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『ドラクエ御三家』作曲家・すぎやまこういち氏(86歳)が語るシリーズサウンドへの想い「ドラクエは僕に幸せを運んでくれるゲームです」

 8月9日、東京芸術劇場コンサートホールにて『第31回ファミリークラシックコンサート~ドラゴンクエストの世界~』が行われ、タレントの椿姫彩菜さん、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(以下ドラゴンクエストXI)のプロデューサー・齊藤陽介さん岡本北斗さんがコンサート終了直後の楽屋の様子をお届けしました。

 今コンサートは7月29日に発売されたばかりの『ドラゴンクエストXI』の楽曲で構成されているということもあり、作曲家・すぎやまこういちさんに今作の楽曲制作にまつわるお話を語っていただきました。途中から東京都交響楽団のみなさん(高橋敦さん西條貴人さん和田博史さん塩田脩さんも話の輪に加わり、まだまだ興奮冷めやらぬコンサートの感想を伺いました。

画像は『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』公式サイトより。

作曲家すぎやまこういちが語るドラクエの楽曲制作での苦労

左から椿姫彩菜さん、岡本北斗さん、すぎやまこういちさん、齊藤陽介さん。

椿姫:
 まずは素晴らしいコンサートをありがとうございました。すぎやま先生にいろいろと伺っていきたいです。きょう披露していただいたのは『ドラゴンクエストXI』の曲でしたね。

すぎやま:
 初演なんですよ。それで初演っていうのは、指揮をする方も演奏する方もまたいい意味の緊張感があるんですよね。その緊張感がいい方向に出たんじゃないですか。

椿姫:
 とてもパワフルで素敵でした。そして『ドラゴンクエストXI』が発売になりましたが、今の心境はどうですか。

すぎやま:
 実際に遊んでみてやっぱり楽しいし、面白くおかしくできているなと。すごく楽しめる部分が多いですね。

椿姫:
 新しい試みなどもたくさんありますもんね。そしてこの『ドラゴンクエストXI』の制作にあたって、新たに四十曲も制作されました。

すぎやま:
 大変ですよ(笑)。

椿姫:
 本当に素敵な曲ばかりなんですが、新曲を制作するにあたって、心がけたことや試みなどがあれば伺いたいと思うのですが。

すぎやま:
 まず新曲を作るときに心がけることは、ドラゴンクエストシリーズの音楽の土台を踏み外さないようにしています。何か新しいことを狙って、そこを踏み外してはいけません。「ドラゴンクエストの音楽」というコンセプトの中で新しい曲、試みに挑戦する。そういった意味では、ただ新曲を作るというより大変な部分がありますね。

齊藤:
 今までの積み重ねがありますからね。

岡本:
 今回はどの曲が一番大変でしたか。

すぎやま:
 戦闘曲を考えるのが一番大変ですね。一タイトルごとに戦闘曲があるじゃないですか。だから今まで「ドラゴンクエストの音楽」というコンセプトの中で戦闘曲を何十曲も作ってきましたし、そこのコンセプトを外さないところで新しい交響曲を考える……これは結構大変ですよ。

岡本:
 今回の戦闘曲、すごいですよね。

齊藤:
 すぎやま先生の戦闘曲の何がすごいって、自分が戦闘している気になるんです。同じ戦闘曲でも、「この曲を聞いたら強敵と戦っているぞ」と頭の中ですぐにイメージできるのが素晴らしいですよね。

椿姫:
 戦闘曲だけでもボス戦やら、たくさんありますからね。

すぎやま:
 先ほども言ったように、既存曲が多く、その中で新しい曲を作るのは大変なことなのですが、幸いなことにドラゴンクエストの開発にはすごい時間がかかるんですね(笑)。

一同:
 (笑)

すぎやま:
 これが新しいパッケージが半年ごとに出来上がっていたら頭が間に合わないです(笑)。

齊藤:
 今後もゆっくりいきましょうね(笑)。

今コンサートは「お客さんと一体となって感動できた」

椿姫:
 きょうの演奏で素敵だなと思ったのはハープの音がコンサートならではという感じで、すごくきれいですね。

すぎやま:
 ハープは歴史のある楽器ですからね。ギリシャ神話のころからハープの原型があるので、それだけ歴史があるんです。ピアノはハープが元で、あれが横になって鍵盤が付いているものですからね。

椿姫:
 ハープもそうですが、フルートとソロバイオリンで構成されている『愛のこもれび』がすごく素敵だと思いました。

すぎやま:
 東京都交響楽団は“天才ちゃん”の集合体ですからね(笑)。

椿姫:
 それでは、そのみなさんがいらっしゃったということで、お呼びしましょう。どうぞ。

左からトランペットの高橋敦さん、すぎやまこういちさん、ホルンの西條貴人さん、和田博史さん、バイオリンの塩田脩さん。

椿姫:
 本当に素敵なコンサートでした。お越しいただいたみなさんは、東京都交響楽団を代表する「ドラクエ大好きゲーマー」ということですが、コンサートを終えられた率直な感想を伺ってもよろしいでしょうか。

高橋:
 毎回そうですが、今回もとても感動的なコンサートでした。アンコールのメドレーは、演奏している僕らも感動で泣きそうになって、泣いているメンバーもいました。お客さんと一体になって感動できたコンサートだったと思います。

齊藤:
 私たちも客席で見ていて、泣いているお客さんもいましたもんね。

西城:
 拍手がとにかくすごかったです。いつもなら聞けない拍手がブワーって聞こえてきたので、僕らも応えなきゃいけないと思いました。すぎやま先生をはじめ、全体でいい音楽ができたと思います。

和田:
 一年間のコンサートで一番緊張する日です(笑)。

椿姫:
 それはドラクエがお好きだからですか(笑)。

和田:
 ドラクエも好きですが、すぎやま先生の曲が本当に好きなんです。

塩田:
 僕も感動しながら弾いていたんですが、和田さんと西城さんの顔がよく見える席で、二人とも目をつむって「曲に入っているな」という瞬間が見えて、こちらも感動しました。

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