絶対そうだよね。だからそれは彼にとってみればOKなんだよね。
吉田:
今回こういうことが起きて、僕のことをフォローしているような人とか、この番組を見ているような人たちは、「秋元康の手のひらの上で怒る奴はおかしい」みたいな……。でも、大きなビジネスにするにはピュアに怒る人達をどう巻き込むかだと思うんですよ。
久田:
それははっきり言ってすべきだよね。
吉田:
そうなんですよ。本気で怒ったり、「彼女のことを責任とれ!」と言っている人達を巻き込む。長月さんが握手会に急遽出ることになったり、理想的な流れが、何のアングルもないのに出来ちゃったんですよ。
絵恋:
長月さんのファンは絶対増えたと思います。もともとファンだった人も、怒ってはいるけど、余計にこれからもずっと応援していこうという気持ちが強くなってきたし。
久田:
うまい具合の仕掛けかもしれませんよね。
吉田:
セカンドユニット、サードユニットがあるってかなり早い段階で言ってるじゃないですか、これ絶対その辺込みの仕掛けですよ(笑)。言うのも野暮だけど。TwitterのDMの批判とかもすごくて……。「吉田さんのは正解だと思います」というのも来るんですけど、「おい、電話番号教えろ、今すぐ電話するからよ!」みたいなのも来ますね。
久田:
面倒臭えな、マジか(笑)。
絵恋:
ダダ漏れな性格って言ってましたけど、写真ダダ漏れしてますよね?
吉田:
ダダ漏れしてますよね。現場にも来てますからね。カットされてますけど実は挑戦者は毎回家族とか友達が応援に来ていて、家族をいじったりとか、友達をいじったりしてるんですよ。その天真爛漫さも、全開で出てた部分が全く出なくなっちゃってるのがもったいない。実は現場にそんなに行かないはずの秋元さんが毎回来ているらしいです。
怒っているのは坂道ファン!?
吉田:
伊集院さんがラジオで「自分と吉田豪さんはスパイ目線で見ていて、秋元康は何をやるんだ? と、スパイのような目で見ている」と言っているんです。だから伊集院さんとは話が合うんですよ。「この子いいと思う」みたいな面白がり方が僕と近いんですよね。
久田:
吉田君ってAKBが嫌いだって言った時があったよね。
吉田:
嫌いなわけじゃないですよ!
久田:
曲が好きじゃないってこと?
吉田:
曲は全く好きじゃない。好きなのもあるけど、シングルになるような曲は大体好きじゃない。周りがみんなAKBに転んでたけど、そんなに僕は興味はないぐらいの話です。
久田:
僕は転んでませんけどね。
吉田:
僕が選んだ蒲原さんはハロプロ顔だっていう感じで。だから、ハロプロ型の有名人の方々が、TwitterのDMで、「豪さん間違ってないです!」「あの子、最高じゃないですか」みたいな(笑)。逆に僕に怒っている人たちのアカウントには△マークがついている人が多い。つまり、坂道のファンなんですよ。
久田:
そうなんだ。
吉田:
坂道はかわいい子を集めて、波乱の起きないグループを作っている。だから坂道のファンとしては、かわいい子を選んで当たり前だろう、と思うんですよね。加えて、この番組が求める波乱みたいなものを求めてない人たちなんですよ。
48のファンは多分そういうのに慣れてるんだろうけど、一番そういうのに慣れてない層の人達が「キー!」となっている状態ですね。
メンバーにも番組にも秋元康にもプラスになり、吉田豪だけが損
吉田:
そういう人達が怒った後に、最後の番組のクレジットを見て「秋元康って出てるじゃないか、アイツのせいだ!」みたいな人もいたりして……。僕としては、えーっ知らないで見てたの? みたいな(笑)。
久田:
まず秋元さんでしょ……。ちょっと前にさ、元ジャニーズの平本淳也さんという人がいるんですが、全くAKBに興味なかったのに、「AKBの総選挙ではアイドルがガチで泣く、これは80年代になかったですね」って、言うんですよね。
吉田:
なるほどね。これまでは男のアイドルも女のアイドルもガチでは泣いていない。
久田:
本当にぐっちゃぐちゃに泣くじゃない? 平本淳也さんは「これは新しい!」とか言ってましたね。
吉田:
ガチで追い込んでますからね。
絵恋:
あえて人間味を出していくっていう感じ。
吉田:
精神崩壊するくらいまで追い込む、残酷ショーっぷりです。
久田:
ガチで泣いたり怒ったりというのは、彼等のジャニーズ系のアイドルではありえないらしいんですよ。
吉田:
絵恋ちゃん、同じアイドルとしてどうですか?
絵恋:
いろいろダダ漏れしちゃってる蒲原さんのことも気になるし、落ちちゃった長月さんのことも応援したくなったし、どっちも気になりました。
吉田:
「メンバーにもプラスになり、番組にもプラスになり、秋元康にもプラスになり、吉田豪だけが損をしたんじゃないか」というツイートを見て、そう!って思いましたよ。
一同:
(笑)
可愛いだけなら、そちらで仕事をして頂ければいいと思います
吉田:
僕が炎上してもプラスがあることがないんですよ。
絵恋:
写真が流出したのすごい怒られてるけど、ダダ漏れなのか、したたかさゼロっていうか。
吉田:
とにかく蒲原さんは、ダダ漏れなんですよ。表情が本当に面白い。勝った時の絶句してる表情とか、最高なんですよ。
絵恋:
(蒲原さんが)笑いこらえてる動画見ましたよ、最後。
吉田:
笑いかどうかわからないけど……。たぶん悪意や邪気がゼロな生き物なんですね。
吉田:
(視聴者からのコメント)「宇野さんが一切話題になっていないですよね」。宇野さんも多分波風を立てるような審査員として呼ばれたはずなんですけど、ちゃんと暫定メンバーを2回とも入れてました。宇野さんはそっちのファンの人なんだなって思います。
久田:
純粋な人なんでしょう。
吉田:
審査員の倉田さんは顔でしか選ばない人だから、「なんでそんな人を選ぶの? 私はわかんない!」みたいな。毎回収録後とかに、伊集院さんを交えてすごい話し合いになるんですよ。
久田:
倉田さんはアイドルが好きなの?
吉田:
別に、そんなに詳しいわけじゃないけど、可愛い子が好きな人ですね。可愛いだけなら、そちらで仕事をして頂ければいいと思います。
絵恋:
そうですね、顔が整っているだけだったらモデルさんにもいますし。
吉田:
明らかに何かが足りないと最高! ってなりますよね。
―関連記事―
『地下アイドル運営・本当にあったヤバい話』闇社会との関わりを吉田豪が語る
AV女優の発言を無断掲載した書籍『名前のない女たち』が映画化で炎上。著者「中村 敦彦氏」について吉田豪らがコメント