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「息苦しいTwitter」から「風通しの良いマストドン」へ。インターネットユーザー協会代表が“マストドン急拡大”の理由を解説

pixivで活躍する絵師が連合から外された

津田:
 Twitterやpixivで活躍している絵師の人たちがマストドンに入っていきました。そして欧米の価値観では受け入れにくい、ある種の絵が大量に投稿された結果、「さすがにそれはうちの価値観じゃ無理っす」ということで、絵師の方たちは連合タイムライン【※】から外された一件があったわけです。これは象徴的な一件だったと思います。Facebookのように特定の人に限られた話なら、起こりようもないことなんです。

 この一件で僕が思ったのは、秋葉原のある時期の風景だなと。秋葉原へ行くと、一時期、萌絵とかエロゲーのパッケージばかりがところ狭しと並んでいました。それは良いんだけど、公共の場だし、初めて来た人が見たらビックリしますよね。「こんなもの規制しないといけない!」という強い反発も招いてしまいます。

『秋葉原 中央通り交差点』Wikipediaより。

津田:
 この内輪ノリは公園で騒ぐ感じに似ています。公園で騒いでいたら、面白がって参加する人がいて、盛り上がることもあります。逆に「公園で騒いでうるさいから規制してよ」という人も出てくる。内輪ノリが公開の場でやられているから起きる問題があるんです。マストドンは今、コントロールが効かない形で盛り上がっている。今後、そういう衝突がどうなるかは、気になってるところです。

価値観による衝突が嫌な人がマストドンに移住する

津田:
 日本でいえばTwitterは月間アクティブユーザーが4000万人なんですよ。実際は2000~3000万人かもしれません。でも、それだけ多くの人が使っているということは、「出会っちゃいけない人が出会いやすいツール」になっちゃっていると思うんですよね。「こいつに会ったら殴られるな」という人と出会いやすくなっているのが、今のTwitterだと思います。

 昔のTwitterはネットリテラシーがある人だけ使っていました。でも、ある一定以上の規模で広がりきってしまった結果、不幸な出会いと情報の衝突が発生して、過激な人だけが残って、普通の人が退場しています。そういう流れがある中で、Twitterで自然に発生しているクラスタのようなものが、マストドンへ流れている。価値観の違う人たちの衝突がイヤな人たちは、マストドンのような風通しの良い場所でやれるんじゃないでしょうか。

 2009~2010年頃のTwitterが好きだった人がマストドンへ移っていくかもしれないし、またそれとは違って、新しいつながりを求める人が集まっている。そういうことがあるのかなと思います。

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